リトゥンが服を作っている…!!(五十君花実)

2014/05/01 00:00 更新


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今シーズン(14~15年秋冬)、展示会をまわっていて嬉しい出来事がありました。それはリトゥンアフターワーズが服を作っていること!!

ファッションブランドなんだからそんなの当然でしょ?と思われるかもしれません。しかし、リトゥンと言えばファッションブランドなのに服を作らないことでお馴染み(?)なわけです。

では何を作っているのか。ここ数年はアートや舞台装置のようなアプローチが続いていました。

 


写真=加茂ヒロユキ


古事記+SFなプレゼンテーションに、「これファッションショーじゃなくてアングラ演劇じゃね?」という思いを強くした13年10月の発表。

 


写真=加茂ヒロユキ


熊手の後光を背負った巨大でガーリーな七福神に度肝を抜かした12年10月。

その前のシーズンは、亀の剥製を乗せたルンバが自由自在に動き回るプレゼンでした(いやルンバ亀はあくまで脇役だったのだが、私的にはあれが一番グッときた)。

更にその前には、お客さんが着の身着のままモデルとしてランウェーを歩かされるというプレゼンもありました。

更にその前は…

 


写真=加茂ヒロユキ


浜松町の倉庫で見せた10年6月。このシーズンは服がありました。

逆に言うと、このシーズン以降服がなかったわけです。この時私は、「今回を逃したらこの人たち当分服を作らんのではないか」という予感めいたものがあり、ニットをオーダーしていたのですよ。私のその予感は当たっていたということですな!(←何の自慢にもならん)

そんなリトゥンアフターワーズが…!!!

今シーズンは…!!!

服を作っている…!!!!

 


展示会場は山縣ワールド全開です。中央にタヌキの人形が寝てるの見えますか?

 

ベーシックライン「リトゥン・バイ」として、デザイナー山縣良和さんの着たいものを作っておられます。メンズですが、女の子が着てもかわゆいですよ。

ベーシックラインといってもザ・ベーシックではなく、ブランドらしい遊びが随所にきいております。

たとえば…

松葉ガニ刺繍のスエットとか。

 


カニはうまいものね!カニは正義!!

 

たとえば、山陰地方で愛飲されているらしい白バラ牛乳by大山乳業の柄のセーターとか。

 


この牛乳、東京だと成城石井で売ってますbu


松葉ガニ、白バラ牛乳で勘の良い方は気付いたかもしれません。コレクション全体にそこはかとなく漂う鳥取感(なにこの熟語。。)に!

そう、今回は山縣さんが自身のルーツに立ち返っているので、出身地の鳥取を思わせるモチーフが沢山入っております。カニは言わずと知れた日本海の名産品、そして白バラ牛乳は鳥取の学校給食で出るらしいですよ。

他には、砂丘→ラクダ→キャメル色! 砂丘→砂漠→まさかの中東→更にまさかのイランの織物!、みたいなアイデアがありました。

製作の過程で、自治体・鳥取県からの協力も得ていらっしゃいました。大山乳業には鳥取県を通して協業のお願いをしたとか。

そんな流れで(?)、山縣さんは鳥取ふるさと大使にも任命されていました。まさか!

 


ふるさと大使の名刺!

 

色んな写真のタイプがありましたが、私は名産品20世紀梨バージョンをいただきました。今後山縣さんには、ふなっしーに負けず梨をアピールしていただきたい。

そして、展示会には鳥取県知事からの花も届いていました。

まさか!!

 


 

このように、色々とまさか尽くしの展示会だったわけです。さすが山縣さん。

私はリトゥンの服(ちゃんと生産にかけて販売する服)を見たいな~とずっと思っておりました。

でも、山縣さんはもうアートの世界の人になってしまって、ファッションビジネスの世界には戻らないのかな。。それって悔しいな。。と感じていたのです。そんな気持ちからこんな原稿を書いたこともありました。

だから今回のリトゥン・バイの発表は本当に嬉しかったわけです。勿論、発表すれば即売れるというものでもないでしょうが、とりあえず作らないことには何のアクションも起こりませんからね。

山縣さんとお話ししたところ、「迷いみたいなものが吹っ切れて、リトゥンアフターワーズでは実験的なアプローチを追求しつつ、リトゥン・バイでは半期ごとにちゃんと服を作って売るというバランスがようやく見付けられた」とのことでした。

それを聞いて、「そうよ良和!頑張るのよ!!」と五十君は思ったわけです。山縣さんの方が年上ですが、年下の私にこんな失礼な表現をさせてしまう空気感が山縣さんにはあり、そこがあの人の魅力の源泉のような気がいたします。

というわけで、皆さん14~15年秋冬はリトゥン・バイを要チェックです。

追伸

山縣さんの盟友が、「ミキオサカベ」のデザイナーの坂部三樹郎さんです。彼が今シーズン興味深いことを言っていましたのでそれもご紹介させてください。

三樹郎さんはここ数年、アイドルやアニメなどアキバ系サブカルチャーに寄せた発表をずっと行っていました(今や普通にメジャーのアイドルとなったでんぱ組を私が初めて知ったのも、このブランドのプレゼンでした)。でも、今シーズンはサブカル要素が随分薄れてて、モードにかなり寄せておられました。

それは何故?と三樹郎さんに尋ねたところ、、、

「今って、一般の人にしてみたらアキバ系カルチャーの方がメインストリームで、モードの方がサブカルチャーですよね。だったらわざわざアキバ系をやらなくても、モードをやれば必然的にサブカルだなと思って」とおっしゃったのです。…なんというアイロニー!!

でも、確かにその通りだな~と思いまして。

だって去年、清澄の現代美術館で80年代以降の日本ファッションの企画展「フューチャービューティー」をやっておりましたが、同時期に同館でやっていた庵野秀明プレゼンツの特撮の企画展の方がめっちゃめちゃ混んでいましたもの。

特撮ってかつては超サブカルだったものじゃん。そしてファッションの方が上位のカルチャーだったはず。でも、近年の一億総ライトオタク化した世の中では、特撮の方が集客力のあるコンテンツなわけですな。

それがいいとか悪いとかじゃないんです。ただ事実としてそうだな~と。それだけ!!

以上!!



五十君花実 特技=ミーハーな記者・五十君がお届けする業界のよもやま話。パリコレから東コレ、ストリート、地方のおもしろショップまで、ニュースあるところに五十君あり!!…というスタンスが理想です

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