株式会社山田養蜂場(所在地:岡山県苫田郡鏡野町、代表:山田英生、以下「山田養蜂場」)の自社研究機関である、山田養蜂場 健康科学研究所(所在地:同上)及び山田養蜂場グループ 美容科学研究所(所在地:東京都品川区)は、ローヤルゼリー(以下、RJ)が、表皮由来の老化細胞から分泌され、周囲の細胞までも老化させる「SASP(老化関連分泌表現型)因子※1」の発現を抑制し、「天然のセノモルフィック(老化関連分泌抑制)剤」として機能することを解明しました。当社は、「第47回日本基礎老化学会大会」(2024年6月開催)にて本研究の第一報を発表※2しておりますが、この度の研究で、新たに中高齢者由来の表皮細胞においてもRJが普遍的にSASP因子を抑制する作用が確認されました。本成果は、科学雑誌『Molecular Biology Reports』に掲載されました(2026年7月)。
※1 老化した細胞が分泌する炎症性物質。細胞が老化してこれらの物質を分泌するようになる現象を老化関連分泌表現型(SASP)という。
※2 https://www.bee-lab.jp/_common/dl/newsrelease/2024/202407_01.pdf
研究背景:皮膚老化におけるSASPの影響とRJによるセノモルフィック効果の可能性
皮膚は人体最大の器官であり、外部の有害物質や乾燥から身体を守る重要なバリアとして機能しています。しかし、加齢などにより、細胞の機能は徐々に低下し、シワや乾燥などの「肌老化」が引き起こされます。老化を引き起こす原因のひとつとして、近年注目されているのが「老化細胞」です。
老化細胞とは、正常な働きができなくなった後も死滅せず、周囲に悪影響を与えながら居座り続ける細胞のことです。皮膚に蓄積した老化細胞は、細胞の老化に伴って分泌される特有の炎症性物質「SASP因子」を放出して周囲の正常な細胞を老化させるだけでなく、免疫や他臓器の機能不全を誘発し、全身の老化を加速させることが明らかになりつつあります。
つまり、皮膚の細胞のSASP因子を抑えることは若々しい皮膚を保つだけでなく、全身の健康寿命を延ばすために重要であると考えられます。このような老化細胞に対する戦略として、老化細胞を除去する「セノリティクス」がある一方で、SASP因子を抑制する「セノモルフィック」も着目されています。
山田養蜂場では、これまでRJが肌に対し、抗酸化機能を促進することや、表皮幹細胞の活性化など抗老化作用を示す可能性等を明らかにしてきました。しかしながら、既に発生した老化細胞そのものに対して、RJが直接どのように働きかけるのかについては不明でした。そこで、本研究では、表皮由来の老化細胞を用い、RJがSASP因子を抑制するセノモルフィック効果を示すか検証しました。
試験方法
[1]複製老化モデルの作製と評価
若齢者由来のヒト表皮角化細胞を長期培養し、人工的に加齢状態を再現した老化細胞(複製老化モデル)を作製しました。その後、老化細胞に特徴的なマーカー(p16INK4a、LaminB1)のタンパク質発現量と、SASP因子(IL-6やCXCLファミリー等)の遺伝子発現量を解析しました。
[2]複製老化モデルおよび中高齢者由来のヒト表皮細胞を用いた検証
確立した複製老化モデルにRJを添加し、24時間後にSASP因子(IL-6)の遺伝子発現量を解析しました。さらに、人工的な老化モデルだけでなく、加齢に伴う自然老化への効果を調べるため、75歳および56歳のヒト表皮角化細胞についても同様にRJを添加し、24時間後のIL-6の遺伝子発現量を解析しました。
研究結果
<概要>

[1]複製老化モデルの確立
複製老化モデルにおいて、老化マーカー(p16INK4a、LaminB1)タンパク質の発現変化とSASP因子(IL-6、CXCL1,2,8,10、SERPINE1)の遺伝子発現が確認され、老化細胞に特徴的な変化が確認されました。
[2]複製老化モデルおよび中高齢者由来の表皮細胞においてSASP因子の抑制(セノモルフィック効果)を確認
RJは複製老化モデルにおいてSASP因子(IL-6)の遺伝子発現を抑制しました(図1)。さらに、実年齢に伴い、
自然に老化した75歳および56歳のヒト表皮角化細胞においても、IL-6の遺伝子発現を抑制しました(図2,3)。

今後について
今回の研究により、RJは複製老化モデルならびに、中高齢者由来の老化細胞においても、普遍的にSASP因子の分泌を抑制するセノモルフィック(老化関連分泌抑制)効果があることが明らかになりました。RJは多様な生理活性成分を含み、SASP因子の分泌を引き起こす原因である炎症や酸化ストレスを同時に調節している可能性があることから、複数の原因にアプローチできる天然のセノモルフィック剤として非常に有用であると考えられます。また、SASP因子は皮膚だけでなく、全身の老化やさまざまな疾患を進行させる共通要因であるため、RJのSASP因子抑制効果は、肌にとどまらず、健康食品等の摂取を通じた全身のエイジングケアへと応用できる可能性があります。
山田養蜂場では、本研究によって見出されたRJの新しい機能を活用し、今後も多角的な研究を継続することで、RJの作用メカニズムを解き明かしながら、人々の美と健康につながる商品開発を行ってまいります。
【これまでのRJの研究成果一例】

<文献情報>
タイトル:Royal jelly suppresses senescence-associated secretory phenotype in senescent human epidermal keratinocytes
著者:中川 友希江1)、岡本 秀人1,2)、奥村 暢章1,2)
所属:1 株式会社山田養蜂場 R&D本部 山田養蜂場 健康科学研究所
2 株式会社山田養蜂場 R&D本部 山田養蜂場グループ 美容科学研究所
論文情報:Molecular Biology Reports. 2026 Jul 27;53(1):1270.
掲載日:2026年7月27日
DOI:10.1007/s11033-026-12431-4.
URL:https://link.springer.com/article/10.1007/s11033-026-12431-4
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