人間真空パック@パリコレ(五十君花実)

2014/03/13 00:00 更新


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パリから10日に帰国しました!

日本はまだまだとても寒いですね。パリはコレクション最終日の5日以降、完全に「春です♪♪♪」という感じ(まるでパリコレから解放された私の心を表しているかのよう)な気候だったので、ギャップが大きいです。やだなー。。

さて、帰国はしましたが、出張中のこぼれネタをもう一つご紹介させてください。

一昨年末以来、世の中はすっかり“メイカーズ”ブームですね。DIYができる作業スペースとかが、情報番組やネットニュースなどによく出てきます。3Dプリンターの登場によって、ものを作る際に金型を作る必要が無くなって、個人が何でも(車のように大型で、精緻な部品が大量にいるモノでさえ)作れちゃう世の中になった!これは21世紀の産業革命や…!!ということがこのメイカーズムーブメントの骨子なわけです(多分)。

で、トレンドに敏感であることを是とするファッション界にも、メイカーズムーブメントは当然波及しております。

3Dプリンターをファッションデザインに取り入れるのが一番早かったのは、私の知る限りイリス・ヴァン・ヘルペンというオランダ人女性です。彼女は13年1月に開催されたオートクチュールコレクションで、3Dプリンターを活用したドレスを発表しています。

それ以来、この人のショーが見てみたいな~とずっと思っていたのですが、今シーズンとうとうその機会に恵まれましたよ!!!

セーヌ河畔の現代的な建物がショー会場でした。(この建物、服飾系の学校?とかが入っていて、ショーに使われることが多いんです。建物の中のギャラリーでコムデギャルソンが「ホワイトドラマ」展をしていたこともありました)

会場に入るとそこには…

 


 

モデルが入った巨大なビニル袋×3個が吊り下がっておりました!

私の席そばのビニル袋には、イェケリン・スタンジェさんが入っていました。個性的なお顔でキャラ立ちしている、結構有名なモデルさんです。数年前に読売新聞さんの全面自社広告などにも起用されていました、確か。

さて、ショーが始まります。すると…



 

ビニル袋につっこまれていた太いホースみたいなもので、袋内の空気が抜かれていくではないですか!空気がどんどん抜けて真空パック化していく…!!イェケリンさん死んじゃう…!!!しかし頭の上あたりには細いホースが伸びていて、おそらくそこから吸う分の酸素は出ていたのかと。イェケリンさん最後まで生きてたし。

で、真空パックな人間標本を横目に、肝心のモデルが歩いてきます。

 



こちらはガルーシャ(エイ革)に切り込みをいれて、連なるように革を立たせたドレス。背骨が浮き上がっているような感じに見えて、美しいけどちょっと不気味なのです。エイ革自体、きれいだけどなんか禍々しさがあるしね。

 



こちらはぬめっとしたシンセティックな輝きを放つドレス。繊維に金属とかが含まれているんでしょうか?

どれも素材はすごく未来的なムードなんだけど、基本の形はクラシック。その対比を狙っているんだと思います。人間標本も、生々しいけど同時にすごくクリーンといったニュアンスの表現なのかと。

 



靴はユナイテッドヌードとのコラボレーション。カーブを描くカバーをすね部分に取り付けた、硬そうな材質の厚底シューズです。まるでガンダムのよう。

ショーの最後に、3Dプリンターで出力した樹脂のモチーフをたくさん飾ったドレスが出てきました。

 



ヌードベージュ、そして樹脂なので質感がプルプルしており、なんだかこれも生々しい。でもとってもキレイ。

すべて私が席から撮影した写真のため、写りが微妙ですみません。もっと鮮明な写真が見たい場合はスタイルドットコムなどをご覧ください。

というわけで、正直最初の人間真空パックに一番驚いた感も強い(a.k.a.出オチ)ショーでしたが、この眼で見ることができて非常に満足でした。

ファッションデザインって(いやファッション以外も)やり尽くされた感じがあって、もう「●●と△△のミックス」とか「□□を☆☆年代風にアレンジ」みたいなサンプリング形式でしか新しいものが生まれないって00年代以降よく言われます。私自身もそうなのかもなと思うことは多いです。

でも、3Dプリンターのような最新テクノロジーをうまく使えば、そしてそこにデザイナーならではのユニークさが加われば、これまでに無かった新しいものを生み出せるんじゃないかっていうワクワク感がありますよね。

日本だと、アンリアレイジの森永邦彦さんが新しいテクノロジーで新しいものを生み出すことにすごく意識的です。イリスにも森永さんにも直接聞いたわけじゃないですが、きっと彼らがテクノロジーに対して貪欲なのは、そういう思いがあるからなのでは?と思うのです。

しかしまあ、「新しいテクノロジーで新しいものを生み出す」ということは、イッセイミヤケさんを始め歴代のデザイナーたちもやっていることですから、今更特筆するべきものではないのかもしれませんが…。そういう細かいことは気にしない!

というわけで、上記のようなことを色々考える機会をくれたイリス女史にセンキューです!

そしてここまでの内容と全く関係なくて恐縮ですが、3月6日掲載の繊研コミュニティは「著名デザイナーが手掛けた、オシャレ制服大図鑑!!(仮)」でした。

伊勢丹新宿本店のインフォのお姉さんの制服がヨーコ・チャンによるデザインだって、知ってました???

この企画、ウェブでも読めます。というわけで、気になったらこちらをチェック!!!

是非見てね。うふふ

以上!!



五十君花実 特技=ミーハーな記者・五十君がお届けする業界のよもやま話。パリコレから東コレ、ストリート、地方のおもしろショップまで、ニュースあるところに五十君あり!!…というスタンスが理想です

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