タニモト(岡山市)の「パメオポーズ」は、ディレクター兼デザイナーのPELIさんの独創的な世界を表現したレディスブランドだ。毎回がらりとテーマが変わるユニークなコレクションを楽しみにするファンも多い。14年から本格的にコレクションをスタートして以降、「いくつになっても自分が好きなもの、他人とは違うものを着たい」女性のための商品を提案し続けている。
デザインやスタイリングで二面性を表現
パメオポーズのキーワードはジェンダーレス、タイムレス、ジャンルレス。性別や時間軸、ファッションのテイストにとらわれない、カオスとも言える商品が持ち味だ。陰と陽、ガーリーとマニッシュなど、二面性のあるデザインやスタイリングも得意とする。シーズンテーマの設定も、例えば19年春夏の「貴族大工」など非常にユニークだ。
20年春夏コレクションは「SAMSARA・MAZE」(輪廻転生迷路)をテーマに古代と未来を表現した。ディテールや素材で宇宙や天国をイメージした服に、スフィンクスやUFOをモチーフにしたピアスなど。レースのコルセットとマニッシュなセットアップのような、ブランドを象徴するスタイルもある。
客層は年齢も含めて非常に幅広い。共通するのは「独立志向、他人と同じは嫌、特別でありたい」女性像。このため、多くの人が集まるオケージョンシーンでのドレスやアクセサリーのニーズも高い。
数多くのブランドがあるレディス市場で、「マスに行かないのが“パメオらしさ”だと思う。大勢に受け入れられる服ではないけれど、コンペチターもいない」とPELIさん。売り方も他社の事例は当てはまらないため、「企画から販売までオリジナリティーがある。“違い”を価値にしたい」と強調する。
「ほかにはない」商品の持つ拡散力
ウェブメディアでシューズやアクセサリーが紹介されると、ツイッターで多いときは1万を超える「いいね」がつくという。ほかにはない商品だからこそ、大きな熱量が生まれて一気に拡散する。
今後は、「パメオポーズを着てくれる人口をもっと増やしたい」。毎回作り込んだシーズンビジュアルが好評だが、DJとしての顔も持つPELIさん自身の感性を生かし、音楽や光など、空間全体で表現することにも挑戦したいという。「そこからもブランドのファンになってくれたら」
19年3月からブランド運営がタニモトに移った。直営店は表参道本店に加えて、19年11月には新生・渋谷パルコに出店し予想以上の順調なスタートという。自社ECも伸びている。ボーダーレスなブランドとして海外市場にも広げたい考えだ。
PAMEO POSE(TANIMOTO co.,ltd)
【TEL】03-5843-1774