ライセンスビジネスを加速するマッチングサイト



 ブランドや代理店と、メーカー・販売業者を結ぶマッチングサイトがオープンした。エックスビー(東京、加賀見紀行社長)が手掛ける「exBrand」がそれ。商社出身の加賀見社長が当時、営業開拓に苦労した経験をもとに始めたサービスだ。現在はローンチ記念として、ライセンシーの使用料は登録の初月に限り無料となっている。

≫≫利用企業の例はこちら(マルイチ 一ノ瀬広行社長)

 ブランドの商標権などを有するプロパティー保有企業と、商品を製造・販売するライセンシーをオンラインで結びつけ、個別に営業開拓していた双方の手間を省く。「ライセンサー探しは属人的な作業で意外に時間が取られる。サイトを通じた自動マッチングで、双方の取り組み先開拓を効率化し、契約締結までのプロセスを最適化したい」と加賀見社長は話す。

 参加ブランドはファッションだけでなく、スポーツやキャラクター、ビューティー、コスメ、コミック、アーティスト、映画、ゲームなど多様なため、幅広い取り組みが期待できる。成長著しいアジアなど海外市場も視野に、20年には500プロパティーの登録を目指している。

 すでに伊藤忠商事や伊藤忠ファッションシステム、宝島社、カルビー、講談社、恵山、石森プロ、川辺などのプロパティー(商標権や著作権)保有者が約100ブランドの登録を済ませている(ライセンサーは保有者だけでなく代理店なども含む)。「異業種との旬な協業など、新たなビジネスモデルを迅速に創出できるツールにしたい」(加賀見社長)という。

 ライセンサー、ライセンシーとも登録内容はシンプル。双方ともブランドのカテゴリーと販路、アイテムの三つに、会社概要、ブランドコンセプトなどを入力するだけ。登録内容は全て非公開で、マッチングして初めて当事者間で共有され、個別で契約を交わすことになる。「サイトは24時間、365日稼働する。通常の営業開拓を強力にサポートできる」(同)。

エクスブランドのビジネスイメージ

 また、ロイヤルティー保全の保険を扱う伊藤忠オリコ保険サービスほか、ライセンス事業者に必要なサービスを提供する企業紹介などのメニューもあり、今後はこれらのコンテンツも充実させていくという。

 利用料は、ライセンサー及び代理店側はマッチングを通じて成約した際の成果報酬。契約は複数年でも初年度のみ課金が発生し、ミニマムロイヤルティー(最低保証)の10%か10万円の高い方をとる。ライセンシーは、月額1万円だが、6月末までは無料で利用できる。

 近い将来、海外事業者とのマッチングや海外でのライセンス市場の創出も構想しているそうだ。