マークスタイラーのレディスブランド「アングリッド」はナチュラルでヘルシーなカジュアルファッションをベースに、体形をきれいに見せるシルエットやコーディネート提案で固定ファンの心をつかんでいる。店舗内装、EC、SNSを含めて一貫したブランディングで魅力的なイメージを体現できていることも強みだ。
体形カバー&女性らしい着こなしに信頼
いまや同社を代表する規模に成長したアングリッドは、客層の6~7割を固定ファンが占める。小さい子供を持つ女性も多いため動きやすく、かがんでも胸元や下着が見えない服作りを心がけている。加えて女性の悩みで多いのが腰周りやO脚など体形に関するもの。そこを「ただのオーバーサイズではなく、隠せるけどおしゃれに見えるデザイン」(中見川宜紀第3本部本部長兼アングリッド事業部事業部長)に定評がある。20代前半~30代半ばのファンを集めた座談会でも、「カジュアルだけど大人っぽい」「女性らしさがある」という意見が挙がった。
力を入れているのが接客時のスタイリング提案で、長袖はロールアップするなど女性のきゃしゃな部分である“三首”(首、手首、足首)をすっきり見せる。さらに、小柄な女性なら何センチくらいブラウジングするなどその人に合った着こなしも提案する。ECの説明文にもスタイリングのコツや素材感など知りたい情報をあらかじめ記載しておく。
ファンとして定着してもらえるよう、毎月定期的に○円以上購入でノベルティーをプレゼントするフェアも実施。買った服にも合わせやすい腕時計やバングル、シーズンを象徴する柄や素材の雑貨など、商品並みのクオリティーで人気だ。この効果もあり平均セット率は1.8をキープ。一方、エントリー価格の商品を計画的に投入することで新規客も獲得している。
インダストリアル調と、クリーンで落ち着きのある格好良い店舗内装もファン作りに一役買っている。こういう部屋に住みたいと憧れ、実際に壁の装飾やライトを真似する女性もいる。ブランドイメージを生かして車や住宅のリノベーションもプロデュースしており、ナチュラルでヘルシーなライフスタイル全体を提案できることもブランドとの結びつきを強くしている。
ファッションビルもモールも売れ筋は同じ
店舗数は現在29。この1年半で10店ほどを一気に出店し主要エリアには広がった。既存店には新内装を導入しつつ、来年は大都市近郊かつ駅近のショッピングモールへの出店を強化する。18年春に出店したテラスモール湘南も好調で、新宿などと売れる商品やスピードも変わらないため現状のMDを生かせるという。あわせて、中規模都市のファッションビルへの出店の可能性も検討する方針だ。
MARK STYLER
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