文化を創る店@台北・誠品生活(五十君花実)

2014/12/09 00:00 更新


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こんにちは!

前回の更新が9月13日。東コレやら会議やら新年号の企画やらでバタバタしていたら、すっかり時間が経ってしまいました。すみません!!

さて、11月5日~9日で出張に行って参りました。行き先は台湾!

数年前に旅行では行きましたが、出張ではお初の土地です。アジア出張は7年前の香港ぶりでした。やっぱいいね、アジア。すぐ着くし。味覚合うし。あんま緊張しないし。

メインミッションは、「タイペイ・イン・スタイル」という台北のファッションウィークと、アッシュ・ペー・フランス主催の展示会「PR01.ショールーム・タイペイ」の取材でした。あとは現地の百貨店やファッションビルに商況取材したり。

こちら11月20日付けの1面や11月25日付け最終面&11面でご照会してますので、ご参照くださいませ。

10月24日にオープンしたばかりの台北の注目ファッションビル「微風松高(ブリーズ・ソンガオ)」も取材してきましたよ~。レポートを12月1日付け本紙最終面に載せております。

このビル、ハチャメチャな感じのテナント構成が面白かったです。館がそんなに広くないこともあって、週末は入場するのに行列ができてました。15年1月には館内に台湾初上陸のH&Mがオープンするらしく、さらにこみそうな予感。

1階のカキ氷屋「アイスモンスター」のマンゴーカキ氷がとても美味しかったので、行かれる方は要チェキ!

 


 

このカキ氷は小サイズ。普通のはもっと巨大です。私冷え性でカキ氷は食べないと決めているんですが、これは冷えても致し方無しと思える美味しさ。

さて、本紙のことはそれくらいにして、こちらでは本紙に書ききれなかったネタをご紹介します。

はいドーン!

 


 

台湾発の小売りと言えば!の誠品書店でございます。

色んなところで誠品は紹介されている(弊紙でも13年11月20日に中村維記者が書いてます)ので皆さんもご存知でしょうが、誠品とは台湾発のライフスタイルショップのような、セレクトショップのような、ファッションビルのような、そのどれとも定義しづらい店です。

元々は本屋さんで、そこが25年くらい前から本を核に生活全般を豊かにする形へと発展してきた業態とでも言いましょうか。蔦谷書店が代官山T‐サイトを作る際に誠品を参考にしたという噂でも知られていますね。

蔦谷に限らず、いま日本の小売りはみんな誠品をベンチマークしていると思います。

ファッションの店舗でも、本屋さんと複合した見せ方が今すごく多いですよね。ニコアンドしかり、アースミュージック&エコロジーしかり。各社ポートランドのリサーチを綿密に行っているんでしょうが、一方で確実に誠品も見ていると思います。

というわけで、私も13年8月にオープンした「誠品生活松菸店」をキッチリ見てきましたよ! 松菸店は信義という商業施設の乱立地域にあります。なぜこの店なのかというと、タイペイ・イン・スタイルの会場の真向かいで激近だったから!加えて、誠品の中でもコンセプト重視の有力店だから!!

 


 

夜景ですみません。松菸店は地下2階、地上1~3階の構成です(地下2階の天井が高いため、地下1階は無い)。ビルの4階以上はオフィスになっていて、デザイン系とかの会社が入っているらしい。ビル内にはホテルもあるっぽいけどよく分からず(←曖昧ですみません。。)

 


 

1階正面は台湾のブランドを集めた自主編集ショップの「アクセス」。自国の若手デザイナーを育てよう!という売り場でした。誠品は店ごとにコンセプトが異なり、松菸店のコンセプトは「台湾のオリジナリティー」だそう。そういうこともあって自国デザイナー推しの売り場のようです。

 


 

2階はインテリアやギフト関連の編集売り場で、ライフスタイル感強し。今治のタオルなども扱っていました。

 


 

2階の続き。こんな風に売り場の真ん中にミシンがどーんと置いてあって、その場で刺繍とかのカスタマイズをしてくれます。こういう「コトの提供」の上手さが誠品の真骨頂なんだと思います。

今では色んなお店に広がっている考え方ではありますけれども。伊勢丹新宿2階にも、大型のプリンターやレーザーカッターが置いてあったりしますもんね。

 


 

コト提供の流れで、売り場の奥にいきなりガラス工房があったりします。ガラス張りで売り場から丸見え!定期的にガラス吹き教室をやっているようでした。

 


 

2階には台湾のおみやげコーナーもあって旅行者にはありがたい。すごいおしゃれな店の向かいで、すごいベタな台湾菓子を売っていたりします。

 



3階は祖業の本屋さんです。広くて、セミナーとかができそうなスペースもしっかりあります。

 


 

本を売る横で台湾の伝統的なお茶も売っています。それも1軒だけじゃなく、何軒も写真みたいなお茶屋コーナーが連なっています。

日本人だと館内で同じ種類の店はかぶっちゃいけない!みたいな感覚ありますけど、あちらは同種類を集積することでバリューを出していく思考なのか?

左奥の壁面(青っぽく写っている部分)には台湾の色んな風景が映し出されており、ここでも台湾をアピール。

 


 

「今台湾では『文創』という言葉が流行っているんですよ」と現地の方に聞いたのですが、そのものズバリの雑誌があったので記念にパチリ。カーサブルータスの並びなので、きっとオシャレな雑誌なんでしょう。

文創は、「古い文化をベースにしながら新しいものをクリエイトする」みたいな意味合いのようでした。松菸店がある場所の名前も「松山“文創”園区」です。ここの区画は、古いタバコ工場をリノベーションした施設の周りを商業施設が囲んでいるオシャレスポットです。

 


 

本屋の奥は音楽コーナー。しかもCDではなくレコードなんです! ここが台北で一番のレコードの品揃えと言っていました。音楽配信全盛時代にレコードって…!! レコードが盛り返しつつあるという話(参照)もありますが、とにかく、今これだけの面積使ってレコードを売る心意気がすごいなと思いまして。

 


 

地下2階は飲食&映画館&ホール。写真は映画館です。「カルチャーっぽい映画を上映しています」ということでしたが、綾瀬はるかさんと松阪桃李くんの映画「万能鑑定士Q」を上映していました。…これはカルチャーっぽいのか?ホールはすり鉢状になっていて、クラシックのコンサートとかもできる仕様みたいです。

 


 

映画館横の飲食店は古い映画スタジオ風でおしゃれ。入りやすいフードコートも充実しておりました。

以上でございます。

全体を通して感じたのは、「余裕」とか「懐の深さ」でしょうか。

と言うのも、3階の本屋は広いがゆえに同じ本が3ヶ所くらい(もっと多いかも)に置かれていて、正直非効率だと思うんです。広大なガラス工房やレコード売り場にも「ええっ!!!!????」ってなったし。

坪効率を考えれば、もっとガツガツ売り上げ取って行くやり方は他にあるはず。でもそれをしないっていうことがすごいことだな~と思いまして。ファッションを含め、文化って本来こういう余裕から生まれるものだったはずだよな~と改めて感じた次第です。

日本にいると、ちょっとそういう視点って忘れがちになりますよね。

日本で商業施設なりブランドなりの取材をしていると、どうしても効率の話が主題の一つになってきますから(パルコが池袋にニコニコ動画を入れたのは、文化を創りたいっていう意識の表れなんでしょうね。ニコ動におんぶにだっこじゃん、という見方はさて置き)。とは言え、台湾のビジネスの仕組みについて勉強不足なので、単純に台湾と日本のどっちが良い悪いとかは今の私には比較できないんですが…。

誠品は台湾内に今41店ありますが、どうやら全部が全部こういったコンセプト重視!な店ではない模様。

事実、西門町というところの誠品は駅ビルみたいでした。1店あたりでなく、41店全体で現実の売り上げとめざすべき理想とのバランスを取っているのかな~と推測したり。下の写真みたいな、駅構内のミニ業態(表参道駅のユナイテッドアローズのステーションストアみたいな感じ)もありましたよ。

 



台湾外では香港に1店あって、中国・蘇州に15年に出店するそうです。

私が初めて誠品のことを知ったのは、11年1月の田端信太郎さんのブログでした。田端さんは今はLINEにいらっしゃいますが、多分まだライブドアにいらした頃の投稿だと思います(違ってたらすみません)。

これはほぼ5年前の記事で、これを読んで「おお! すごい店だ!!」と思った事象の多くは今では普通になりつつあります。それでもやっぱり誠品は楽しかったし、何か新しいものを生み出そうという意志を強く感じる店でした。そんなお店が近くにある生活って、素敵ですね。

以上!

おまけ

 

 

 

取材ツアーでご一緒した編集者さんと食べた白菜鍋が絶品でした。これを食べるためだけに再度台湾に行くこともやぶさかではないレベル!



五十君花実 特技=ミーハーな記者・五十君がお届けする業界のよもやま話。パリコレから東コレ、ストリート、地方のおもしろショップまで、ニュースあるところに五十君あり!!…というスタンスが理想です

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