読者の声



 繊研新聞が生まれて20年ぐらいの頃から、今まで約50年は本気で読んでいます。繊研新聞のいいところはバランスがとれていることだと思います。

 繊維業界は川上から川中、川下までのトータルで捉える必要があります。繊研新聞は面ごとの方針がはっきりしており、川上、川中、川下の情報、さらには海外情報やファッショントレンドまでバランスよく、客観的なニュース報道をしている唯一の媒体です。私にとっては教科書のような情報源です。取材もしっかりされており、業界の指針、ポイントを提唱してくれるありがたい存在です。これまで会社をつぶさず伸ばしてきた営業力の教材になりました。

 大阪営業所長の時代は、営業マンに毎日朝礼で、「今日の繊研新聞によれば」というタイトルで一人5分間話す勉強会をしていました。東京営業所でもしていたそうです。今もほとんどの幹部に読ませていますし、内定者にも全員、繊研新聞を読ませています。

 繊研新聞に倣(なら)って、社員の勉強のために定時定点観測していたこともあります。男女の社員が有力小売店を見て回り、販売員に売れ筋商品を聞き、気になる商品は10万円以内であれば買ってくる。そして、その商品説明を行うこと。これは物作りの大事な判断材料になりました。

 繊研新聞に登場した人に会ってみたいと思うこともありますし、実際にお会いしたこともあります。記事を見て懐かしい方を思い出すこともしばしばです。

 もう一つは繊研合繊賞の存在です。合繊賞があったからこそ、合繊メーカーを超えたい、メーカーからも称賛されるものを作りたい、何とかグランプリを取りたいと奮起し、02年に「ビンテージ繊意」でこれが実現しました。

 ニュースは継続性がないといけません。繊研新聞が公正でバランスの取れた報道で、信用を生んできたことは立派なことです。まさにそれが繊研新聞の価値です。これからも「一流紙」の役割を維持してください。

(繊研新聞本紙23年7月20日付)