きちんと感と今の空気感のベストバランス 「トーナル」


 エムファーストのモード系レディスキャリアブランド「トーナル」は、働く女性の “スタンダードワードローブ”を追求している。「仕事着としてのきちんと感と今の空気感の両方がある」「ストレスがなく毎日のように着たい」など色んな意味で女性にとって“使える服”が、ファッションビルでも百貨店でも消費者に支持される理由だ。

見た目だけではない価値

袖レースのブラウスとウエストマークのパンツでこなれたキャリアスタイルを

 トーナルの魅力は、デザインや機能、品質、価格のバランスと言える。この間、色んな企画に挑戦することでターゲット層が本当に求めるものやブランドがカバーすべき幅がより明確になってきた。おしゃれだがトレンド色が強すぎる服や見栄えは良いが重かったり硬い着心地の服は、働く女性にとっての “良い服” とは言えない。デイリーに使えてなおかつ長く着られる服であることを大切にしており、「働く女性が『こういうアイテムがほしい』というときに、期待に応えられるブランドでありたい」と眞田隆司トーナル事業部事業部長。

 ウォッシャブルやストレッチなどの実用的な機能も、トーナルの考える良い服には欠かせない。デザイナーは全てのサンプルを着用し、座る、腕を上げるといった動作のしやすさも確かめている。17~18 年冬物であえてニットではなくブラウスを提案した際は、布帛物ならではのきちんとした見た目に吸湿発熱素材による暖かさをプラスしたことでヒットした。 18 年春夏カタログでは、前回に続き人気モデルの小泉里子さんを起用。スタリッシュなビジュアルだがあくまで働く女 性にとってリアルなスタイリングを載せ、スタンダードワードローブとしての認知を高める。

販売力を強化する年に

人気のジャケットスタイルは、マーメイドラインのスカートで新鮮に

 18 年の重点課題は販売に関する強い組織作りだ。販売力の高い店舗スタッフは接客につくのが早く、自然にニーズを聞き出すなど距離の縮め方も上手い。個人の力量に加えて今後はブランド全体の販売力を底上げできるよう、関東の店長が月1回集まる店長会議を週1回に変更した。コミュニケーションの質を高め、各店の良い実践例は積極的に全体に共有する。

 10 店舗を超える規模に成長し、当面の出店は本社の目が行き届きやすく販売も好調な都心エリアを想定する。その上で地方にも広げる考えで、卸販売はしっかり取り組める店との関係を強化する。

「18年春夏は 程よい透け感で」 佐藤 一穂 チーフデザイナー

チーフデザイナーの佐藤さん

 18年春夏はレースなどの透け感に注目し、“エアリーシックモードスタイル”をシーズンテーマにしました。ブラウスは袖にだけレースを使い、なおかつ透けすぎないようレースの下にシフォンを重ねて程よくトレンドを取り入れました。さらっと羽織れる通勤用のコートもおすすめで、パンツにもスカートにも合うバランスを工夫しています。

 色の付け方もとても大切だと感じています。ピンクなどのカラー物は仕事着で使えてモノトーンのアイテムにも合わせやすい少しくすんだトーンを採用しました。人気のセットアップやジャケットは、型数豊富に揃えて提案します。

> 特集ページのTOPへ戻る

> 特集ページのTOPへ戻る