エミ 雨の日も晴れの日も女性をアクティブに


マッシュスポーツラボの「エミ」は、仕事や休日、スポーツなど女性のアクティブでファッショナブルな生活をサポートするブランドだ。クリアモードで機能的なデイリーウェア、トレンド要素を取り入れたヨガウェア、豊富なブランドラインナップのスニーカーを軸に、現代女性の新しいスタイルを提案。「こんなアイテムがほしいときはエミ」と指名されるポジションを着実に築いている。

スニーカーファッションに追い風

エミがデビューした15年当時も女性のスニーカーファッションは注目されていたが、まだ今ほどの大きなムーブメントでは無かった。「5年かかったが、想像以上に市場に追い風がきている。スニーカー単体ではなく洋服と一緒に提案してきたエミの貢献度は大きいのでは」と鈴木努マッシュスポーツラボ代表取締役社長は話す。

女性側の意識も変わった。以前は「コーディネートが分からない」という声が多かったが、自然にセンス良く取り入れる女性が増えた。18年秋冬シーズンからエミディレクターを務めている豊山YAMU陽子執行役員ブランドマネジメント部部長兼ジェラートピケ事業責任者は、「最近の大人向けファッション雑誌の表紙にも、スニーカーを履いたビジュアルが採用されるようになり、市場の大きな変化を感じている」。

鈴木社長が代表理事を務める一般社団法人ウェルネスウェンズデー協会主催で18年にスタートした「スニーカーベストドレッサー賞」を通じても、スニーカーファッションの普及に努めてきた。2月22日の「スニーカーの日」に合わせたものだが、取り組みがさらに浸透するよう「今後も面白い仕掛けをしていきたい」(鈴木社長)と考えている。

働くシーンをもっと動きやすく快適に

30~40代の働く女性を主対象にしたエミのデイリーウェア「エミアトリエ」はもともと、仕事で着やすいモードな服が人気だった。しかし女性の足元のドレスコードを変えてきたなかで、エミアトリエのデザインの方向性も進化している。  

ここ最近は商品企画に積極的にスポーツの機能素材を取り入れ、エミらしいオフィスウェアやデイリーウェアを確立しつつある。同時に女性たちからも、スニーカー同様、どんな天候でも快適でアクティブに生活できるユーティリティーウェアとしてのニーズが高まっている。実際にここ1年で売れ筋も変わり、薄くて軽い撥水ロングコートや吸水速乾でシワになりにくいシャツワンピースなど、モードと機能を融合した商品が売れるようになった。仕事用のジャケットも機能性の高い生地に変え、「エクササイズしているような感覚で働ける商品を作っている」(豊山ディレクター)。

「ママが自転車を一生懸命こいでいるときも、キャンプやバーベキューなどのアクティブデートにも、幅広いシーンでエミを着てほしい」。そのためにも、「機能性をいかにファッションやデイリーに落とし込むかが重要」だと考えている。素材メーカーと協力して、機能素材の開発にも取り組んでいきたいという。

ヨガもマッシュらしいアプローチで

一方、ヨガウェアを扱う「エミヨガ」は、ニュアンスカラーや今のトレンドを取り入れたディテールなど、マッシュならではのデザインアプローチが特徴だ。ヨガは今や女性の生活の一部ともいえるが、エミヨガの根底には、自分の内面と向き合うヨガの精神へのリスペクトがある。6月21日の「国際ヨガデー」には、一般の人も参加できるヨガイベントを本社オフィスで開いた。普段も、「ウェルネスウェンズデー」として水曜日にマッシュの社員が社内でヨガレッスンに参加する習慣がある。

エミヨガの着用シーンはヨガだけではなく、ジムでのワークアウトや紫外線対策のウェアとして使ったり、エミアトリエの服とコーディネートしてデイリーに楽しむこともできる。

スニーカーと洋服のトータル提案で成長

マッシュスポーツラボの19年春夏の売上高は前年同期比15%増と好調に推移している。中でも、スニーカーとアパレルの継続的なコーディネート提案が実った「エミ」業態が特に好調で、約30%増となっている。現在、同社の売り上げ構成はスニーカー70%、エミアトリエ20%、それ以外がエミヨガなどだが、「エミアトリエの構成比を今後さらに伸ばしたい」と鈴木社長。百貨店向けのスニーカー業態「スニーカーズ・バイ・エミ」は、色々なブランドを女性たちにアピールすることで「さらに成長できる」とみる。エミヨガは、型数を絞りつつセールにかけずに丁寧に売る方針だ。

現在の店舗数は、エミが17、スニーカーズ・バイ・エミが14。秋にはエミで渋谷パルコと名古屋エリアに出店を予定する。スニーカーズ・バイ・エミも、スニーカーを取り扱えていない百貨店からの出店ニーズがあるとみる。

店舗に加えて将来的には、女性が気軽に立ち寄れて体を動かしたり仕事ができる多目的スペースの開発も構想している。「女性の頭や体を開放するという意味で、これからエミの必要性はますます高まるはず。そのためのデザインとは何か、人々が幸せになるためにどんなお手伝いができるかに向き合う」(豊山ディレクター)ことで、ブランドの可能性をさらに広げる。

ファッションの軸でスニーカーや機能性を提案している

SUSTAINABLE

環境にもウェルネスを カタログは紙からウェブへ

女性のウェルネスや幸せをサポートするなかで、地球環境に配慮したブランド運営にも力を入れている。その一つがスニーカーの回収だ。18年に松屋銀座店で実施し、今年も複数の百貨店で予定している。古くなった不要なスニーカーを持ってきてもらい、回収・分解して後進国の競技場の床材などにリユースする。

19年秋からは、シーズンごとに発行していたカタログを紙からウェブに切り替える。マッシュにとってカタログはブランドのクリエーションの一部であり毎回強い思い入れで作っていたが、これも資源を大切にするためだ。一方で一部店舗の店頭では、「ナイキ」と組んだデジタルサイネージによる情報発信など、今の時代に合った新しい表現にも取り組んでいる。ショッピングバッグも、環境に配慮した形態への見直しを進めている。


COLLABORATION

エミのフィルター通じ新たな出会い

スポーツメーカーなどとコラボレーション(協業)したスニーカーやウェアの存在も、エミが支持される理由だ。エミらしいニュートラルカラーのスニーカーはワードローブと合わせやすく、メーカーの通常商品と異なる雰囲気で毎回話題を集めている。19年春夏はクライミング・アウトドアブランド「グラミチ」のスカートなどウェアも好評だ。その分野のプロと組んだ“本物”の商品を提供するとともに、エミを通じて女性がそのメーカーを知り興味を持つきっかけにもなっている。

「アディダス・オリジナルス」に別注した「ファルコンW」(19年春夏物)

VOICE アディダス ジャパン 営業統括本部 フィールドセールスマネージャー 荻原志帆さん

「エミが表現するアディダスの世界観を、アディダスだけではリーチできない女性たちへ発信し、彼女たちの心に響くリアルなライフスタイル提案を可能にする。これからも、エミ×アディダスだからこそ実現できることとして、常に創造性を持ち、ウィメンズファッションの先駆者であり続け、女性の心がときめくようなスニーカーライフを広めカルチャーにすべく、ともに構築していきたい」


MASH Sports Lab Co.,Ltd.

【TEL】03-5778-2165

【HP】http://www.mashsportlab.com


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