CA制服いまむかし(五十君花実)

2014/06/02 00:00 更新


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こんにちは。

最近、キャビンアテンダント(CA)さんの制服の話がメディアを賑わせておりますね。ANAグループが新制服を導入したり、スカイマークが超ミニの制服を発表して労組の反対に合ったり…といった具合に。

ANAの新制服は、NYコレクションの期待株、プラバル・グルンのデザインによるものという点でも話題です。彼はオンワード樫山の「ICB」のコレクションラインのデザイナーでもありますね。

一方、ANAと並ぶ日本の空の顔、JALグループは、13年から丸山敬太さんデザインの制服を採用しています。

ここらへんの話は3月6日掲載の繊研コミュニティーの制服特集で紹介しておりますので、是非ご覧くださいませ。

というわけで、今回はCAさんの制服のお話を。

CAといえば、いつの世も女子たちの憧れの職業の一つなわけです。現代のCAさんの制服もとっても素敵ですが、60~70年代のCAさんの制服って、今よりももっともっと華やかでファッション性たっぷりだったのをご存知ですか?

私実は飛行機が結構好きでして、数年前にボーイング本社のあるエバレット(米シアトル近郊)の航空博物館に行ったことがあります。以下その時の写真でございます(アメリカの博物館なので、アメリカの航空会社ばっかりな点はご愛嬌!)。

はいまずドーン!オシャレCA制服の代名詞、91年に運行停止してしまったブラニフ航空の制服(70年代)です!

 


泣く子も黙る、エミリオ・プッチ御大によるデザイン!

ブラニフは制服やインテリア、大胆な機体ペイントなどのオシャレさで伝説的存在となっているエアラインなのです。昨年の今頃、伊勢丹新宿本店さんでは2階でブラニフの催事をやっておられましたね。レトロエアラインファンには垂涎の企画でございます。

勿論私もブラニフ×ビューティフルピープルの飛行機柄タンクトップを購入いたしました(着ていたらマイボス小笠原に「その柄…どうなの。。苦笑」と言われたことも良き思い出です怒)。

はい次。ブラニフ同様に今はもうない航空会社、パンナム(パンアメリカン航空)の70年代制服でございます。

 



パンナムもオシャレエアラインの代名詞で、昔エナメルのバッグとかのグッズが古着屋さんで売っていましたね。

先日伊藤忠ファッションシステムがパンナムブランドの国内マスターライセンシーになったので、これから色んな雑貨がパンナムネームで生産されることでしょう。伊勢丹さんはブラニフに代わって、今年はパンナムで6月初旬まで催事をされています。

はい次。ユナイテッド航空の60年代末~70年代初めの制服。

 



今見ても新鮮でキュートなトラペーズラインの超ミニドレス。60年代調は今秋冬のトレンドでもありますから、こういう感じすごく今っぽいですね。

はい次。ヒューズエアウエストの70年代制服。

 



この航空会社、20世紀アメリカの大金持ち・ハワード・ヒューズの持ち物だったらしいです。勿論今はもうない。

はい次最後。

 



コンチネンタル航空(現在はユナイテッド航空に統合)の当時の広告ビジュアルでございます。

コンチネンタルだけでなく、当時の各社のビジュアルはCAがエンジンの中でポーズ取ったりしていて、浮かれた感じが超かわゆいのです。今そんなビジュアルを撮ったら、確実に「危険だ」「不謹慎だ」といったクレームの嵐でしょうな! シャレの分からない世の中で嫌になります。

60~70年代って、海外旅行が一般化し始めた時期なんですよね。飛行機に乗ることが普通の人にも広がりつつあり、だからといってまだまだ飛行機=夢の乗り物というイメージもあり。乗客の憧れをかきたてて自社の認知を高めるために、各社が競い合うように華やかでトレンドどんずばの制服を導入していったようです。

海外旅行が広がる前は、飛行機は軍用とか郵便&荷物配達とかが主な用途だったので、乗務員の制服を華やかにする必要がそもそも無かったんですな。戦時中は華美な服装も許されませんし。

たとえば、40年代のトランスワールド航空の制服とかこんなに地味ですもの。

 



ミリタリー色が強くて、これはこれでかっこいいけれども…。

同じトランスワールドでも、60年代末になると俄然こうなります。

 



なんという変わりよう!!!

ナショナルフラッグキャリアだと上記のようなポップさは抑えられて、もうちょっとお上品になります。そして、その国らしさの表現が盛り込まれます。

たとえばJALの当時の広告ビジュアルを見ると、CAが振袖着てるんですよね。機内で振袖って苦しくて仕事どころではないと思うんですが、一部の便では90年代くらいまで振袖があったという情報も。

あとは、フランスのナショナルキャリア、エールフランスは60年代にディオールがCAの制服をデザインしています。自国モードへの誇りを感じますな。

さてさて、このように各社が個性を追求した華やかな制服たちですが、80年代以降徐々に落ち着いていきます。

航空自由化策(これはアメリカだけの話だけど)とか、ファッショントレンドがコンサバなスーツに変わったとか色んな事情があるでしょうが、まあ多分ジャンボジェットでの大量輸送が増えて、制服=働きやすくないと駄目!という現実的な面が求められるようになった部分が大きいのかと。ミニスカートじゃ、仕事し辛いですもんね。

ドラマのスチュワーデス物語に出てきたJALの制服(森英恵先生デザイン)は、レトロで可愛らしい感じがまだまだありますが、やっぱり60~70年代のデザインに比べると随分落ち着いています。

更に時代は進んで90年代に入ると、海外では格安航空会社が台頭し始めます。

同時に、既存路線の運行停止や航空会社の経営統合の動きも激化します。統合しない会社でも、コストは削減せねばならない…世知辛い世の中ですね。いやだわ。そんな世相を背景に、CAの制服を華やかにするという文化は過去の遺物となっていったわけですな。ああ悲しい。

そんな大きな流れの中、ここにきてなんで日本国内ではいまCAの制服が話題になっているかといいますと、そこには日本でも12年以降本格化した格安航空会社の存在があるようです。

「ライバルが増えたことで、いま一度個性をアピールしたい!」というのがプラバル・グルンを起用したANAの思いかと(いや、単にちょうどデザイン交換の時期だったという面も大きいでしょうが)。

一方で、JALは、会社更生法申請(2010年)を経て新生した会社のイメージを打ち出したい。そんな意図から、懐かしの鶴丸マークをポイントにしたケイタさんの新制服を導入したのでしょう。冒頭に書いたスカイマークのミニスカ制服も、話題作りで認知を上げるというのが狙いなのでしょうし。

…といった具合に長々と書いて参りましたが、CAの制服を追ってみると、その背景にある社会情勢や航空会社の立ち位置が見えてきますな!

皆さまも是非一度CAさんの制服ヒストリーをチェックしてみてくださいませ。それを通して、社会の変遷が見えてくるかもしれません!たとえ見えてこなかったとしても、カワイイので眼福にはなります!!

以上!!!!



五十君花実 特技=ミーハーな記者・五十君がお届けする業界のよもやま話。パリコレから東コレ、ストリート、地方のおもしろショップまで、ニュースあるところに五十君あり!!…というスタンスが理想です

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