日本繊維製品品質技術センター(キューテック)は、世界の最新情報の収集・提供と品質管理・CSR(企業の社会的責任)工場監査を重点に、サステイナビリティーの分野での活動を強めている。18年10月に設置した新規事業課はサステイナビリティーを最優先テーマとし、19年初めには環境への有害物質排出ゼロを目指すZDHCに加盟した。
ZDHCについてはアパレル関連企業から多くの問い合わせが寄せられ、SDGs(持続可能な開発目標)に関するセミナーで紹介している。ZDHCの工場排水ガイドラインに基づく工場管理レベル認証の分析試験の準備も進め、必要なラボを開設する予定だ。工場監査は、増えつつある工場の品質向上に加えて、CSR監査にも対応できるようになった。日本アパレル・ファッション産業協会が検討しているチェックリストにも対応している。強みである工場監査をサステイナビリティーに対応する幅広い分野に広げていく。
しかし、アパレル業界での課題は「サプライチェーンの見える化」という。例えばサプライチェーン全体での有害物質不使用を示す必要がある。容易ではないが、「世界の機関投資家はESG(環境・社会・ガバナンス)投資が前提」と指摘し、まず経営者の理解を得ることから始めているという。
(繊研新聞本紙19年12月4日付)