伊勢丹のファッション×デジタル(五十君花実)

2015/09/04 00:00 更新


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伊勢丹が考えるファッション×デジタルの最新形とは…?

“ファッション×デジタル”とか、“ファッション×テクノロジー”といった事柄が話題にのぼるようになって久しいですが、三越伊勢丹グループがまさに今店頭で、ファッション×デジタルをテーマにしたイベントを行っていらっしゃいます。※9月8日まで

秋の立ち上がりの全館キャンペーン、「彩り祭」の一環として行っているものです。ファッションの世界では、春と秋の立ち上がりに何を見せるのかというのはその店やブランドのステートメントですから、三越伊勢丹グループのファッション×デジタルに対する意気込みの強さを感じます。  



画像は伊勢丹のサイトより。このビジュアルはヘアデザイナーの加茂克也さん作です

 

彩り祭の初日(8月26日)には、伊勢丹新宿本店の開店前に、プレス関係者を集めての大規模な館内ツアーもされていました。そんなところからも、肝いりっぷりが分かる企画です。

ツアー開始前の挨拶で、この企画の全体の担当者さんが、「我々は、今後もテクノロジーをライフスタイルの中に取り入れる提案を継続していく。今回はあくまでスタートです」と仰っていたのが印象的でした。

では、実際に伊勢丹の店頭には何が並んでいるの?

というわけで、26日のプレスツアーに参加してきましたので、その様子を売り場別にご紹介します。

ちょっと日が経ってしまったので(スミマセン)、オープン時と現在の店頭は変化している可能性は高いですが、三越伊勢丹が何を新しいと感じているかはこれを読めば分かるはず!!

1、メーン会場の二階婦人服売り場

伊勢丹の顔ともいえる2階婦人服売り場。ここを主会場に、ガッツリとファッション×テクノロジーを打ち出しておいでです。

具体的には、ウエアラブルデバイスの販売コーナーがあったり、

AIを搭載した買い物支援アプリ「センシー」の紹介コーナーがあったり、

先日の「デコーデッド・ファッション」のコンペで賞をとったメモリー機能付きミラーの体験ブースがあったり、といった感じ。

ロボットのペッパーもいましたよ。プレスツアーの真面目な説明中に、ペッパーが勝手に喋り出しちゃって、スタッフさんがセイセイセイって止めてたのが面白かった笑

 


伊勢丹タータン柄におめかししてもらっていた。かわゆい

 

≪感想≫

コンテンツ盛りだくさんで大変華やかな売り場になっています。

ただ、あくまで最新テクノロジーやサービスの紹介が多く、実際にファッション×デジタルで新しいライフスタイルを創る、という部分にまで切り込んでいるかと言うと、まだそこまでではないかな~~というのが正直な感想です。…偉そうなモノ言いですみません。。

しかし、プレスツアーの冒頭で担当者さんが言っていたように、これはあくまでもスタートですから、これからもっともっと暮らしのあり方を変えるような打ち出しが出てくるんだと思います。

2、一階の婦人雑貨売り場

ハンカチなどの洋品売り場のそばで、ヘッドフォンなどの音楽ガジェットを売っておられます。 ここの売りは、デジタルマネキンと体験スペース。

 


写真左上のイスとかがある場所が体験スペース

 

デジタルマネキンは、透明なデジタルサイネージの中にマネキンが入っていて、サイネージ上に商品映像が流れてマネキンに重なっていくもの。すみません、上の写真にはデジタルマネキン写ってません。

で、デジタルマネキンで商品を見た客が、「じゃあ実際にこの商品を試してみましょうか」と体験スペースに流れる…という動線を想定しておいででした。

そんなの別によくある売り場じゃん…?と思われた方もいるでしょう。ええ、そうだと思います。

でも、最新テクノロジーをひたすら並べて、販売せずに紹介するだけのブースよりも、これぐらいの売り場構成の方がリアリティーがあるな、と思いまして。

担当バイヤーさんが仰っていたのは、「ガジェット好きな男性は、知識もあるから自分で商品を選べるが、女性は販売員とのトークや、実際の体験といった部分が購買において重要になる」ということ。それゆえに、このような作りになっているようでした。

≪感想≫

「家電やガジェットをどう売るか」というのは、百貨店の課題の一つなのかな~と思います。百貨店は「百貨」をうたっている割に、家電販売が弱いですから。特に伊勢丹は、近くに圧倒的な物量の家電量販店がひしめいていますしね。

物量&機能押しで勝負するなら家電量販店に勝てっこない。そうじゃなくて、百貨店ならではの家電の売り方とは何か?この売り場は、そういった問いに取り組もうとされているのかも、と邪推したり。

蔦谷家電もできたことですし(うまくいってるのかどうかは分かりませんが)、家電なりガジェットなりを百貨店やセレクトショップがどう売るか、どうライフスタイル提案の中に入れていくかは、今後も小売り業の要注目のトピックですね。

3、五階のキッチン用品売り場

ここでは、「アカイア」というコーヒー用のデジタルスケールが売られていました。

豆の量とか、蒸らす時間とかを正確に計って、それをちゃんとレシピ化することができる!というアイテムらしいです。



ガラスの器の下に置いてある、黒っぽい箱がアカイアです。


「偶然できた至高の一杯も、レシピがあるなら再現可能です!これであなたのコーヒーライフを一格上に!!」というのが、この商品の触れ込み。

更に、無料のアプリを通してそのレシピが公開できるし、世界中のコーヒー好きたちのレシピを調べて自分も試せる!というものらしい。写真のアイパッドには、そのアプリの様子が表示されております。

≪感想≫

正直、アカイアに対して「猛烈に斬新だ!!」という印象は受けなかったのですが、「自分の好きなもので人と繋がる」「コミュニティーが生まれる」といった要素がすごく今っぽい商品だな~~と思いました。

コーヒーって、こだわる人って猛烈にこだわりますしね。コーヒー自体も今トレンドですし。そんな意味でニーズがありそうなアイテム。

ファッション×デジタルの試みと聞くと、ついつい今まで全く見たことないものや概念を生み出すことを期待してしまいがち。

でも、少なくとも現時点の店頭表現としては、最新テクノロジーで今まで見たことのないような新しい価値を生み出す、というよりも、前述のコーヒースケール(コーヒースケールをファッション枠に入れていいのかは横に置いておく)みたいに、テクノロジーによって毎日がちょっと素敵になる、くらいの提案の方がリアリティーがあるな、と私は感じました。

私の感覚がコンサバなのかもしれませんが…。

ただ、15~16年秋冬のクチュールで、シャネルが3Dプリンターでジャケットを作っていらしたように、今後ファッション×デジタルが更に更に進んで行くことは間違いないので、数年後の店頭(もしかしたら数ヶ月後…!?)は、今とは考えられないほど違うものになるのかもしれません。

まあでも、ファッションを売るということの本質の部分は、テクノロジーがどう進化しようと変わらないんでしょうけどね。

《おまけ》

伊勢丹のテーマソング、「伊勢丹タンタン」を一生懸命踊る最新ロボ。




五十君花実 特技=ミーハーな記者・五十君がお届けする業界のよもやま話。パリコレから東コレ、ストリート、地方のおもしろショップまで、ニュースあるところに五十君あり!!…というスタンスが理想です

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