毛髪本来のしなやかな美しい動きを実現する技術を開発 ~新解析技術で毛髪の動きを損なう要因を解明/動き改善に「ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)」が寄与!~

2026/04/13 (2026/04/13更新)

クラシエ(株)(ホームプロダクツカンパニー)


クラシエ(株)(ホームプロダクツカンパニー)
~後ろ髪の美しい動きを邪魔しているのは毛髪内部の粘性成分の減少だった~

 クラシエ株式会社(ホームプロダクツカンパニー)は「人の美しい後姿」に着目し、これまでも、髪のなびく様子を評価する手法や近赤外ハイパースペクトルイメージング(NIR-HSI)技術を用いた外観診断システムを開発してきました。この度、新たに「頭部を振った際の後ろ髪のしなやかな動き」を解析する新技術を開発しました。さらに、本技術を活用した毛髪の動きの解析により、ヘアアイロン・コテの熱ダメージが髪の動きを損なう物理的要因を解明、「ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)」をキー成分とする、毛髪本来のしなやかな美しい動きを実現する技術の開発に成功しました。

1.背景・目的
 近年、髪の形を整えるヘアスタイリング行動として、化学的な処理を必要とするパーマネントウェーブ(以下パーマ)に代わり、自分で簡単に処理できるヘアアイロン・コテなどを用いた熱処理が利用されています。2000年代ごろには、一部の女性たちがしっかりとした巻き髪を作るためのものでしたが、今では毎朝の寝ぐせ直しや毛先だけ曲げるといった誰にでも簡単にできる方法として年齢・性別問わず使用率が高まっています。熱処理はパーマなどのように酸化還元薬剤による化学処理を伴わないため、毛髪に対するダメージがわかりにくいものですが、毎日繰り返すことで髪が硬くパサつき、「しなやかさ」を失ってしまうといった声が上がっています。しかしながら、この「しなやか」という言葉には、物理的には”弾力があり柔らかい”といった二面性のある要素が含まれていたり、静止写真だけでは見えてこなかったり、実態がよくわからないものでした(図1)。
 そこで当社は、毛髪の外観、特にそのしなやかな動きに着目し、美しい髪の「しなやか」な動きの正体とアイロンダメージがそれに与える影響について詳しく研究しました。

(図1) しなやかな髪の動き

2.動き解析技術の開発
 人が他人の毛髪を見て美しいと感じるときには、必ず動いている時間の中で判断をしています。そこで本研究では、毛髪が揺れる様子をハイスピードカメラで撮影し、時間軸に沿った動きを数値化する独自技術を開発しました(図2)。

(図2) ハイスピードカメラで毛髪の振動(=動き)を観察

 解析の結果、健康でしなやかな髪は、揺れが収まる際に素早く動いた後、ピタッと静止する(減衰比が増加する)のに対し、アイロンダメージを受けた髪は、いつまでもふらふらと揺れ続け、収まりが悪い(減衰比が上がらない)ことが判明しました。

 さらに、振動をより詳細に解析し要因を追究したところ、アイロンダメージ毛では「揺れの最後に振動をピタッと収めるための粘性成分」が減少していることが明らかになりました(図3)。

(図3) 健康毛とアイロンダメージ毛の振動解析結果

3.振動を収めるための「粘性成分」の発見
「揺れの最後に振動を収める」成分とは、振幅(歪み)が小さくなるにつれて粘性が増加する性質を持つものです。この挙動の鍵を握るのが、毛髪の細胞間を繋ぎとめる接着剤である「CMC(Cell Membrane Complex:細胞膜複合体)」です(図4)。

(図4) 毛髪の構造と物理性質

 そこで当社は、「CMC」と類似の構造を持つ「ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)」に着目し、これをアイロンダメージ毛に処理したところ、微小振動領域での粘性が回復し、健康毛のように揺れが「ピタッ」と収まる挙動を確認しました(図5)。 本成分が毛髪内部に浸透し、疑似CMCとして機能したためと考えられます。

(図5) ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)の動き改善効果


4.まとめ
(1)
ハイスピードカメラを用いて毛髪の動きを解析する新技術を開発。健康で美しい髪とヘアアイロンによる熱ダメージを受けて傷んだ髪の動きの違いを見出しました。「揺れの最後に振動をピタッと収めるために寄与する毛髪内部の粘性成分の存在に着目し、毛髪の動きが損なわれてしまう物理的要因を明らかにしました。
(2)
熱ダメージによって損なわれてしまった毛髪の動きを改善するキー成分として「ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)」を見出し、毛髪本来のしなやかな美しい動きを実現する技術の開発に成功しました。

今回の研究成果については、2026年秋発売のヘアケア製品に応用する予定です。
また、化粧品の国際学会であるIFSCC Congress 2026にて報告予定です。

                                  以  上
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