地方創生×ファッション=福岡?(五十君花実)

2017/02/21 00:00 更新


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海外コレクションが始まっておりますが、このところ五十君は福岡、名古屋と地方出張が続いております。

福岡には近日中にもう一回行きそうな予感です。

というのも、東京よりも地方の方が今は取材するべきネタが多いように感じるんですよね

東京への一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかける“地方創生”が安倍政権の肝いりで進められていることもあって、「地方」や「ローカル」といった要素は、今の日本を語る上で欠かせないキーワードです。

そうした流れは当然ファッション業界にも波及していて、スノーピーク(新潟)や佐藤繊維(山形)、能作(富山)といった地方に根付いているメーカーや、ビームスジャパンのような「日本各地のもの作りに焦点を当てる」的な小売りが注目を集めています。

不振にあえぐファッション・小売り業界にあって、地方やローカルという切り口は、消費を生み出す手法としていま見逃せません。

◆では、実際に地方創生がうまくいっている街は?

話題性は高いんですが、実際のところ人口が増加している=地方創生が成功している自治体はそう多くはなく、時流に乗っかって「いま消費を生むキーワードは地方やローカルです〜」とか軽薄に語ってると、「お前地方都市のシャッター通りの惨状今すぐ見てこいよ!!」と怒られることは必至です。

とは言え、比較的うまくいっている自治体はあって、福岡市もその一つ。

福岡市は人口の流入と流出とを比べると、流入の方が多いんですよね。

福岡だけでなく、他の地方中堅都市でも人口増加の傾向は出ているんですが、札幌とかの他都市は高齢者の流入が多い(ザ・田舎より、中堅都市の方が介護などのサービスを受けやすいため、高齢者がザ・田舎から中堅都市に流入している)のに比べ、福岡市は若年人口が増えているのが特徴なんだそうで。

福岡には学校が多いことや、サービス業が基幹産業であることなどが若い人が増えている理由らしいです。

まあ、鹿児島や佐賀など、九州内の他都市から福岡に若者が出てきている面は大きいので、福岡市の人口が増えている=他都市の過疎を招いている、とも言えますが…。。

(以上、色んな白書やサイトからの受け売り)

人口減の時代にあって若者が増えている街=福岡への興味がこのところ大きくなっており、福岡のファッションで何か企画やれないかな〜と考えておりました。

人が集まるところには、何かしらニュースがあるものですから。

と思っていたら渡りに船で、「福岡ファッションビル」さん(東京のTOCのようなミセスブランド中心の卸センター)が、自社&福岡ファッション全体の振興のために、福岡の若手3ブランドのショーイベントを開くというではないですか。

お招きいただいたので、現地で取材して参りました。

このイベントなかなか面白かったので、こちらの詳細記事をお読みください。

◆福岡のご当地ファッションはどんな感じ?

で、せっかく福岡に行ったので、他にも色々と取材してきました。

事前知識ゼロだった(人生4度目にして7年振りの福岡だった)ため、リサーチには福岡パルコの立ち上げにも関わった、パルコの平松有吾さんに多大なるご協力をいただきました。

平松さん、この場を借りてどうもありがとうございました!!

取材した内容を、2月16日からの全4回連載で、繊研の一面でご紹介しております。

本日21日付けが最終回でした。

連載1回目は、今や福岡以外の地方都市にも広がっている「ご当地Tシャツ」ムーブメントの仕掛け人でもある、天神のヴィオロ内の福岡ブランド中心のセレクト店「ナウユーノウ」

トップのサムネイル画像に使った福岡モチーフのスカジャン“福ジャン”も、ナウユーノウの商品です。

 


「サラナン」「ヒッピネス」など、福岡ブランドに出合えるお店です

 

2回目は、平松さんに「博多女子の着用率の高さがスゴい」と教えてもらった福岡発ブランド「ヒッピネス」。

 


通常は裏地に使うキュプラを使ったシリーズがブランドの顔になっていて、中でもカシュクールコートが人気

 

3回目は、東京からUターンしたスタイリストさんが編集長を務める福岡発ファッション誌「リリー」

 


博多美人の表紙が目印の、ご当地ファッションマガジン

 

4回目は、某ラグジュアリーブランドの福岡の店舗で10年間販売員をしていた女性が手掛けるバッグブランド「イントキシック」

 


インスタがすごいおしゃれなのでチェキラ!@intoxic.123


以上、全4回です!

連載を通し、「今の消費者にはファッションをどう提示すれば刺さるのか?」に対する福岡流の回答や、

福岡のファッションコミュニティーの濃さ(東京より人が少ない分、コミュニティー感が強い印象を受けた)、

福岡のご当地ブランドや店がどんな感じか

などを書いておりますので、お手元に紙面ある方は是非お読みくださいませ!!

次は福岡の街について。素敵な古着屋情報あるよ~!

連載では、福岡ファッションの“ご当地感”を意識的に強調しました。

が、実際のところ福岡ファッション全体にご当地感があるかと言うと、それは疑問が残るところです。

正直、博多とか天神地区の駅ビル、ファッションビルは、東京や大阪とほぼ一緒なんですよね。

再開発によるオーバーストアも否めないですし。

大多数が「同質化ここに極まれり」という感じなのは東京と一緒。

だからこそ、連載で取り上げた4社の個性が際立つわけなんだけど。

そういう福岡の現状に対し、連載初回で取り上げたナウユーノウの秦社長は、「福岡の駅ビルやファッションビルの良い場所には、福岡の店があるべき。(福岡のご当地Tシャツのような)ここじゃないと成立しない店をいかに作れるかが、これからの時代は重要」とおっしゃっておられましたよ。

◆今は抜け殻?…それでも福岡は面白い!

天神や博多が同質化しているとは言え、大名地区の路面店に行くと、他の都市とは違う福岡の個性を感じて面白かったです。

大名がセレクトショップの街として有名だったのは90年代で、今となってはセレクト御三家もみんな路面を離れて天神のファッションビル内に移っており、大名は「抜け殻みたいなもの」らしいのですが、それでも過去を知らない私には十二分に興味深かった!!

特に古着屋がすっごい充実してます。

東京ではあまり見なくなった(単に私がいい店を知らないだけかもしれないですが)、ザ・アメカジな古着屋が沢山あって、しかもそれが結構まとまった地域にあるから回りやすいんです。

店員さんも重々しくない感じに色々ウンチクを教えてくれて(これは何年代に西海岸のサーファーがよく着てたアイテムだよ〜とか)、非常に楽しゅうございました。

そして、恐らく家賃の安さに由来するのだと思うのですが、なんか値付けが東京よりもお買い得だと思う。

というわけで、以下は五十君が福岡で買った古着コレクションです。

 


ニット×レザーで、バラの模様のビーズ刺繍(ビーズの中にターコイズも混じっている芸の細かさ!)とフリンジがチャーミングなカーディガン。これめっちゃかわいくないですか!?

かわいすぎるので裏も載せちゃう!!

 

興奮冷めやりませんが次。

 


背中を謎の生物の柄(何かの運動部とかチームのマスコットだと思うby店員さん)の生地に切り替えたGジャン。袋から取り出したまま、アイロンかけてない状態でスミマセン

 

以上2点は大名の「eech」という古着店にて購入。

ここ、まじでチャーミングな品ばかり揃っていて、買うアイテムを厳選するのに困りました。

他にも3点くらい買いたいものあった。

はす向かいにメンズ店もあり、そこもすごい楽しいです。

この店に行くためだけに福岡に通いたいぐらい。

気を落ち着けて次。

 


70年代くらいのものらしいチャイナジャケット。これが確か税込み8000円弱とかだった気がする。安くない!?

 

こちらは薬院方面の「RAG MACHINE」という店で購入。

ここの店はメンズがメインで、50年代のスーベニアジャケット(10万超え)とかも置いてありました。

次はちょっと趣向を変えて。

 


トレンドに乗って、アディダスのややフレアシルエットのジャージ。1800円


これは地元の若い子数人から「よく行く古着屋」として名前が挙がった、「西海岸」で購入しました。

この店はザ・古着屋でなく、ついこないだまで新品として店頭にあったであろう品(私が買ったジャージもそう)が中心で、価格もおしなべて安い。

私は大名の店舗に行きましたが、現地の若者たちによると、「福岡空港の方に倉庫みたいなデカイ店がある」らしい。

これらの古着に加え、連載でも取り上げた福岡発ファッションの代表格、ヒッピネスのカシュクールコートも福岡記念に買っちゃった!

色は今春っぽい濃ピンクです!!

…はい、明らかに買い過ぎです。

でも、「せっかく福岡に来たんだし」とか、「これを逃したらもう買えない」(←特に古着)とか思って買っちゃったんですよね。

このEC全盛&同質化の時代に、消費者をこんな気分にさせて買い物させちゃうって、なかなかスゴいことじゃないですか?

こういう気持ちをうまいこと作れるブランドや店なら、わざわざそれを買うために旅をする、というショッピングツーリズムが成り立つと思う。

インターネットの隆盛とともに、ご当地ファッションという言葉は死語になりましたが(昔は名古屋のヴィヴィ子とか、大阪の卓也エンジェラーとか、神戸の女子高生はファミリアのバッグを持っているとか、そういう各地のご当地ファッションがありましたよね)、地方都市はいま改めてご当地ファッションを打ち出して、それを消費につなげるべきなのでは

(※連載で書いたご当地Tシャツとかがまさにそれなわけです)

といったことを考えた福岡出張でありました。


追記

古着屋じゃないけど、大名のこの店も猛烈にチャーミングでした。




「キャピタル」という、倉敷発のデニムカジュアルブランドです。

東京だと六本木ヒルズや恵比寿に店があるようで、業界の方からしたら「五十君今更何言ってんだよ!?」的な感じだと思います。

すみません。。。

でも、これも福岡だからこそ出合えたんだと思います。

東京だと、最近は知ってる場所にしかほぼ行かなくなっているので(それじゃダメなんですけど)、新しいものに出合い辛いんですよね。

というわけで、福岡で倉敷のブランドを知る、ってとこからも、今は東京より地方のが面白いっていうムードが出ているな〜、と感じた旅でした。



五十君花実 特技=ミーハーな記者・五十君がお届けする業界のよもやま話。パリコレから東コレ、ストリート、地方のおもしろショップまで、ニュースあるところに五十君あり!!…というスタンスが理想です

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