概要
ラベンハム(LAVENHAM)は、キルティングジャケットの代名詞として知られるイギリスのファッションブランド。ナイロンキルティングを使用したホースブランケット(馬用の毛布)からスタートしたブランドで、軽くて丈夫で保温性が高いと評判になり、乗馬愛好家が着用するナイロンキルティングのジャケットの開発がスタートした。
ラベンハムの全ての商品は、創業の地であるラベンハムから少し離れたサフォーク州サドバリーの自社工場で生産されている。
ラベンハムのキルティングジャケットが日本に上陸したのは1993年。主にセレクトショップで販売されており、以降、安定的な人気を誇っている。日本の総代理店は渡辺産業。
歴史
ラベンハム(LAVENHAM)は1969年、ロンドン北東部サフォーク州の小さな村、ラベンハムで誕生した。エリザベス女王の女官だった創設者のミセス・エリオットが、キルティング加工した生地を使用し女王が乗る馬用のブランケットを作ることを発想したのがきっかけ。その後、愛馬のブランケットとお揃いのジャケットが欲しいという乗馬愛好家からの要望から、1972年に乗馬愛好家向けのジャケットを発表した。
1975年にはジョッパーパンツを発表し、1980年代初めにはファッションアイテムとしての需要が高まった。1990年にはイタリアのファッション上級者の間で、スーツの上にラベンハムのジャケットを羽織るスタイルが流行した。
ブランド誕生以来、キルティングにこだわり続けているのは、保温性を高めるため。キルティングを生み出す際に、ダイヤモンドキルトという表面の糸がほつれにくいステッチ手法を使用している。ダイヤモンドキルトは、糸がクロスする部分を特殊な手法で縫い合わせて強度の安定性を高める技術で、ラベンハムは現在でもジャケットを生産する際にこの技術を用いている。
ラベンハムのキルティングは、中綿にポリエステルを使用しているのも特徴。軽さと多少の水に濡れても影響が少ないという特性がある。なお、定番モデルの「レイドン」は、メンズの38サイズで約480グラム、ウィメンズの36サイズで約376グラム。
ラベンハムのキルティングジャケットの表地は、ナイロンからポリエステル、ウール、カシミヤ、コットンなどバリエーション豊富に展開しており、ファッションアウターとしても人気となっている。
日本には1993年に上陸し、2013年にヒットユニオン傘下の英・フレッドペリーがラベンハムの株式を100%取得した。
(2019年3月現在)