バレンシアガはどうスゴイの?(五十君花実)

2016/06/09 00:00 更新


Medium %e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%83%e3%83%97%e3%83%9c%e3%83%bc%e3%83%8904

先週のパリ装飾芸術美術館に続き、ここ最近行ったミュージアム話でございます~。

本日ご紹介するのは、ベルギー・アントワープのモード博物館でやっている「GAME CHANGER」展



展覧会ポスターにどーん!と載っているのは、コムデギャルソンの平面服(12~13年秋冬)

 

展覧会の詳細はこちら。会期は8月14日まで。

ゲームチェンジャーとは、「既存の価値観や規範を変える人」みたいなニュアンスです。

というわけで、この展示は、当たり前とされてきた美の規範を打ち破って、新しい美、なかでも、新しいシルエットの美を作り出したデザイナーに焦点を当てておりました。

前回のブログで紹介したファッションフォワード展@パリが、切り口より圧倒的な物量で勝負!というきらいがあったのと対照的に、こちらはテーマに沿って編集した形の展示ですので、コダワリ派の諸兄諸姉にもご満足いただける内容かと。

で、アントワープといえば、ファッション業界で今最も旬な人物、デムナ・ヴァザリア(ヴェットモン&バレンシアガのデザイナー)の母校、王立芸術学院のお膝元です。

というわけで、「我々の街が育んだスター、デムナに徹底的にフォーカスするぜ!!!」的なアントワープ人の気概をキョーレツに感じる展覧会に仕上がっておりました。

といっても、もちろんヴェットモンを展示しまくるという直球の表現ではありません。

そうじゃなくて、デムナが1617AWから手掛けることになったバレンシアガの創始者、クリストバル・バレンシアガにスポットライトを当てているんです。

展覧会HPの紹介文から一部抜粋(たどたどしい和訳ですみません)すると、

この展覧会は、20世紀半ばに衝撃的なほどに新しいシルエットを生み出したデザイナー、クリストバル・バレンシアガに光を当てています。

彼の作り出したシルエットは着る人の体に動きの自由を与え、建築のようなボリューム感は体と服との間に隙間を作り出しました。

・・・(中略)・・・

バレンシアガは、当時の当たり前だったアワーグラスシルエット(※ウエストが絞ってあるから苦しい)に代わるものを生み出しました。

彼(や、今回展示しているデザイナー)は、20世紀のファッションに新たな視点を持ち込んだのです。

だそうでして。

 


服飾史の本に載ってた、バレンシアガのあのドレスもあのコートも揃ってます!!

 

展示品全てがバレンシアガなのではなくて、ヴィオネやポワレといった20~30年代のクチュリエたち、そして80~90年代のコムデギャルソンやヨウジ、アントワープ派のデザイナーたちなどの作品もあります。

ただ、それらは全てクリストバルの仕事を形容or補足するもの、もしくはクリストバルが生み出したものが後代にどう進化を遂げたのか、という見せ方の展示でした。

 


バレンシアガのシルエットの探求が、後年コムデギャルソンのボディミーツドレス、ドレスミーツボディ(97年春夏、写真の右側のドレス)のような、『身体やそのまわりの空間を形作るものとしてのファッション』といった考え方に繋がりましたよ、といったようなことを意味しているであろう対比の展示。

 

50年代にクリストバル・バレンシアガが生み出した、バレルラインチュニックラインといったシルエットが、当時、そして今なおどれだけ革新的なのか。

そして、彫刻みたいなシルエットを作り出すその裏に、一体どれ程緻密な技術や知識の追求があったのか。

といったことが、余すことなく伝わってくる展示内容になっております。



もはや服というより建築…!!!なドレス。
その設計図とも言えるパターンが壁面に貼ってあって、ドレスと共に見られるんです


そして、そんな革新者たるメゾンの現在を担う者こそが、アントワープ卒のデムナなんだぜ!!というアントワープ人の誇りも同時に激しく伝わってきます。

服飾史の本でもクリストバル・バレンシアガの功績は学べますが、やっぱり実物を見ないと360度どこから見ても美しいシルエットだってことは分かりません!!

ヨーロッパって、本で読むだけでなく、こういう風に実物を見ながら学べる環境であるってことがいいですね。

この展覧会を見て、クリストバルの飽くなきシルエットの探求が頭に刻み込まれると、デムナがバレンシアガの16~17年秋冬物で、執着的なほどにシルエットを追求していた意図が自然と理解できます。

小笠原がバレンシアガのショーのレビューとして、やや挑発的とも言える文章で「バレンシアガの本質はフォルムだ」と書いておりましたが、改めてこういうことを言いたかったんだなと。

↑のコレクションレビュー、普通に面白いので是非お読みください。

パリコレとかにあんまり興味がない人にも、こういう書き方のレビューなら面白いと感じてもらえるんじゃないかと個人的に思った文章です。)

さて。展覧会の話に戻るんですが、これだけアツく紹介してきたにも関わらず、実は私、全ての展示は見 れ て い な い ん で す よ ね

といいますのも、残り3分の1くらいを残して、まさかの電気トラブルで館内から追い出されたんです。。

その中には、バレンシアガのアーカイブからデムナが選んだピースを着たダンサーが、気鋭のコリオグラファーの振り付けで踊るホログラム映像みたいなものもありました。

…無 念 。 。 こ う い う ヨ ー ロ ッ パ の 雑 さ が 憎 い 。 。 。

というわけで、これから行かれる方がいましたら、是非私に最後の3分の1の展示内容を教えてくださいませ。

ではでは今回はこのへんで!次回はミュージアムネタ最終章、三菱一号館美術館篇です~乞うご期待!!

おまけ

ファラフェルが好きです!脱サラするならファラフェル屋をやりたい!!写真はアントワープで食べたファラフェル!!!



ケバブ屋がこれだけ街に広がったんだから、一部の店は差別化のためにファラフェル屋に転換すればいいのにと思う今日この頃です。



五十君花実 特技=ミーハーな記者・五十君がお届けする業界のよもやま話。パリコレから東コレ、ストリート、地方のおもしろショップまで、ニュースあるところに五十君あり!!…というスタンスが理想です

関連キーワードレポートプラス


Bnr counter agreement
Bnr denshiban

この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事

Btn gotop