マッシュスタイルラボが18年春、女性のドレスを変える。「セルフォード」は“ザ・ファースト・レディー”をコンセプトに、ハレの場や思い出に残るシーンで女性を輝かせるドレスなどを提案する新ブランドだ。世界各国のファーストレディーのファッションへのリスペクトをデザインに落とし込み、品格と伝統にマッシュらしい遊び心やモード感を加えた新しいドレスアップスタイルを世に送り出す。
品格と伝統に遊び心を加えて
高級レストランでの大切な人との食事、子供のお受験や行事、結婚パーティー、仕事のプレゼンなど、「女性には身が引き締まるような特別なシーンがある」と近藤広幸社長。セルフォードは、そんな日に胸を張って着られるドレスコードやマナーを徹底しつつ、最先端のディテール、モード、遊び心を加えることで幅広いシーンで活躍する服を提案する。
女性の身体を最も美しく引き立てるアイテムとしてブランドの軸に据えたのが、パターンや素材を追求したフィット&フレアのドレスだ。ドレスのほか、着回しを考えてカーディガンやブラウス、スカート、ジャケット、バッグ、シューズ、アクセサリーといったコーディネートアイテムも充実している。
ドレスは1万円台後半を中心に高くて2万円台後半など、商品のクオリティーと手頃なプライスのギャップは女性たちを驚かせるだろう。ただし、「あくまで大前提は生地や縫製のクオリティー、フィット&フレアの美しさであり、その上でなるべく買いやすい価格で届けたい」と考えている。着ることで「自分がすてきに見える、誰かに会いたくなる、自分も周りの人も気分が上がる服が良い服だと思う」とし、オケージョンドレスを選ぶ際の妥協や我慢をすることなく、女性が自由にファッションを楽しめる商品を提案する。
デビューシーズンはフランスとイギリスのファーストレディーをミューズとして商品を企画した。今後は世界の色々なファーストレディーに焦点を当てる予定で、その度にセルフォードの新しい姿を見せていく。
百貨店でもファッションビルでも
デビューシーズンである18年春は、ルミネ新宿・ルミネ1、JR名古屋高島屋、阪急うめだ本店、表参道ヒルズへ計4店を出店する。かつて「スナイデル」で百貨店ブランドとファッションビルブランドの壁を壊したように、「プレタの売り場でも変化の激しいファッションビルでも戦えるブランドを目指したい」。クラス感がありつつも新しさを感じられる店装で、安心して買い物ができるよう接客サービスにも力を入れる。春以降も、女性が大切な服を買いに行きたくなるような高感度な商業施設へ出店し、20年までには10店舗以上の体制にしたい考えだ。
女性を最も美しく見せる形に
フィット&フレアのドレスは、身体に沿うデザインのため高い技術が求められる。「女性をより美しく見せられるよう細かいダーツを入れ、シェイプするベストな位置を研究しました。かっちりした部分だけでなく、アシンメトリーなタックなどで遊び心も加えています」とチーフデザイナーの山根和さん。着ているときはもちろん、クローゼットにかかっているときもきれいに見える仕上がりで女性の気分を上げる。ドレスは3サイズ展開のものが多く、約6割を占めるフィット&フレアのシルエットのほかにもタイトやAラインなどのドレスを揃え、好みやシーンによって選べるようにした。
尾州産地で作ったオリジナルのツイード生地をはじめ素材でも特別感を出す。今後はヨーロッパのメーカーとの取り組みも含めてセルフォードにしかない生地の開発を増やす。
シューズやバッグもオリジナルで揃える。定番的な「ジャッキー」シリーズは長く使えるよう、例えばパンプスはヒールをあまり高くせず木型のラインにこだわった。一方でトレンドを多く取り入れた「リリベット」シリーズは9センチヒールやカラーサテンのパンプスなどがあり、シンプルなドレスに合わせるだけで今の気分を味わえる。