乾燥するのに、べたつき・毛穴も気になる「敏感肌かつ混合肌」の特徴を多面的に解析

2026/10/28 (2026/10/28更新)

第一三共ヘルスケア株式会社


第一三共ヘルスケア株式会社
皮脂バランスにアプローチする成分の新たな組み合わせで、皮脂抑制とバリア機能強化の可能性を確認

 第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区、社長:内田高広、以下「当社」)は、敏感肌に悩む方の中でも、肌の乾燥だけではなく、皮脂のべたつきや毛穴が目立つ「敏感肌かつ混合肌」に着目し、その特徴を多面的に解析しました。その結果、「敏感肌かつ混合肌」を自認する人では、肌のうるおいやバリア機能が低下する一方で、皮脂は多いという、うるおいと皮脂のバランスが崩れた肌状態が確認されました。
 また、皮脂量が毛穴の目立ちと関連することに加え、角層内のアミノ酸構成にも特徴があることが示唆されました。
 さらに、当社が長年培ってきた敏感肌研究およびアミノ酸研究の知見をもとに、皮脂とうるおいのバランスにアプローチする成分を探索したところ、成分の新たな組み合わせを見出し、細胞を用いた試験において、皮脂産生の抑制およびバリア機能に関わる遺伝子発現量の増加を確認しました。
 これらの結果から、敏感肌と混合肌の特徴を併せ持つ肌状態は、他の肌状態とは異なるスキンケアのアプローチが重要であると考えられます。

 当社は今後も、敏感肌の多様な肌状態に関する研究を深め、得られた知見を活かして、一人ひとりの肌悩みに寄り添ったスキンケア製品の開発につなげてまいります。






1.研究の背景と目的

 敏感肌では、角層水分量の低下や皮膚のバリア機能の低下に伴い、乾燥や肌荒れなどが生じやすくなっています。一方で、敏感肌でありながら、肌のべたつき、テカリ、毛穴の目立ちなど、皮脂に関連する悩みを同時に感じている方も存在します。
 また、一般的に混合肌は、顔の部位によって乾燥しやすい部分と皮脂量が多い部分が混在する肌として捉えられています。しかし、敏感肌に混合肌の特徴が加わった場合に、皮脂、うるおい、バリア状態、毛穴の目立ちおよび角層内のアミノ酸がどのような特徴を示すのかについては、十分に明らかになっていませんでした。
 そこで本研究では、敏感肌と混合肌の特徴を併せ持つ人に共通してみられる肌状態を多面的な解析によって明らかにすることを目的としました。

2.研究概要および成果

 本研究では、非敏感肌と「敏感肌かつ乾燥肌」「敏感肌かつ混合肌」の肌状態の違いを、うるおい、バリア状態、皮脂量、毛穴目立ちおよび角層内のアミノ酸量とバランスの観点から解析しました。
 さらに、敏感肌研究およびアミノ酸研究の知見をもとに、「敏感肌かつ混合肌」に適した成分を探索しました。アミノ酸系原料を含むさまざまな成分について検討した結果、アスパラギン酸とN-オクタノイルグリシンの組み合わせに着目し、それらの成分が皮脂産生およびバリア機能に関わる遺伝子発現へ及ぼす影響を評価しました。

<方法>
 非敏感肌の人(健康な肌の人)、「敏感肌かつ乾燥肌」を自認する人、および「敏感肌かつ混合肌」を自認する人を対象に、皮脂量、肌のうるおいの指標である角層水分量、バリア状態の指標である経表皮水分蒸散量:TEWL(※1)、目立ち毛穴数(目立つ毛穴の数)などを測定しました。また、「敏感肌かつ混合肌」を自認する人について、鼻および顎の皮脂量と目立ち毛穴数との関連を解析しました。さらに、角層中の複数のアミノ酸を主成分分析により統合的に解析しました。
 成分評価では、皮脂を産生するヒト皮脂腺細胞に、アスパラギン酸、N-オクタノイルグリシン、または両成分を添加し、細胞内に蓄積した脂質量をオイルレッドO染色(※2)して定量することで、皮脂産生への影響を評価しました。加えて、ヒト表皮角化細胞に両成分を同時に添加し、皮膚のバリア機能に関わるタイトジャンクション(※3)関連遺伝子(CLDN1、CLDN4、OCLN)の発現量を評価しました。

<研究成果(1)> 「敏感肌かつ混合肌」において、角層水分量とバリア機能低下を確認
 「敏感肌かつ混合肌」を自認する人では、非敏感肌の人と比較して角層水分量が有意に低く、バリア状態の指標であるTEWL(※1)が有意に高いことが確認されました(図1)。
 当社のこれまでの研究では、敏感肌を自認する人全体では非敏感肌の人との間にTEWL(※1)の有意な差は認められず、敏感肌のバリア状態は一様ではないことを報告しています(※4)。今回の結果から、敏感肌の中でも、今回対象とした「敏感肌かつ混合肌」を自認する人では、うるおい不足とバリア状態の低下傾向を併せ持つ可能性が示されました。

図1 非敏感肌および「敏感肌かつ混合肌」における角層水分量およびTEWL(※1)


<研究成果(2)> 「敏感肌かつ混合肌」では、「敏感肌かつ乾燥肌」よりも額の皮脂量が多い
 「敏感肌かつ混合肌」を自認する人では、「敏感肌かつ乾燥肌」を自認する人と比較して、Tゾーンの一部である額の皮脂量が有意に高いことが確認されました(図2)。
 この結果と研究成果(1)をあわせると、「敏感肌かつ混合肌」では、うるおい不足やバリア機能の低下傾向がみられる一方、部分的に皮脂量が多く、皮脂とうるおいのアンバランスが生じる可能性が示されました。

図2 「敏感肌かつ乾燥肌」「敏感肌かつ混合肌」における額の皮脂量


<研究成果(3)> 鼻および顎の皮脂量は、毛穴目立ちと関連する

 「敏感肌かつ混合肌」を自認する人の鼻および顎の皮脂量と、それぞれの部位における目立ち毛穴数との関連を調査した結果、有意な正の相関が認められました(図3)。この結果から、皮脂量の多さが毛穴目立ちと関連している可能性が示されました。

図3 鼻および顎の皮脂量と目立ち毛穴数の関係を示した散布図


<研究成果(4)> 「敏感肌かつ混合肌」では、角層内のアミノ酸構成にも特徴
 角層中の総アミノ酸量を測定したところ、敏感肌を自認する人は非敏感肌の人と比較して総アミノ酸量が有意に少ないことが分かりました(図4-1)。また、角層中の複数のアミノ酸を統合的に捉えるため、主成分分析を用いてアミノ酸プロファイルを可視化しました(図4-2)。その結果、「敏感肌かつ乾燥肌」群と「敏感肌かつ混合肌」群は、非敏感肌群とは異なる位置に分布することが確認されました。さらに、「敏感肌かつ混合肌」群は「敏感肌かつ乾燥肌」群と分布が一部重なりましたが、より広範に散在していました。
 これらのことから、敏感肌と非敏感肌では異なる角層内のアミノ酸構成であること、および「敏感肌かつ混合肌」の角層内のアミノ酸構成は「敏感肌かつ乾燥肌」と比較してより多様であることが示唆されました。この結果は、敏感肌の中でも肌状態に応じて角層内のアミノ酸構成が異なり、その多様性を踏まえたスキンケアアプローチが重要である可能性を示しています。

図4-1 肌状態ごとの角層内の総アミノ酸量

図4-2 角層内のアミノ酸を統合的に解析した主成分分析の結果(※5)


<研究成果(5)> アスパラギン酸とN-オクタノイルグリシンの組み合わせによる皮脂産生とバリア機能への影響
 ヒト皮脂腺細胞に各成分を添加し、細胞内に蓄積した脂質量を測定することで皮脂産生への影響を評価した結果、アスパラギン酸、N-オクタノイルグリシンおよび両成分を組み合わせた条件では、それぞれ対照条件と比較して皮脂産生が有意に抑制されました。さらに、両成分を組み合わせた条件では、それぞれの単独条件と比較しても皮脂産生が有意に抑制されました(図5-1)。これらの結果から、アスパラギン酸とN-オクタノイルグリシンの組み合わせは、「敏感肌かつ混合肌」における皮脂とうるおいのバランスへアプローチできる可能性が示されました。
 さらに、ヒト表皮角化細胞にアスパラギン酸とN-オクタノイルグリシンを同時に添加した結果、皮膚のバリア機能に関わるタイトジャンクション(※3)関連遺伝子であるCLDN1、CLDN4およびOCLNの発現量が、対照条件と比較して有意に増加しました(図5-2)。この結果から、アスパラギン酸とN-オクタノイルグリシンの組み合わせは、皮脂とうるおいのバランスへのアプローチに加え、バリア機能の強化につながる可能性が示されました。

図5-1 アスパラギン酸とN-オクタノイルグリシンの組み合わせによる皮脂産生への影響

図5-2 アスパラギン酸とN-オクタノイルグリシンの組み合わせによるタイトジャンクション(※3)関連遺伝子発現量への影響


3.今後の展望

 本研究で得られた結果を踏まえると、「敏感肌かつ混合肌」に対しては、皮脂のみに着目するのではなく肌状態を総合的に捉え、皮脂のケアとうるおいのケアの両面からアプローチすることが重要であると考えられます。
 また、「敏感肌かつ混合肌」では、「敏感肌かつ乾燥肌」と比較して角層内のアミノ酸構成がより多様であることが示唆されました。
 当社は、こうした知見を活かし、乾燥、べたつき、毛穴の目立ちといった複雑な肌悩みに、より的確にアプローチできる成分を配合したスキンケア製品の開発を目指してまいります。


<ご参考>

第一三共ヘルスケアについて
 第一三共ヘルスケアは、OTC医薬品領域におけるリーディングカンパニーとしての強みを基盤に、機能性スキンケア・オーラルケア・食品分野へと事業領域を拡大し、生活者の健やかな人生に寄り添うトータルヘルスケア企業として成長を続けています。
 私たちの理念を体現するコーポレートスローガン「Fit for You ひとりひとりの健やかな人生のライフパートナー」を掲げ、誰もが安心してセルフケア・セルフメディケーションに取り組める社会の実現に貢献してまいります。


※1 経表皮水分蒸散量(Transepidermal water loss: TEWL)は、皮膚から蒸散する水分量を示す指標で、皮膚のバリア状態を評価する指標の一つとして広く用いられています。一般的に、皮膚のバリア機能が低下するとTEWLは高くなります。
※2 中性脂肪(トリグリセリド)やコレステロールエステルなどの脂質を赤色~赤橙色に染色し可視化する方法。
※3 表皮の細胞同士の隙間をつなぐ構造で、皮膚内部からの水分の流出や外部からの物質の侵入を防ぐなど、皮膚のバリア機能を担っています。
※4 当社研究リリース「角層の炎症状態・アミノ酸量・肌色特性の解析から、複数の敏感肌タイプの存在を確認」(2026年10月5日付、https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/content/000142731.pdf)
※5 (図4-2)の「アミノ酸構成の特徴1・2」は、複数のアミノ酸の構成の違いを統計的にまとめて表した指標です。点の位置が離れているほど、角層内のアミノ酸構成が異なることを示します。

<リリース原文(PDF)>
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/content/000142863.pdf
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ