《めてみみ》衣類循環への期待

2025/03/04 06:24 更新NEW!


 大丸松坂屋百貨店が運営するサブスクリプション(定額課金)型サービスの「アナザーアドレス」は、アップサイクルコンテストを開いた。同サービスの衣類循環プロジェクト「ループ」の一環で、環境省が推進する脱炭素運動「デコ活」の24年度補助事業に採択された。

 プロと学生・アマの2部門で約95人がエントリー。約450着の新たなアイテムを製作し、再びレンタルできるようにした。既存サービスの枠を超え不用になった服を回収し、「廃棄を減らす・寿命が延びる・技術を継承する」プロジェクトを推進する。

 アナザーアドレスの事業パーパスは「ファッションニューライフ」だ。ファッションの価値である「人を元気にする、楽しくする力」と、使い捨てにしない体験を融合。大量生産・過剰在庫などの問題に対し持続可能なモデルへの転換を目指す。

 所有や消費を前提とした百貨店ビジネスモデルを自らディスラプション(創造的破壊)し、コロナ下の21年3月にサービスを開始した。当初は「借りられたら新品が売れなくなる」と否定的な意見が少なくなかった。だが、エントリーカスタマーの獲得など潜在需要の開拓や顧客・商品データの有益性が懸念を払拭(ふっしょく)した。循環型ファッション領域でRaaS(サービスとしての小売業)としての新たなプラットフォーム化に期待したい。



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