皮革産地の姫路でアーティスト・イン・レジデンス 革づくりの可能性を広げる

2024/05/02 14:00 更新


アーティストが自由に使えるアトリエ(完成予想図)

 日本を代表する皮革産地、兵庫県姫路市で6月、アーティスト・イン・レジデンスが始まる。一般社団法人L-A・I・R(エルエアー)が国内外のアーティストを招き、滞在中の活動を支援する。新たな人とのつながりにより、姫路産皮革のブランド力を高め、地元経済の活性化や産業ツーリズムにも貢献する。

 エルエアーは、レザーのケア用品販売や修理を手掛けるユニタスファーイーストが主体となって設立された。ユニタスはこれまでも姫路の皮革産業を盛り上げる活動を続け、皮革の体験型施設「ペレテリア」も開いている。地元には国内外のトップブランドに皮革を提供するタンナーが多くある一方、皮革産地としての知名度はまだ低いとして、新たな取り組みを始める。

 アーティスト・イン・レジデンスは招かれたアーティストが滞在し、作品を制作することやこれを支援する制度。日本各地にあり、ヴィラ九条山(京都市)などが知られている。文化庁は16年からアーティスト・イン・レジデンス活動支援を通じた国際文化交流促進事業を実施している。

 アーティストに皮革に触れてもらい、タンナー×アーティスト、地域住民×アーティストなどを通じて新たな革づくりの可能性を広げる。そのため、姫路市の高木地区にある空き工場をリノベーションして、アーティストの宿泊施設、アトリエを併設する「エルエアーヴィラ」を6月中に開く。5月にはクラウドファンディングも実施してリノベーション費用に充てる。



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