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「繊研新聞」掲載記事から就職・採用関連記事の一部を掲載します。文頭の日付は掲載日です。


【2003年12月】

2003/12/26
〈新興〉 人材をブランドに育てる SOヒューマンデザイン 現場知るメンバーが新会社  丸井で数々の賞を受賞し、販売と接客の現場を知り尽くしたメンバー3人がこのほど、人材教育のコンサルタント会社、SOヒューマンデザイン(本社東京、電話03・5308・2661)を設立した。
 創業者の渡辺創太郎社長は、98年に丸井のメン新宿店開店準備室を経て同店商品担当責任者に就任。01年には紳士用品部ブランド課バイヤーとして本社へ赴任し、2年4期の在籍期間中に最優秀バイヤー賞を3期受賞した。ほかのメンバーも実力重視の丸井で実績を作ってきた猛者たちだ。
 「画一的な暗記重視のマニュアル教育では人は育たない」と渡辺社長。同社では商品知識、サービス、データ分析、営業計画などの多面的な視点に立った個別指導によって個人の自発的な行動を促すことに力点を置く。
 これまでの人材教育は接客、販売、ディスプレーなどのカテゴリー別に複数の講師が多くの人数と向き合うが、同社では現場の第一線でトータルに知識を習得したメンバーが個別指導で教育にあたる。また、依頼者側の企業と事前に売り場の不振要因を分析し、50の指導項目の中から最適な教育カリキュラムを組み立てる。  「会社はまだ設立したばかりだが、現場教育の遅れている日本では真の教育が必要」。“人材をブランドに育てる”を企業理念に、来年から活動を本格化する。

2003/12/25
百貨店 進む人材流動化 中堅が中途採用に本腰  A百貨店で買い物をしていたら、B百貨店のバイヤーにばったり。「何しているの?」との問いに、「この店のバイヤーになった」とか。こんな再会が立て続けにあった。彼らはバイヤーや販売員として活躍してきたベテラン勢。経験をそのまま生かし、昔のライバル店で力を奮っている。
 人材の流動化はアパレル企業では珍しい話ではない。もちろん、百貨店でも見られた。いま百貨店業界で注目されるのは、「専門性の高い人材を戦略的に確保する」動きだ。大手百貨店が大胆なリストラを終え、流れ出した現役世代を中堅百貨店が社風の改革に生かしている。
 京王百貨店では今春から、正社員の中途採用を始めた。03年度の採用は8人。04年度も若干名を採る計画だ。98年度から中途採用を行っている小田急百貨店は、02年度から採用数を増やした。03年度は10人にのぼる。プランタン銀座 では、中途退職の穴を中途採用で埋めてきた。今秋からはやる気と実績のある契約社員の正社員化にも踏み切り、現場の士気をさらに高めている。
 これらの店では補充が必要な年代を条件に、優れた専門知識と経験を持つ人材を獲得した。ここで見逃せないのは「小売り出身者が少なくない」ことだ。とりわけ「百貨店の渡り鳥たち」が、培ってきたノウハウや人脈をフルに活用している。  あるバイヤーはパイプの太い取引先の商品を導入した。ある販売員は自分の客を店へ引き連れてきた。ある広報担当者は長い付き合いの雑誌社とタイアップした。販促手法やイベントの企画を見直した人もいる。
 百貨店の渡り鳥たちは都心だけでなく、地方にもいる。「中途採用を検討している」店もあり、百貨店間の人材の流動化は見逃せない動きになりつつある。

2003/12/24
服飾系教育機関 広がるインターンシップ、協業型授業 産学双方の人材ニーズ 実務重視、採用にも直結  服飾系教育機関で、学生に企業実務を経験させるインターンシップを長期化する傾向がある。実務の流れを習得するには従来の1~3週間の企業研修では不十分、という考えからだ。同時に企業・団体の課題を、期間を限定して取り組ませる産学協業型授業も目立つ。産学双方の人材育成ニーズに基づき授業スタイルに変化が見られる。  モード学園は、01年度から名古屋校で一部企業の協力を得て3カ月間のインターンシップを始め、02、03年度には出席数などの基準を満たす学生全員を対象にした(03年度実施企業は62社)。期間は2月下旬~5月下旬で、学生は最高年次を企業実務の体験から始める。毎土曜に校内で報告会を実施、学校側の指導を貫きながら1年1280単元中280単元を当てる。「2カ月目からバイト代を支給したい」という声が一部の企業から出るほど職場に溶け込むため、仕事に対する問題意識の形成で大きな効果を得ているという。名古屋校で導入にかかわった市原博之東京モード学園管理部主任は、「第一の目的ではないが、就職に直結するのは確かです。今後3年のうちに東京校、大阪校でも導入したい」と話している。  文化ファッションビジネススクールは、1年次はDC系アパレル企業を中心に4週間の企業研修を実施し、2年次はビジネス学科を含め選択制で長期のインターンシップを行う。4大・3年制専門校卒以上を入学資格とする同校のユニークな点は、学生自身が行きたい企業に自分を受け入れてくれるよう交渉していること。その過程も自分自身を知り、自発性を養う教育と位置づけている。
 インターンシップとは別に、企業・団体の課題を共有する形の授業も増えてきた。  杉野服飾大学が鈴木明ゼミナールで行っている今治タオル産地やザ・ギンザとの協業型授業は04年度も継続する予定だ。東京モード学園がフランドルなど各分野の企業の協力で今年秋から実施している「ケース・スタディ」授業も来年度には本格化する。内容や期間は企業ごとに異なるが、優秀な学生が顕在化し、就職に直結するケースもある。「企業、学生、学校、いずれもメリットがある。新しい授業スタイルとして定着させたい」と同校は意気込む。

2003/12/22
04年度繊維予算案 自立、輸出振興など柱 TFW、IFFも支援 執行ベースで60億円超規模  政府の04年度予算案が固まった。22日の大臣折衝を経て、24日に閣議決定する。繊維関連予算案の総額は前年度比50%増の14億円となる。中小企業総合事業団の繊維関連基金を活用する中小繊維製造業者自立事業(30億円超)と地域・中小企業関係技術開発制度の活用額(10億円超)を合わせ、繊維政策の執行ベースでは60億円を超える規模となる。自立事業、国内展示会などを含む輸出振興、人材育成などを柱としており、今年7月に策定された繊維ビジョンを全面的に実践する予算となっている。
 中でも重点となるのが、自立事業と輸出振興。自立事業は今年度575件の申請があり、110件を採択して30億円規模となったが、来年度の申請に向けた研修会(全国15カ所で順次実施中)には計800人の参加が予定されている。来年度は、今年度の2倍の申請が見込まれ、採択数や全体の事業規模は今年度を上回ることが確実視されている。この事業は7月に独立行政法人に移行する中小企業総合事業団の繊維関連基金本体を活用し、必要な法改正は来年の通常国会冒頭に行う予定だ。
 輸出振興ではジェトロ(日本貿易振興機構)の中小企業海外展開支援事業予算のうち1億9000万円、中小企業庁の5億6000万円を使い、海外と国内の展示会開催などを支援する。地場産業等活性化補助金は繊維枠として5億6000万円(03年度4億円)を確保するとともに、国の直接補助金とし、より効率的な運用をする。テキスタイル関係では、今年度に続いて上海(04年10月)でジャパン・パビリオンを出展、新たに北京(05年3月)への出展も検討している。アパレル関係でも上海(04年7月)にジャパン・パビリオンを出展する予定だ。その他の海外展示会出展とともに、上海(日本繊維輸出機構)やニューヨーク(日本アパレル産業協会)の輸出拠点整備を支援する。
 国内では引き続いてJC(ジャパン・クリエーション)を支援し、加えて展示会では東京ファッションウィーク(TFW)、インターナショナル・ファッション・フェア(IFF)、ファッション・プロデュース・ビジネス・フェア(FPB)、新人クリエーター育成ではデザイナー新人大賞を支援する。
 人材育成は6900万円と今年度の予算規模を維持するが、予算執行の重点化を図る。IFIや各地の繊維リソースセンターでプロデューサーやコーディネーター、パタンナーなどの専門人材を集中的に育成する。このため今年度、繊維人材育成研究会を設置し、来年度実施に向けて教育システムやカリキュラム、教材などについて検討している。

2003/12/20
経済省・第2回繊維人材育成研 来年度実施の教育プログラムを議論 継続的・重点的育成を  経済産業省は18日、繊維人材育成研究会の第2回会合を開き、全国のリソースセンター(RC)とファッション産業人材育成機構(IFI)から教育プログラム案の報告を受けた。パタンナーなど専門人材の育成や経営者の意識改革など様々なテーマのプログラムが提案され、中小繊維製造業者の「自立」に向けたMDや小売り経営を学ぶ講座も目立った。
 提案に対し、他の委員からは総じて「総花的」「継続性がある人材育成を」「もっと産地の特性を生かせ」などの指摘があり、来年1月に開く第3回会合では、今回の議論を踏まえ、各センターが見直したプログラムについて、議論を深める。
 各センターの委員の報告を受け、同省の山本健介繊維課長は「どんな人材を育成するか、スペックを明確にし、そのための体系を整えることが必要」とし、「限られた予算では対象を重点化し継続的に実施することが重要」と指摘した。
 他の委員から「短期的な商売ネタのセミナーと、人材育成を分けるべき。腰を据え産地の特徴を生かした人材育成にこそ取り組むべき」「セミナーでも人脈ができる場としての意義はある」「頭の構造を変えようという人材育成は、継続的に実施すべき」など、継続的な人材育成に重点を置くべきとの意見が多かった。
 また「勉強したいが、金がない」人のために「学びやすい体制づくりが必要」「企業派遣は一般にモラルが低い。だれが受益者か明確にし、自ら学びたいという人には奨学金を出せばいい」「テーマが絞られ受講者のレベルが揃っていないと効果がない」など、「やる気がある」人を支援する仕組みについての発言も多かった。
 全体に批判的な意見が多い中で、体系的な専門人材育成を軸にした倉敷ファッションセンターやニット産地の特性を反映した国際ファッションセンターの提案に対する評価が高かった。
 第3回会合で議論を詰め、第4回会合で来年度実施する教育プログラムを決める。来年4月以降は、人材マッチングやインターンシップ制度など仕組みについて議論する予定だ。

【2003年10月】

2003/10/17
中小企業と大企業OBをマッチング 中小企業庁  経済産業省中小企業庁は、中小企業と大企業OBをマッチングする「企業OB人材活用推進事業」を実施する。各都道府県に地域協議会を設置し、マッチングを支援する。今年度は21カ所に設置する計画である。  企業などOB人材マッチング地域協議会は商工会や中小企業支援機関、県内有力企業、学術経験者、都道府県関係者などで構成し、OB人材の発掘・情報収集、データベース化、企業とOB人材のマッチング支援などを行う。日本商工会議所を事務局とする全国協議会も設置し、OB人材の全国的な活用や各地域協議会の連携事業も支援する。  28日には東京・丸の内の東商ホールで、企業OB人材活用フォーラムも開く。

2003/10/02
人材紹介業認可を取得 日本FA協会  日本ファッションアドバイザー協会(長谷山律子理事長)が、厚生労働省の「有料職業紹介事業」の認可を取得した。同事業の認可取得はファッション産業では初。  同協会はファッション商品の販売に携わるファッションアドバイザー(FA)や経験者が集まり、昨年2月に設立、同6月にNPO法人となった。「生活者におもてなしの心で接客し、お客様からありがとうを頂ける能力開発とその普及」を目指して研究会、講演会、講座などを行っている。  企業から人材紹介の依頼やFAからの求職・転職の相談が多く寄せられ、認可取得の準備を進めていた。

【2003年09月】

2003/09/30
繊維人材育成研を設置 経済省 教育プログラム検討  経済産業省は、中小製造業者の自立支援の一環として、繊維人材育成研究会(仮称)を立ち上げ、教育訓練プログラム開発とコーディネーター・専門人材のマッチングシステムを検討する。並行して、自立事業への申請支援も別に実行する。  同研究会は松田正夫・大阪繊維リソースセンター顧問を議長に、ファッション産業人材育成機構(IFI)、各地のリソースセンター、テキスタイル・アパレル関係者などで構成。今年度は、現在ある人材育成プログラムの評価とともに、高度な専門人材のうち育成の緊急性が高いものを特定し、具体的な教育プログラムとマッチングシステム構築を検討する。10月下旬にスタートし、来年2月までにまとめ、4月には実行に入る。  自立事業への申請支援は、申請マニュアル作成と、これに基づく模擬添削指導を実施する。10月中にはマニュアルを完成し、11月には各地での研修会をスタートする。来年2月までに全国15カ所での実施を予定している。同事業は中小企業総合事業団(予算800万円)がIFIを通じ、各リソースセンターに委託する。必要に応じ、来年度も実施する。

2003/09/24
【ファッションスクール・ほうかご】 意識のズレを埋めよう!  産業の次の担い手を育てる教育機関にとって、実学教育は存在理由の根幹にかかわるものである。日本ではその中心となる服飾系専門学校の多くが家庭洋裁教育の流れを組むこともあって立ち遅れが目立っていたが、有力校におけるここ数年のカリキュラム改革・教育設備の拡充は目覚ましく、状況は一変した。世界に通用するクリエーターや起業家を育成する起点に立ったといえよう。  学生の意識も、記者が学校担当となった7年前と比べて格段に違う。トップ層ではあるが就職活動に際して専門紙や海外を含め関連のホームページをチェックする姿勢は4大生に引けを取らない。しかし一部が、教職員に残念な実態が残る。たとえば、産学協同に熱心なある有力校が業界団体と共同で記者会見を開いた際に名刺を持ち合わせない教員がいた。「いつも学校の机の引き出しの中に入れてある」とのこと。学校の規模を問わず、パーティーなどでお会いしたときに名刺交換できないケースも少なくない。名刺を持ち歩かない習慣が教育界にあるのではないかと思ってしまう。人材教育は産業の重要な一翼である。ビジネスシーンにおける常識の習慣づけは外せない。日々のニュースに敏感になることを含め、業界人としての自覚も当然求められる。(吾)

2003/09/24
【ファッションスクール】 産業ニーズ対応強める中堅校 小回り生かし強みみがく 得意分野の戦力育成  有力企業と組んだ特別授業、国内繊維産地振興事業とのタイアップ、クリエーター育成に特化したエリート校の開設。ここ数年、大規模校の派手な動きが目立つ。18歳人口の減少、就職難が続く下で生き残りをかけた激しい競合の表れである。一方、全国の中小校は存在理由や得意分野を明確にすることで小回りを生かす戦略を強めている。4校の現状をリポートする。

中規模でも世界に 目白デザイン専門学校
 中規模校ながらメンズアパレル科をはじめ様々な事業を近年、立ち上げている目白デザイン専門学校(東京)。その背景には「10年前に比べると高校生のファッション業界志望は4分の1に。今後さらに減少するだろう。業界への通路となる専門学校の役割は重大」(小嶋禮子校長)という危機感がある。今春、欧州のベテランパタンナーを招いて3週間の特別実習を行ったのも、世界標準の教育に転換しないと日本は取り残されてしまうという思いからだ。  メンズアパレル科は厳しい状況が続く中だからこそ人材育成が重要として開講、業界の第1人者から歓迎されている。昨年は新宿区教育委員会の協力で、小中学生のための「ファッション・キッズ・スクール」を実施した。ファッションをトータルでとらえる教育を進化させるため、来年度からモデル科(1年制、定員40人)も新設予定。また、05年度から企画・ビジネス双方で2年次を修了した学生を選抜した2年制の上級コースを開設する計画もある。中堅クラスの学校の中でトップクラスの活発ぶりだ。 ユニークなのは、芸術・デザイン分野で優れた英国国立ミドルセックス大学(ロンドン北部)と特別学位提携を結んでいること(2000年から)。留学しないで同大学の準学士号が取得でき、希望者は3年次に編入可能な制度で毎年4~5人が取得しているという。  小嶋校長は「大手校の雰囲気に向かない人は確実にいる。当校は、その人たちに徹底した小人数教育で産業ニーズに着実に応えていく」と言い切る。

企業名は関係ない 名古屋服飾専門学校
 名古屋服飾専門学校(飾磨佳三校長)は、学生数100人規模(過去最高は120人)。就職希望者の就職率は、02年度97%、03年度80%。名古屋市内の最小規模校ながら健闘している。  飾磨校長は「企業名にとらわれる学生は就職指導しない」と言い切る。本人の能力、適性は当然だが、希望業種や仕事の内容をよく理解させ、対象企業に学生本人がやりたい仕事や担当できる仕事があるかも見極めて送り出す。1人ひとりに目が届く小規模校で、業界事情に精通する教員の強みが発揮されている。  教員は非常勤講師を含めて21人。専任教員6人は全員ファッション業界の経験者で、講師も過半が現役または業界に身を置いた経験を持つ。「業界人の実体験披露は学生に良い影響を与える。またCS(顧客満足)精神も旺盛で、決して安くない学費を払う学生の思いに合致する」(飾磨校長)という。一方、小規模校の弱点は、どうしても“井の中の蛙”になりがちなこと。そのため積極的に学外のコンテストに参加させている。外から評価されることで、客観的に自分を見つめさせるのがねらいだ。大手校などと比較しても劣らない入賞実績を誇る。  05年度から新しいコースを新設する予定。マナーのカリキュラムなど他校の実践例にも学びながら、教員の業界経験を生かし、きめ細かな指導を進める。

きもの産業の未来 東洋きもの専門学校
 東洋きもの専門学校(大阪)は47年、東洋服飾専門学校の和裁部として発足した。その後、62年にきもの学院として独立、その頃から産業界に向けた人材育成を強めている。まだ“稽古事”として需要が多かった時代だが、カリキュラムは充実していた。通常の和裁学校の授業は「縫い」中心だが、同校では当時から、裁断から縫製、着付けのほかに、ピンワーク、イラストデザイン、色彩学なども教えていた。「産業向けの育成を考えていた」からだ。  70年代に入り、業界からの依頼により「縫製事業部」を設立したのもその一環。その縫製技術者から様々な現場の知識を学べたという。既製きものの台頭や海外縫製の増加により、今年3月末に事業部は閉鎖したが、約30年間、きもの縫製を支えた。その後、きもの業界の低迷が続くなかで、90年代後半には、若い感性を求める業界団体と組んで「ニューきもの」にも取り組んだ。このほか、料理店やホテルなどの和風の制服作りにも積極的にかかわってきた。また01年には普段着を想定し、袂(たもと)を短くするなど着やすい「胡蝶きもの」(意匠登録済み)を独自に開発している。  カリキュラムの充実は毎年進めており、最近は素材学やスタイリスト実習に注力。映画、舞台、テレビなどで活躍する、きもの専門スタイリストの冨田伸明氏による特別講座も昨年度から開始した。「国際化が進めば日本独自のファッションであるきものの需要は高まる」とみて、コーディネーターの育成や創造的デザイナーの創出を含め、業界活性化策にかかわる人材育成を強めている。

上質服のプロ育成 華服飾専門学校
 華服飾専門学校(東京)は、専門教育とともに人間教育の重視をモットーとする東京の下町にある有力校。あいさつをはじめ人間関係の基本が自然に身に付く教育を根底に置き、その上でファッションビジネスの専門知識を習得させることを方針にしている。就職指導でも入学前の面接時から卒業まで1人ひとりの特性に応じて個別指導する。熱心な相談活動は、ときには終電の時刻にまで及ぶ。  もちろん、産業のニーズに応える即戦力育成の課題も外していない。今年度からパソコン140台、CAD(コンピューターによる設計)40台を導入、学生1人1台の教育環境を実現した。関係する授業は1人あたり週平均2回以上ある。パターン検定2級、3級取得に向けた講義を核に、「ハイテクとローテクを結合した授業の展開を強化」(同校)している。  特色としては、縫製を2年間徹底して学ぶオートクチュールコースが挙げられる。上質な服作りに欠かせない縫製の基礎理論から応用までを充実したカリキュラムできめ細かく指導し、デザイナーブランドや有力メーカーの展示会サンプルをこなせる力量を身に付ける。婚礼衣装、舞台衣装など独自性を生かせる分野にも挑戦させている。

2003/09/18
【「新入社員の会社生活」(産業能率大学03年度調査から)】 将来はエキスパートめざす 起業・独立志向は減退 「寄らば大樹」の意識見え隠れ  「起業・独立志向は減退」「将来はエキスパートをめざす」「出世のイメージは努力・能力の証し」――学校法人産業能率大学の調査でこんな新入社員像が浮き彫りになった。今年の新入社員はチャレンジ精神が薄く、就職した企業の中で通用するスキルの獲得に目が向くなど、「寄らば大樹」の意識が見え隠れするという。同調査は「新入社員の会社生活」として99年から毎年実施しており、今回は3月下旬から4月中旬にかけ、210社の新入社員600人を対象に行った。有効回答は男性312人、女性150人の計462人。以下、調査の概要を紹介する。
「業種」で選ぶ
 就職先を選ぶ際にもっとも重視した項目は、「業種」が59%と2位の「企業風土」(14%)を大きく引き離してトップになっている。就職活動におけるインターネットの活用は、79%が「よく利用した」と回答し、5年前(12%)と比較すると7倍近くに拡大している。  就職先への採用エントリー方法も51%が「ウェブで行った」とし、「電話」(13%)や「郵送」(同)を大きく上回っている。将来のキャリアプランについては、「明確なキャリアプランを持っている」が13%、「漠然とは考えている」が65%で、合わせて約8割が何かしらのプランを頭の中に描いているようだ。  転職については、約8割が「キャリアアップ」とポジティブにとらえ、その比率も毎年高まっている。
 また、将来の進路としては、「管理職を志向する」のは昨年の22%から今年は30%へと上昇し、過去最高となった。これに対し、「独立して自分の会社を立ち上げる」という独立志向は12%弱と昨年より9ポイントも減少し、過去最低となった。IT(情報技術)バブルの崩壊もあって起業・独立はリスクが大きいと判断したのか、就職した企業での昇進を目指す姿勢が表れている。
夢はこぢんまり
 キャリアアップを図るために役立つと思うものを挙げてもらったところ、トップ3は「外国語の能力」(80%)、「社外の人脈」(73%)、「資格」(70%)だった。  「出世」という言葉から浮かぶイメージとしては、「努力・能力の証し」という答えが27%でトップとなった。昨年トップの「所得の向上」は10ポイント下がって3位に後退した。将来の目標とする地位については、「社長」とした人は16%で、昨年より4ポイント減少したのに対し、「部長」と「課長」は昨年より増加し、ここ4年で最も高い数値となっている。起業・独立志向が減ったことと合わせて、将来の夢もこぢんまりとしたものになっている。  人事処遇制度に関しては、昨年は強い実力主義志向が表れていたが、今年の新入社員にについては、その傾向がやや薄れた。まず、「年功序列制度」については、「望まない」が昨年より6ポイント減少している。「終身雇用制度」についても、若干だが「望まない」が昨年より上昇している。
不祥事の責任は「担当者にも」
 企業経営において重視されるべき対象については、63%が「顧客(消費者など)」と回答し、2位の「従業員」(27%)を大きく引き離してトップになった。社会的には重要だが企業の利益につながらない社会貢献活動については、「社会の一員であるから積極的に取り組むべき」という回答が79%を占め、昨年より4ポイントアップした。  企業が不正防止のために最も重い責任を負うのは誰かの問いには、36%が「経営者・経営幹部」と回答しているが、昨年に比べると4ポイントほど減少した。逆に「直接の担当者」(15%)とする回答が増え、現場レベル、あるいは末端の社員からのコンプライアンス(法令順守)を求めるべきとの考えが表れている。  理想とする上司のタイプは、部下(自分)に対して「優しく」接して、職場の運営は「先頭に立って引っ張り」、意思決定は「コンセンサス重視」を望んでいる。

2003/09/11
人材教育であの手この手 東京モード学園とフランドル 特別授業実施 現場直結教育で意気投合  東京モード学園(谷まさる学長)は今月から12月まで、フランドル(栗田英俊社長)の全面協力で「ケース・スタディ」と称する特別授業を実施する。9日に「企画概要」と題して行われた授業で、栗田社長は「夢だけでなく、現実を辛口で伝えることが重要だと確信し引き受けた」と話し、人材育成における産学協同の意義を力説した。  授業終了後に設けられた同学園と栗田社長の懇談で谷学長は、モード学園パリ校クレアポールで約50社の現地企業と産学協同授業に取り組んでいる事例を紹介、「パリのように現実に直結した教育を国内でももっと強めなければ、の思いで新しい授業スタイルを立ち上げた」と語った。名古屋、大阪校にも広げ、「有力企業の積極協力による実学教育の新たな流れを築きたい」という。  栗田社長は「日頃から採用面接でMDや市場の理解が弱いことが気になっていた。日々動く市場を感じてもらいたい。興味を喚起するため、ヒット商品を次々に生んでいる優秀なスタッフを送り込みたい」「学生作品の中で光るものが登場すれば企画に取り入れることもあり得る」などと話した。

2003/09/01
販売員の資格制度新設 百貨店協会 第1弾は婦人服分野  日本百貨店協会は、販売員を対象とした「百貨店プロセールス資格制度」を立ち上げる。第1弾として、今月から衣料品領域の「フィッティングアドバイザー・レディス」の講座を開始し、来年1~2月に資格審査を行う。来年にはメンズも新設する。日本サービス・流通労働組合連合(JSD)との労使懇談会が提案元で、運営でもJSDの支援を受ける。
 制度は接客販売のプロフェッショナルの育成を目的としたもので、コラボレーション事業の一環と位置づけている。全国の百貨店に共通した能力評価の基準と仕組みをつくることで、加盟店の人材育成を支援する。共通の資格制度の新設は、従業員にとっても大きい。資格の取得は、自社内での評価にもつながる。  資格は1級、2級、3級の3段階で、資格認定を厳密にするため、詳細な「販売グレード基準表(レベル1~10)」も策定している。  1級は「顧客に感動を与え、回りの指導・育成もできる人材」と規定している。各社から最優秀の販売員を推薦してもらい、外部の専門家も含む資格認定委員が面接形式の審査を行う。最上位の資格のため、取得者は若干名となりそうだ。  2級、3級は指定講座の受講が前提の資格で、能力開発も兼ねる。2級は「知識と技術を駆使でき、売り場で専門家として認められる人材」で、フィッティングアドバイザーの場合、3~5年の販売経験が目安としている。  全国7地区で開く約20時間の講座を受講してもらい、修了後に筆記試験とロールプレイングの審査で資格を認定する。合格率は70~80%を予想している。  講座は指定団体が実施する。初年度は高島屋グループのセンチュリーアンドカンパニー、三越のプロネット、松屋の東京ファッション専門学校が指定カリキュラムに基づく講座を開く。2年目以降は、複数の大手百貨店が参画を表明している。  3級は「顧客のニーズにこたえられる知識を習得している人材」で、若手の販売員が対象。通信講座の受講・修了とリポート審査で決める。  1級と2級は年2回の審査を予定しており、資格取得者には認定バッジも配る。婦人服売り場には、来春からバッジを付けた販売員が登場する。  応募の条件は加盟店に勤務していることで、個人ではなく、各社の窓口を通して応募してもらう。今秋は百貨店が雇用主体の社員、契約社員、パート販売員を対象としているが、将来的には派遣店員にも広げる。  衣料品領域に続き、今後はギフトアドバイザーやシューアドバイザーの資格制度も新設する計画だ。

【2003年08月】

2003/08/29
経済省の04年度予算概算要求 繊維施策は60億円(執行ベース) 繊維ビジョン実践へ 関連3基金を活用 輸出振興や海外展を支援   経済産業省は04年度の繊維関連予算案を決めた。関連予算総額(繊維課・中小企業庁計上分合計)では03年度比30%増の12億円。これに加え、03年度に前倒しで実施している中小繊維製造業者自立事業(30億円)は、中小企業総合事業団の百数十億円の繊維関連基金本体を活用し規模も拡大して実施する。また、10億円規模の提案公募型の技術開発事業も実施する計画で、繊維政策の執行ベースの規模は60億円規模となる。これらは、産業構造審議会(経済相の諮問機関)繊維産業分科会が7月に取りまとめた新繊維ビジョン「日本の繊維産業が進むべき方向ととるべき政策」の内容に沿い、繊維ビジョン実行を裏付けるものである。
提案型技術開発事業に10億円
 04年度の繊維関連予算案の大きな特徴は、中小企業総合事業団の繊維関連3基金(信用、振興、人材育成)の本体を活用すること。このために必要な法改正は、早ければ今秋の臨時国会で、遅くとも来年の通常国会冒頭に行う予定だ。これを活用し、来年度は自立事業の規模を拡大する。今年度の採択からもれた申請案件でも練られたビジネス・プランは多く、そうした中小製造業者の「やる気」に早期に応える考えだ。
 中小企業庁の地場産業等活性化補助金の拡充も大きな特徴だ。繊維枠は、今年度据え置かれた4億円から5億6000万円への拡大を要求する。国際競争力強化に向けた、展示会などの事業への支援を強化する方向で、補助金の執行方法や運用の仕方の変更も検討している。  輸出振興については、日本貿易振興会(ジェトロ)の中小企業海外展開支援事業予算などを活用する。ジェトロの予算は繊維枠が確保されているわけではないが、今年度の3億4000万円から3億7000万円に拡大を要求している。
 今年度は10月に開催する「インターテキスタイル上海」での日本企業をまとめたジャパンパビリオン出展に9000万円の支援を予定しているが、来年度はテキスタイルに加え、アパレルの海外展示会にもジャパンパビリオンを出展する。また、中小企業の海外事業をサポートするコーディネーターをニューヨークや上海に4人以上(1人当たり1500万円)配置する。ニューヨークなど海外の輸出拠点も整備する。
 国内の展示会支援も国内外のバイヤーを呼び込める国際的にも通用する展示会に重点的に支援する。これを踏まえたうえで、来年度もジャパン・クリエーションは引き続き支援し、アパレルについても海外に通用する大規模な展示会を育成したい考えだ。  新人デザイナーの登竜門となるファッションショー開催も視野に入れている。  技術開発では、今年度立ち上げた五つの事業への支援を拡充し4億8500万円を要求(今年度3億1800万円)。
 人材育成は6900万円と今年度の予算規模を維持するが、予算執行の重点化を図る。  併せて、繊維人材育成基金本体の投入も予定している。02年度補正予算により、今年度ファッション産業人材育成機構(IFI)が開発し、各地の繊維リソースセンターで実証を行うスーパーコーディネーターやパタンナーなどの専門人材育成のための教育システム・教材を使い、IFIとリソースセンターで人材育成を集中的に実施する。中小製造業者のこれらの人材探しも支援する。

2003/08/28
東京モード学園 産学協同型授業を実施 各分野有力企業に呼びかけ全学科で 実務学び即戦力養う フランドルが協力  東京モード学園(谷まさる学長)は9~12月、フランドルの協力で産学協同型の授業「ケース・スタディ」を実施する。同学園のファッションデザイン学科4年生300人が、フランドルの商品企画から店頭までの業務を同社スタッフからトータルに学ぶ。同学園は既存のインターンシップ制度とは区別した各分野の有力企業による特別授業を今年度中に全学科に広げる。産業界のニーズに密着した教育路線を強調し、他のファッション系専門学校との違いを鮮明にする狙いがある。  この特別授業は、学生側には企業から商品企画やマーチャンダイジングの日常業務を直接学ぶことで即戦力性を身につけられるメリットがある。一方、企業側は学生の新鮮な発想の取り込みに期待する。
 同学園では学生に、より実践に近い授業を受けさせたいという意向から各分野の有力企業に産学協同型の新しいスタイルの授業開発への協力を打診していた。ファッションデザイン学科でも複数の大手アパレルに打診、フランドルはその中の一つで、「栗田英俊社長の即断即決で今回の協同が決まった」(東京モード学園)。授業を通じて得た良いアイデアは同社の今後の事業計画や商品開発に随時生かされるという。
 第1回(9月3日)「マーケティング」と第2回(9月9日)「企画概要」は栗田社長自身が講義する。その後10月から「前シーズン報告」「ブランド設定」「リサーチ」「シーズンコーディネート」「デザイン出し作業(1)」「素材・配色構成」「デザイン出し(2)」「上代、デザイン構成」「仕様書」「トワル修正」「展示・ディスプレー」「結果報告」の順で毎週授業を行い、SPA(製造小売業)アパレルメーカーの実務の流れを学ぶ。10月末から1カ月間、フランドルの各店頭に立つ販売実習もある。  ファッションデザイン学科ではデザイナーブランドへの就職をめざす100人に対して、フランドルによる授業とは別に「ギャルデコレクティブ」の協力でケーススタディを行う予定だ。

2003/08/18
TMMが販売員育成の塾開校 ワンスアラウンドと提携 青葉台東急スクエアで9月から 卒業後はテナントに人材紹介  商業ディベロッパーの東急マーチャンダイジングアンドマネージメント(TMM、本社東京、濱田達雄社長)はコンサルタント会社のワンスアラウンド(本社東京、鈴木定芳社長)と共同で、販売員育成のための塾を商業施設の青葉台東急スクエア(横浜市)に開校する。「さすがといわれる販売員」を育成するのが目的で、潜在的な求職人材を掘り起こす。1カ月半の育成期間を経て人材不足に悩む店舗に紹介する。開校は9月2日で、塾長にワンスアラウンドの販売インストラクターの兼重日奈子さんが就く。  ワンスアラウンドはかねてから、販売力をもつ優秀な人材を求めているファッション専門店に対し、そうした店で働きたいがなかなか機会に恵まれないという潜在的な求職者を募って、「販売の現場に役立つ確実な実践教育を行った後、専門店に紹介する」事業を検討していた。  TMMも「やりがいのある仕事の場を提供することで、やる気のある人材を発掘する」とともに、「店舗(テナント)に販売力をもった人材を紹介し、SC従業員の接客力の強化を図り、地域に貢献する」という考えから、今回の共同事業となった。  青葉台東急スクエアの出店者アンケートによると、「販売未経験でも働ける」との回答が85%を占めた。そのほか「パートでも責任ある仕事を任せたい」85%、「子供がいても働ける」82%、「土、日曜の休みが可能」63%、「15時までの勤務可能」26%となっており、子供を持つ主婦に対する求人ニーズも大きくなっている。こうした背景もあり、販売員養成の講座開催につながった。  講座は実践的なカリキュラムを組む。第1期の募集人数は10人。週1日、2時間半の養成講座を6回実施した後、卒業検定がある。受講料は3万円で、検定に合格すれば同施設の人材募集店舗に紹介する。  塾長の兼重さんはキャビンやイトキンで店長やエリア店長を経てトレーナーに就任。1児の母でもあり、徹底的に現場にこだわった指導に定評がある。

2003/08/15
日本図案家協会、意匠デザイナー資格検定を創設 日本のアイデンティティー持つ人材養成をめざす  日本図案家協会(日図、林大史会長)は意匠デザイナー資格検定制度を創設し、一般向け検定試験を11月に実施する。日本固有の意匠文様・文化を習得したデザイナー養成がねらい。「国際化が進む中で、日本独自のアイデンティティーを持つ、デザインのスペシャリストを育てる」ことを目的に、今後の産業にとって必要とされるデザイン能力を認定する。  検定の認定級は1級準会員(高度なデザイン技能、表現力を備えるもの)、2級準会員(デザイン技能についての専門的知識を持ち、特定分野での活用能力を備えるもの)、3級準会員(デザインについての基礎的知識と初歩的な活用能力を備えるもの)と段階付けている。  検定に合格すると、認定書を交付し、入会登録することで日図準会員の資格が与えられ、プロのデザイナーとの交流、情報交換、事業の参加などの機会を得られる。  第1回の「日図意匠デザイナー3級準会員資格検定試験」は11月9日に京都と東京で行われる。受験資格として男女、年齢、国籍、学歴は問わない。

2003/08/14
デザインマネジメント人材育成 来年度から本格化 経済省 繊維も実証から実施へ  経済産業省は、来年度から3カ年計画で工業デザイン分野を対象にデザインマネジメント人材育成支援の事業を本格化する。今年度策定した指針に基づき、カリキュラムを開発し、モデルとなる大学など教育機関を選定して人材育成を支援する。  一方、繊維分野でもファッション産業人材育成機構(IFI)への委託事業として、高度な専門的人材やスーパーコーディネーター育成の教育システムづくりを進めており、来年度はカリキュラムなどを活用した人材育成支援事業を始める。  同省は戦略的デザイン活用研究会を設置し、10年ぶりにデザイン政策を本格的に検討した結果、人材育成が重点施策の一つに挙がった。  6月に閣議決定した「骨太の方針2003」(経済財政運営と構造改革に関する基本方針)でも「530万人雇用創出プログラム」の施策として、デザインマネジメント人材育成が位置付けられている。  今年度は、02年度補正予算で日本デザイン産業振興会に委託し、デザインを戦略的に活用できる人材育成のカリキュラム指針の策定事業を進めている。  また、ユニバーサルデザインの製品化のため、人間工学に関する専門知識を持つ人材育成の仕組みづくりの調査研究事業も、来年度はデザインマネジメント人材育成事業の一分野として取り込み、継続する。  デザインマネジメント人材は工業デザインが対象だが、ユニバーサルデザインではファッション・服飾デザインも含まれる。  繊維分野のファッション産業人材育成事業は、今秋以降、開発した教育システムによる実証が全国4カ所のリソースセンターでスタートする。  来年度は実証の成果も加味し、IFIと同センターによる人材育成の支援を本格化するため、04年度予算要求に盛り込む。

2003/08/01
日本アパ産協人材育成委員会 モデリスト・フォーラム発足会開く  日本アパレル産業協会の人材育成委員会(松田雍晴委員長)は7月30日の夜、都内で「モデリスト・フォーラム」の発足会を開いた。同協会主催のパリ・モデリストセミナーの受講者を中心に12社から約20人のパタンナーが参加し、人材育成に役立つ活動方向について話し合った。  フォーラムの活動プランを提案した黒部裕子さん(サンエー・インターナショナル)は、「以前に比べモデリストの役割は注目されているが、現場のパタンナー側から声を上げる組織はまだない。構成員一人ひとりが主人公になる運営でスキルアップに役立つものにしたい」と語った。  一方、参加者からは「日々の仕事に追われ、技術の向上も後輩指導もあいまいになっている。自分を磨く場として活用したい」「CAD(コンピューターによる設計)作業が増えたのでトワル組みの最初から学ぶ研修は貴重だ」「分社化で他の業務が増え、肝心のパターン作業が夜の仕事になることも。こんな中だからこそ自分自身で気を引き締めてしっかり学びたい」などの声が出された。  今年度は、年内にパリ・モデリストセミナー報告会、04年1~3月に実技講習会を開く予定。

【2003年07月】

2003/07/24
起業実践の講座 IFI  IFI(ファッション産業人材育成機構)は、このほど「起業・事業革新実践ワークショップ」を実施した。同講座は経済産業省から受託された「創業・起業型人材育成システム開発事業」の一環として行われたもの。全国から31人の研修生が集まり米国FIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)サルマン・コーカー氏の指導でブランドを立ち上げ、数年後に利益を取れる企業起こしに取り組んだ。  集まった研修生はタオル、染色、ニットOEM(相手先ブランドによる生産)メーカー、きもの製造業の2代目や靴、バッグ、DCメーカーのマネージャー級まで顔触れは多彩。ワークショップでは(1)団塊ジュニア向けライフスタイル型Tシャツの開発(2)限られた顧客向けに高級婦人服を製造販売(3)竹レーヨンを使ったエコファッションウエア(4)美濃和紙、からみ織、久留米絣を使った日常着の製造販売(5)きものをシンプル、エレガントに洋装化する事業などが話し合われた。IFIでは、今後のカリキュラムや教材、教育手法に応用していく方針。

2003/07/18
産構審繊維産業分科会 新繊維ビジョンを了承 川中対策・人材育成・SCM化 実行へスピード重視  経済産業省は17日、産業構造審議会(経済相の諮問機関)繊維産業分科会(分科会長=前田勝之助東レ代表取締役会長)を開き、新繊維ビジョン「日本繊維産業が進むべき方向ととるべき政策」が了承された。会合では「今までのビジョンと違い、政策が具体的に示された」ことを評価する発言が相次ぎ、「後は業界が実行するのみ」との決意表明も目立った。さらに現状への危機意識の共有を反映し、実行のスピードこそ重要との指摘も多かった。  ビジョンの内容にかかわる議論では、人材育成への言及が多かった。尾原蓉子IFIビジネススクール学長から「ジャパン・ブランドの確立に向けて重要なのが人材育成。時間がかかることだけに、この2、3年は注力すべき。特に経営者や指導者の育成が大事」との指摘があった。  山下雅生ニット工業組合連合会理事長からは「川中自立事業推進こそが人材育成策につながるもので、そのフォローアップが大事」とし、ニット工連として人材育成のため、全国の経営者のニーズ把握に取り組むことを紹介した。  また、岩田仲雄日本毛織物等工業組合連合会理事長は長年の課題である取引改革の問題に触れて、「日本アパレル産業協会が中心になり、川下からSCM(サプライチェーンマネジメント)構築に取り組み、1、2年で川上まで一気呵成(かせい)に取引改革を推進しようとしている。この時に、川中自立化や人材育成を盛り込んだ新繊維ビジョンができる意義は大きい」と発言した。  馬場彰SCM推進協議会会長は「この機会に全体最適を目指し、川上から川下に至るSCMを構築したい」と応えた。そのために開いた川上・川中のトップミーティングでは多様な問題が出されたことを紹介し、「それらが見事にビジョンに分かりやすく盛り込まれている」と評価した。  SCMについては、小柴和正日本百貨店協会会長が「輸出産業として再生させるために、我々にできることの一つがSCMの構築。そのため、各業界とコラボレーションの取り組み進めており、その中心がアパ産との取り組み。これを徹底し、3年くらいで実効が上がるシステムを構築したい」と発言した。  会合の締めくくりに、北村俊昭製造産業局長は「ビジョン自体や論議を通じ、業界の強いコミットメントを感じた。行政ができることは限られるが、スピードをもって実行していきたい」とあいさつした。

2003/07/18
〈短信〉 尾州産地人材資質向上セミナー  03年度尾州産地人材資質向上セミナーの第1回、第2回講座が決まった。第1回講座は今月29日、一宮地場産業ファッションデザインセンターで開催する。テーマは「中国のファッションビジネスを語る」で、講師はファッションデザイナーの畠山巧氏。第2回講座は8月5日、同所で開催。テーマは「紡績メーカーからファッションクリエーター企業へ」で、講師は近藤健一大正紡績取締役営業部長。問い合わせは電話058・391・8511、尾州テキスタイルデザイナー協会まで。

2003/07/17
第10回繊維ファッション産学交流・東京会議 “産学でめざす良質回帰のFB” 顧客発想や人材育成重視  繊維ファッション産学協議会は15日、東京で第10回繊維ファッション産学交流・東京会議を開いた。「産学でめざす良質回帰のファッションビジネス(FB)」をテーマに、産業界から約90人、教育界から140人(専門学校80人・大学60人)が参加した。
 第1部の総会では、日本アパレル産業協会の理事長交代に伴う中瀬雅通氏の理事長就任と今年度事業計画を紹介した。  中瀬新理事長は「“人”はFBの一番大事な要素。その育成の課題は産業の国際化の上で避けられない。自分の仕事として取り組んでいく」とあいさつした。また今年度の事業計画の重点として、販売ロールプレイイング授業の学校への導入プロセスの研究、トータルファッション協会の「販売ロールプレイイング検定試験」活動の支援に取り組むことなどが確認された。
 「良質回帰時代への対応」を主題に基調講演した井関利明千葉商科大学政策情報学部長は、デルコンピューターの手法と比較しながら「なぜFBにマス・カスタマイゼーションが出てこないのか。不特定多数を相手にするビジネスは価格競争に陥らざるをえない」と従来発想の転換を強調、顧客の生活課題に立脚し、自社の価値を高める要素を持つ異業種企業と連携した新ビジネスモデルを提示した。
 第2部は「FBの新しい求人・就職」「次世代FBのパラダイム」「良質回帰のFBと求められる人材像」の3テーマで分科会を行った。

2003/07/15
中学生にファッションの授業 コーディネート学ぶ IFIビジネス・スクール学生が企画  中学校の授業でファッションを学ぶ――。東京・墨田区の区立鐘淵中学校で、人気のジュニア服を選び、着ることを通してファッションの楽しさを学ぶ家庭科の授業が14日、開かれた。  IFI(ファッション産業人材育成機構)ビジネス・スクールの学生7人が企画し、2年生の3クラスが対象。授業は15日も行われる。  授業は各クラス(1クラス26~27人)で3~4人の班を作り、各グループでモデル、スタイリスト役を設定。生徒は実際に服を選び、着て、コーディネートし、最後に、そのコーディネートの理由、スタイリングのポイント、着てみた感想などを発表した。  同プロジェクトにはナルミヤインターナショナルが協力し、女児向け「エンジェルブルー」、男児向け「ブルークロス」の2ブランドの今秋冬サンプル、100着を提供した。  IFIビジネス・スクールの学生は、実社会に積極的に足を運び、リサーチするフィールド・ワークの一つとして企画、実施した。  同中学校では「ファッションへの興味の有無、その服を買える、買えないにかかわらず、皆がファッションの楽しさを感じることができた」と話している。

2003/07/12
IFI 秋から研修・実証 ファッション人材育成事業 今月調査を終了  経済産業省ファッション産業人材育成機構(IFI)に委託したファッション産業人材育成事業は、今月中に成功事例や海外の人材育成機関の実態調査を終え、教材・カリキュラム開発に入る。秋から全国四つのリソースセンターで研修を実施し、開発した育成システムを実証する。  同事業は02年度補正予算の柱の一つの「創業・起業型人材育成システム開発事業」の一環で、ファッションビジネス全般に精通した高度な専門人材(マーチャンダイザー、デザイナー、パタンナー)と、中小企業のネットワークを促進するスーパーコーディネーターを育成する教材、カリキュラム、教育システムを開発・実証する。事業費は1億3000万円。  IFIに設置された研究委員会が選定した国内成功事例17社への面談調査を4~6月に実施し、今月末をめどに結果をまとめる予定である。  また米、仏、伊のファッション人材育成機関(15校程度)の教育プログラム調査も実施しており、これも月内に報告をまとめる。この一環としてIFIは、米国ニューヨーク州立ファッション工科大学で実施している起業/事業革新の講義とワークショップを今月実施する。  経済産業省繊維課は、同事業で開発されるシステムを使った全国のリソースセンターやIFIでの本格研修による人材育成事業を04年度以降実施する考えで、04年度予算要求に盛り込む方向だ。

2003/07/01
大阪文化服装学院とマロニエファッションデザイン専門学校 共同で教育システム作り 文科省の先進教研開発事業に認可  大阪文化服装学院マロニエファッションデザイン専門学校は共同で、次世代のファッションビジネスを担う人材育成のための新しい教育システム作りを進める。文部科学省の「専修学校先進的教育研究開発事業」の認可を受け、今月から取り組む。  「セレクト編集型SPAファッション教育システム」の研究開発事業と題し、「消費者と販売店を発想の原点とする新しいファッション教育方法を研究開発」する。  専門学校の教育は一般に、店長、マーチャンダイザーの育成をめざすビジネス系コースとデザイナー、パタンナーといったクリエーター育成コースに分かれている。両校はこれらを融合し「総合的な知識を前提にした専門職」を育成する教育システムの研究を進めていく。  大阪文化服装学院は、3年前からパルグループ(大阪)と共同で実践教育店舗を運営している。マロニエファッションデザイン専門学校も今春、ショップ企画の開発事例を発表する展示会を開催した。これらの実績を土台にして、新教育システムの構築を目指す。

2003/07/02
【人財・ほっとらいん】 海外から研修生募集  ジェトロ(日本貿易振興会)は、2004年度にインターン生受け入れを希望する企業のウェブ上への登録を4日から始めた。ジェトロは、日本企業がそのニーズに応じて優秀な外国人人材を確保・活用していく環境を整備していくため、海外の優秀な学生をインターン生として受け入れ希望企業に紹介する国際インターンシッププログラムを95年から実施しており、これまでに延べ434人を94社に紹介してきた。  ウェブ上のデータベースに登録するだけという簡便な方法で、米国、英国、カナダの約30大学から推薦される理工系を中心とする外国人学生を探すことができる。今回のインターン生受け入れ開始は来年5月以降。期間は3カ月から最長1年  インターン生の受け入れ申し込みは8月末に締め切り、9月にインターン生を募集、10月に応募者受け入れ可否の検討を行って11月に企業へ受け入れ可否の連絡をする。  国際インターンシップのホームページは www.jetro.go.jp/it/j/internship/index.html

【2003年06月】

2003/06/26
【ファッションスクール】 来春卒業予定者の就職意識(本社調べ) サンエー・インターが人気・注目度トップ  全国の有力ファッションスクールを対象にした「就職意識アンケート調査」の結果がまとまった。「就職を希望する企業」「注目している企業」ともにサンエー・インターナショナルがトップとなった。「好きなデザイナー」「注目しているブランド」は、いずれも津森千里(「ツモリチサト」)が1位。企業、ブランドともに、“MD型”より“クリエーター系”の人気が高まっている。調査は全国48校、1373人から回答を得た。回答者の男女別の内訳は男19%、女81%。学科別では、クリエーター系の学生が76%、ビジネス系が24%。地区別では、関東(北海道、東北)地区664人、関西385人、中部173人、九州151人。
希望職種 デザイナー志望根強く 情報源 就職指導よりもネット
 「卒業後の進路」については、前年と同様の傾向で、「就職希望」が9割以上を占めた。「独立希望」は前年度調査に比べて、わずか1ポイントだが上昇している。「活躍したい業種」「会社を選ぶとき重視すること」についても、前年と傾向は変わらない。  「希望する職種」は、スタイリストがバイヤーの人気を上回ったのが特徴。クリエーター系学生が多いこともあり、デザイナー、パタンナーの人気は根強い。  「就職する会社を選ぶときに参考にする情報源」は、前回まで「学校の就職指導」がトップを維持していたが、今回初めて「インターネット」が上回った。
就職希望の企業 注目企業 クリエーター系復活
 「就職を希望する企業」はサンエー・インターナショナルが2年連続でトップとなった。「ツモリチサト」を擁するエイネットが2位に浮上した。また、人気のジュニアブランドを持つナルミヤインターナショナルのほか、アバハウス、トゥモローランド、ビギグループが圏外からベストテン入りした。ここ数年、ベストテン入りしていた専門店が圏外に落ち、“クリエーター系”企業が復活している。  また、「注目している企業」についてもサンエー・インターナショナルが1位となった。エイネットやナルミヤインターナショナル、三陽商会、ユナイテッドアローズ、ビギグループ、ジュングループがベストテン入りし、上位企業の顔ぶれは大幅に入れ変わった。一方、前年度ベストテンに入っていたワールド(11位)、ファーストリテイリング(21位)、ビームス(15位)、ベイクルーズ(12位)、パルグループ(17位)などが落ちた。
好きなデザイナー 注目ブランド 津森千里がともに1位
 「好きなデザイナー」は、前年はランク外に落ちた津森千里が断トツの1位で返り咲いた。「フラボア」のデザイナー、宇津木えりと、「シャネル」のデザイナーでもあるカール・ラガーフェルドがベストテン入りした。この他の顔ぶれはほぼ前年と同様だ。  「注目ブランド」でも「ツモリチサト」が1位に、「フラボア」が2位に急浮上した。また、山本里美の「リミ・フゥ」など、国内のデザイナーが健闘している。

アンケート協力校
 文化服装学院/松本衣デザイン専門学校/桑沢デザイン研究所/横浜ファッションデザイン専門学校/東京田中千代服飾専門学校/東京モード学園/北海道文化服装専門学校/東京家政大学/二葉ファッションアカデミー/杉野服飾大学/武蔵野服飾美術専門学校/宮城文化服装専門学校/エスモード・ジャポン東京校/織田デザイン専門学校/ファッションカレッジ桜丘/杉野学園ドレスメーカー学院/文化女子大学/バンタンデザイン研究所/デザインテクノロジー専門学校/愛知文化服装専門学校/常磐女学院/名古屋ファッション専門学校/福井文化服装学院/中部ファッション専門学校/名古屋服飾専門学校/明美文化服装専門学校/名古屋モード学園/静岡デザイン専門学校/慈恵きものファッションカレッジ/ヒューマン・アカデミー/大阪文化服装学院/大阪服飾造形専門学校/神戸服装専門学校/神戸ファッション専門学校/バンタンキャリアスクール大阪校/中国デザイン専門学校/上田安子服飾専門学校/ファッションビジネス・アカデミー福山/マロニエファッションデザイン専門学校/エスモード・ジャポン大阪校/広島アートファッションアカデミー/大阪モード学園/東洋ファッションデザイン専門学校/香蘭女子短期大学/九州ファッション専門学校/香蘭ファッションデザイン専門学校/ヒロ・デザイン専門学校/西南女学院短期大学/九州デザイナー学院/熊本デザイン専門学校/ヒューマン・アカデミー福岡校(順不同)

2003/06/26
【ファッションスクール】 産業の将来に危機感、即戦力育成へ ファッション系教育機関 業界人教員の増加で進む風土改革  ファッション系教育機関の即戦力人材育成の取り組みが急ピッチで具体化している。日本のファッション産業の現状への危機感から、産業界、教育界双方の交流がここ数年進んだためだ。世界に通用するクリエーター輩出を使命とする新しい学校の登場や、企業の商品企画部門と協業型のインターンシップ(就業実習)の本格化はその表れだ。実学教育の進展を中心に各校の動向をまとめた。
実学教育力向上
 即戦力育成の取り組みで第一に注目したいのは、業界人を大胆に教員に迎え、教職員の意識改革、教育そのもののレベルアップ、風土刷新を図る学校が増えていること。従来は優秀な学生がそのまま教員となり、産業界での実践経験をほとんど持たずに長年、教壇に立つケースが多かったが、これではカリキュラムの改革を進めても産業界の日々の変化を敏感にキャッチできない。この考えによる施策で既に少なくない学校で元業界人が教員の核となり、活気ある教師集団作りに成功している。  「若手の卒業生業界人に教壇に立ってもらう」(武蔵野服飾美術学校)、「教職員の質の向上、教育技術のレベルアップ」(織田デザイン専門学校)、「克服すべき課題は技術ある先生方の高齢化」(中部ファッション専門学校)、「教職員の意識改革」(常磐女学院)、「業界人の特別講師による授業展開」(東洋ファッションデザイン専門学校)などの動きがあり、こうした傾向は今後一層進むと見られる。伊セコリ方式のパターンセミナーの積極導入(杉野学園、上田安子服飾専門学校)や、商品企画から販売まで、業界経験豊かな特別講師が個別指導する織田デザイン専門学校の校内バーチャルカンパニーなどもこの一環といえる。  第二は、インターンシップの拡大。従来の企業研修の名称変更にとどまらず、若い感性を求める企業との協業型になってきている。  名古屋モード学園は今年から、従来3週間のインターンシップを最長3カ月間に広げた(3~5月)。3、4年生全員の参加で派遣先は約150社に及ぶ。東京モード学園では今秋からデザイナー科の4年生300人を対象に大手SPA(製造小売業)企業の商品企画に参画させる形でスタートする。  一方、文化女子大学は今年度からインターンシップを単位化し、3年生100人が3週間、パタンナー、デザイナー、企画、プレス、販売の就業体験をすることになった。  このほか、パルグループと共同でショップ運営にあたる大阪文化服装学院、業界人講師の所属企業・団体の事業に参加させるマロニエファッションデザイン専門学校などのような協業型への発展が目を引く。
優秀な学生にスポット当て
 第三は、優秀な学生だけを集め、世界に通用する人材の輩出を目指すエリート校・コースの新設だ。文化服装学院の“大学院”=文化ファッションビジネススクール、アタッシェ・ドゥ・プレス育成専門のミエ・エファップ・ジャポンに加え、国際的なファッションリーダーの育成をめざし、今年度開設した杉野服飾大学のファッションビジネス・マネジメントコース(鈴木明教授が担当)、プロデザイナー教員を中心に会社を設立し、選抜の優秀学生を支援する杉野服飾大学、学年ごとの教育目標を見直した新プログラムで3年次の物作り教育を強化するエスモード・ジャポン、卒業生対象のグラジュエイトコースを開設したマロニエファッションデザイン専門学校、3年間一貫教育のファッションマスター科を新設した名古屋ファッション専門学校などがある。  このほか多くの学校が「少数精鋭教育を徹底、プロフェッショナル技術教育に注力する」(大阪服飾造形専門学校、名古屋服飾専門学校)としている。  第四に、見過ごせないのは、ファッショングッズ、キッズやニットといった業界の各分野に対応する新コースの相次ぐ開設と国内繊維産地との連携である。  「今年からメンズ、キッズコースを新設」(上田安子服飾専門学校)、「アクセサリーデザイン専攻を開講」(ヒューマン・アカデミー)、「服飾造形科にファッションジュエリーコースとアパレルニットコースを開設」(杉野学園ドレスメーカー学院)、「来年度2年制のファッション編集コース開設」(東洋ファッションデザイン専門学校)など。  産地との連携では、杉野服飾大学の産学協同プロジェクト、「地元の靴産業の人材育成を目指しシューズコース開設」(神戸ファッション専門学校)、「泉州企業グループと協業で企画ワークショップ展開」(マロニエファッションデザイン専門学校)、「テキスタイル専攻科新設」(福井文化服装学院)がある。
専門教育強化する大学・短大
 大学・短大は、「服装社会学コースのカリキュラムを改訂し、ファッションビジネス教育を強化」(文化女子大学)、「造形表現学科を新設し、デザイン教育分野を拡充」(東京家政大学)、「カリキュラムの刷新」(香蘭女子短期大学)、「ファッション商品論演習でインターンシップ導入。仕入れから販売まで体験させる」(西南女学院短期大学)など、実学教育をベースとする専門職育成志向を強めている。  別格は、4年制大学で唯一“服飾”を校名に掲げる杉野服飾大学。04年度からの入学定員大幅増を前に「男子が服飾を学べる大学は本学だけ」をキャッチフレーズに男子限定のDM作戦なども実施、高校生から現役大学生まで幅広い広報活動を展開する。より服飾に特化、企業との協業を重視しながら、04年度から共学のメリットを生かすカリキュラムの再構築に着手する。  ファッション系教育機関は、従来の人材ニーズを聞き、これに応える受け身の姿勢から、日本ファッションの再生の課題に産業界とともに積極的に取り組む姿勢に転換しつつある。「心を豊かにするファッションは21世紀の重要産業。四季の自然に恵まれ独自の文化を育んだ日本にこそふさわしい。衰退させないため、教育界も力を果たす」(大沼淳文化学園理事長)。

2003/06/24
帝人、FA制導入へ 合繊各社 人事労務制度を見直し 持ち株会社など企業形態変化で 旭化成はリーダー育成  帝人は来年度から、フリーエージェント(FA)制度の導入を検討している。今年度から移行した持ち株会社制に伴う、グループの教育など人事労務制度全般に及ぶ見直しの一環。同様に旭化成でも、ビジネスリーダー育成に向けて新しい取り組みを開始した。  国内合繊メーカーは持ち株会社制、社内カンパニー制、テキスタイル事業の分社、関係会社への商権移管など、これまでになくグループ企業の関係が多様になってきた。これに伴いグループ間の人材交流の困難化など新しい課題発生が予想され、それを補う新制度への修正が急がれている。  帝人は今年度から新規採用をグループから企業単位に変更した。採用した大卒130人には、グループ意識を植え付ける目的で入社式や初期教育は共通としたが、基本的には配属企業ごとの条件、教育方針に任せることにした。  従来からある教育制度の再検討も始めた。これまでのSDP(スペシャリティー・ディベロップメント・プログラム=フィールド別の教育プログラム)は実情に合わせ再構築する。ストレッチ制度と呼ばれる企業をまたがったグループ経営を担える人材発掘、教育を強化する考えだ。  予想されるグループ企業間の壁という弊害をなくすため、従来からある自己申告制、社内公募制、5年を最長限度としたローテーションに加えて、FA制度を採り入れる方向で検討が進んでいる。  旭化成は今年10月に主要事業を独立会社とするが、これに伴い新人事労務制度への検討が進んでいる。現在、明らかにされているのは企業の枠を超えた次世代幹部を育成するビジネスリーダー制の導入。課長級の150人を集中教育する。  一方、賃金では各社とも業績による成果報酬が普通になってきた。  帝人は数年まえから管理職クラス対象に実施してきたが、今年から事業ごとに分社されたため、一般社員もその対象になる。同社は繊維が母体ながら医薬、IT(情報技術)関連、商社など業種が多様化しており、処遇制度を会社別に変更することも検討する。  合繊の大手企業は関係企業が150~200社あり、社員数も2万数千~3万数千人にのぼる。その形態も多様になっており、教育、若手抜擢(ばってき)、女性登用、ベテラン活用など新しい経営形態に合わせた人事労務制度の構築が課題となっている。

2003/06/12
中小支援、人材強化を 戦略的デザイン活用研究会提言 産業競争力向上へ 経済省  経済産業省は10日、産業競争力の強化に必要なデザイン創造と活用についてまとめた戦略的デザイン活用研究会(座長=青木幸弘学習院大学教授)の報告書「競争力強化に向けた40の提言」を発表した。デザイン全般の本格的な検討は同省として10年ぶり。  同省は、提言を来年度予算編成に反映させるが、今年度中でも可能なものから順次実行に移す。同研究会は活動を終えるが、産業構造審議会(経済相の諮問機関)に戦略的デザイン小委員会(仮称)を設置する方向だ。  提言は課題ごとに、ブランド確立のためのデザインの戦略的活用支援、デザインの企画・開発支援、デザイン情報のインフラ確立・整備、意匠権などの権利保護の強化、実践的人材育成、国民意識の高揚の6分野から成っている。とくに、人材も情報も少ない中小企業支援を重視し、中小企業のデザインの初期投資への費用補助やデザイナーの派遣支援などを提言している。  人材育成も重点の一つで、デザインマネジメントや人間工学を応用したデザインを実践できる人材育成支援は、すでに02年度補正予算で、調査・カリキュラムづくり事業が動き出しており、その継続事業を04年度予算要求に盛り込む方向だ。  意匠権の強化では、特許庁に審議会を設置し、提言をベースに意匠法改正に向けた検討を行う。  同研究会は業種別の現状・課題・対応策も検討し、繊維では、欧州に比べて世界的ブランドの確立が不十分であり、企業がデザインを戦略的に活用しておらず、川中の中小製造業の自立化にはデザイン力が不足していると指摘している。  その対策として、中小企業のデザイン初期投資やデザイナー派遣、販売促進への支援を求めている。製造業と若手デザイナーをマッチングする方策を検討するとともに、生産・流通全般に精通した人材育成の強化、デザイナー情報や人間特性データなどのデータベース整備などが重要としている。

2003/06/12
ピンクラビッツ塾、3期目開講  日本ボディファッション協会(NBF、塚本能交会長)の人材育成機関「ピンクラビッツ塾」は11日、東京で第3期目の開講式を開いた。  今回のテーマは「プレゼンテーション力の向上」。インナーやアウター業界のスペシャリストを講師に、来年5月の修了式まで15講座を開く。  開講式で塚本会長は「ここで学んだことを各社に持ち帰り、いい意味でのリーダーとなって役立ててほしい」と激励した。今回は13社から31人が参加する。

2003/06/07
将来性より「自己実現」 新入社員意識 十六銀行調査  十六銀行がまとめた新入社員の意識調査によると、就職先の選択に「会社の将来性」を重視する傾向は低下し、「自分の個性や能力が生かせるかどうか」を基準にする若者が増えている。また、会社は「自己実現の場」という考えが定着、一方では「社会貢献の場」とする考え方もここ数年増加している。同行主催の新入社員セミナーで539人から回答を得た。  就職先を選択する際に最も重視するのは「仕事の内容に興味があり、自分の能力を生かせる」が男性55・4%(前年比3・8ポイント増)、女性48・2%(3・0ポイント増)でトップ。「会社の将来性」は男性10・0%、女性5・7%でいずれも前年比5ポイント前後減った。  昇進や地位については「地位にはこだわらない」が男性27・5%、女性54・2%、「スペシャリスト」が男性27・9%、女性26・4%、「経営者、役員」が男性24・6%、女性1・0%となり、男性は3極化傾向が鮮明になっている。昇給については「年功主義」の支持が男女合計で27・6%、「成果主義」の支持が30・8%。若い世代では成果主義に理解を示す傾向が強いと言われているが、今回の調査では両者がほぼ均衡した。  あなたにとって会社はという質問に対し、「自己実現の場」(38・8%)、「収入を得る場」(31・4%)、「社会貢献の場」(19・3%)の順となった。会社は自己の成長や収入といった自分のプラスになることを実践する場という考えに加え、地域社会に企業が果たすべき役割と責務を認識して社会にとってプラスになることを実践する場であるという考え方も増えているようだ、と分析している。

2003/06/04
 JMAプロフェッショナルコース開催  日本能率協会(JMA)は7月23日から6カ月間、「03JMAプロフェッショナルコース」を開講する。各分野で高付加価値と競争優位をもたらすことのできる優秀な若手人材を育成するのが狙い。開講するのは事業戦略・企画プロフェッショナルコース、マーケティング・プロフェッショナルコース、開発・技術・もの創(づく)りプロフェッショナルコースの三つ。講師陣は日本を代表する学者や専門家で構成する。場所はJMA研修室(東京都港区)または東京近郊の研修会場。各企業の部門別若手戦略スタッフや候補者を受講対象に30人前後の参加を募る。受講料は1人につきJMA法人会員は95万円、会員外は100万円。マーケティングコースのみ73万円と78万円。問い合わせは、電話03・3434・8538。

2003/06/05
マーケッター養成へ 若手経営者対象に講座 FDC  一宮地場産業ファッションデザインセンター(FDC)は今月から来年2月まで月1回(土曜日を中心に1~2日)、同所で「創造的テキスタイルマーケター養成講座」を開催する。  「繊維産地の活性化には人材が不可欠であり、とりわけマーケットに対応する人材の養成が必要」(FDC)というのが理由。カリキュラムや教材、教育方法については、財団法人ファッション産業人材育成機構(IFI)ビジネス・スクールと提携。講師との双方向の講義、リアル・ケースによるマーケティング戦略プランの立案など、実践に即した内容が特徴。  対象はテキスタイル産業に従事する30~40歳代の若手経営者、将来の経営・営業幹部候補。定員は20人で、受講料は10万円(資料代含む)。  問い合わせは電話0586・46・1361のFDCまで。

【2003年05月】

2003/05/27
IFI ファッションビジネス起業ワークショップ 米FIT講座参考に実験  ファッション産業人材育成機構(IFI)は7月16~18日、川中中心の製造業で起業や新規事業を立ち上げようとしている人を対象に、ワークショップを開く。  経済産業省が推進している繊維川中中小業者の自立支援「創業・起業促進型人材育成システム開発事業」の一環で、米国から講師を招き、同事業の調査、研究の委託を受けるIFIはカリキュラム構築にも結び付ける狙い。  今回のワークショップは、米・ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)で実施している「ファッション・ビジネス起業」講座を参考にした実験プログラム。講師はサルマン・コーカー氏。ニーマン・マーカスMDマネジャーやダナ・キャラン・インターナショナル副社長を歴任し、現在はFITで教えている他、米国で製造業、デザイナーの起業コンサルティングに従事している。  ワークショップの内容は、起業・新規事業開発の基本をはじめ、自社の新製品・新事業の個別ビジネスプランの作成、新製品・新事業立ち上げの手順、留意点、問題点の検討など、参加者の創意工夫で質を向上させる実践的な課題まで網羅する。定員30人、受講料は無料。事前リポート提出など書類選考後、受講者を決定する。問い合わせはIFI、電話03・5610・5700。

2003/05/22
 アパレル企画力アップ特別実践講座  倉敷ファッションセンターは7月から、アパレル企業や地元のファッションクリエーターで起業をめざす人を対象に「アパレル企画力アップ特別実践講座」を開催する。企画製造各段階の技能や知識を総合的に理解させるとともに、小売り直販のための専門店的知識を有する人材も養成する。対象となるのはアパレル企業でデザイン企画、パターンメーキングなどの実務に従事する人、大学や服飾専門学校で専門知識を習得した人など。期間は7~10月の金曜日または土曜日で、合計18日間。デザイナーの畠山巧氏のほかアパレルの実務経験豊富な講師陣を揃える。受講料は無料。問い合わせは、電話086・474・6800。

2003/05/20
岐阜ファッション産業 オリベ事業を推進 ブランド開発、人材育成で  岐阜県と芸能プロダクションのホリプロが岐阜ファッション産業の振興を目的に共同で進めているORIBE(オリベ)コンソーシアム・プロジェクトが相次いで具体化されいる。「21世紀のファッションをリードし、世界に通用する」レベルの人材育成や独自ブランドの開発が最大の目標だ。JR岐阜駅内の施設、アクティブGを使ったオリベの拠点は6月21日に出揃う。  オリベの事業としては、これまで一般公募の“モードル”(モデルとアイドル)オーディションや県民対象のおしゃれスクールを実施、岐阜の食材を使ったカフェもオープンした。  4月には人材育成をめざした八つのスクールを開設した。タレントやプロのスタイリスト、パタンナーを養成するスクールのほか、ネイルアーティスト養成のベルフォートプロフェッショナルアカデミー、ヘアーデザイナーの専修学校ベルフォートアカデミーオブビューティなどを設置している。  4月末にはクリエーターやアパレルメーカーが独自に開発するブランドを展示するオリベプラザを開いた。  6月末以降、シーズンごとの作品展示やフロアショーを計画する。服以外の県産品の陶器やガラス製品、刃物などを販売するギャラリー&ショップ(売り場面積約230平方メートル)もオープンする。  24日には第10回国際ファッションデザインコンテストの最終審査発表会を開催する。先に選んだモードルをデビューさせるほか、優秀作品とデザイナーをアパレルと提携させる予定もある。事業は3カ年の計画。  最終年度の05年度には百貨店や専門店に向けた商品の開発、欧米や中国での販売を軌道に乗せる考えだ。

2003/05/19
 新規採用者セミナー  一宮地場産業ファッションデザインセンター(FDC)は愛知県尾張繊維技術センターとの共催で、28、29日、同所で「平成15年度新規採用者セミナー」を開く。テーマは素材と糸、織物の知識、ニットの知識、染色の知識、仕上げと加工、縫製の知識の六つ。講師は愛知県尾張繊維技術センター職員。受講料は3千円。申し込みは23日までに電話0586・46・1361のFDCまで。

2003/05/19
人材派遣の新会社 リサーチセンター  市場調査及びコンサルタント業務のリサーチセンター(本社愛知県一宮市)はこのほど、人材派遣と職業紹介事業を行う新会社プロスタッフ(本社同)を設立した。  人材派遣事業は、データ入力やファイリング、受付、営業事務、経理事務、CAD(コンピューターによる設計)、販促、生産管理などの分野で、必要な人材を派遣。  また職業紹介事業は、フットワークやマネジメント能力、営業力、企画力などを選択基準に人材をデータベース化し、必要な人材を紹介する。職種はパターンナー、オペレーター、デザイナー、データ入力、提案営業、経理、生産管理、マーチャンダイザーなど。  加えて尾州産地という特徴も踏まえ、糸染めや染色整理の分野のOB技術者のデータベース化も進め、技術の継承や閑散期の偏差対策などへの対応も図る。電話は0586・75・5776。

2003/05/16
産構審繊維産業分科会基本政策小委 構造改革へ議論進む  産業構造審議会(経済相の諮問機関)は15日、繊維産業分科会基本政策小委員会(委員長=伊丹敬之一橋大学商学部教授)の第2回会合を開き、川上(糸)から川下(アパレル)までの各段階が、リスクを負わず最終製品の情報を共有できない産業構造に焦点を当て論議した。次回会合は6月5日で、具体的な施策などについて議論し、報告書をまとめる予定である。  15日の会合では、現在の日本繊維産業の競争力維持・強化の軸になる川中(織・染・編・縫)の「自立化・川下化」を中心に議論した結果、「基本は最終製品を考えたモノづくり」ではほぼ一致。しかし、その方法は、産地・企業の特性を生かした手法があることも指摘された。  一方、「この業界はばらばら。自動車業界に学べ」との発言もあった。リスクを回避してきたことが、その背景にある。この状況に風穴を開ける川中の「川下化」には、産地での人材供給・育成が欠かせないとの意見も目立った。

2003/05/16
赤坂に「サポートセンター」 ジェトロ  ジェトロ(日本貿易振興会)は26日、「対日投資・ビジネスサポートセンター」を都内港区の赤坂ツインタワー本館2階に開設する。日本の投資環境・手続きにかかわる一元的情報の提供、具体的な対日投資案件の支援、既進出外資系企業及び地方自治体への投資活動支援などが狙い。司法書士、行政書士、社会保険労務士を含む36人の専任スタッフが、関係官庁が持つ投資関連情報の提供、立地候補地のあっせん、地方自治体の外国企業誘致人材育成のための研修などを行う。

2003/05/17
ビジネスフェア拡充 SC協 今年度活動方針 東西2大学で冠講座も  日本ショッピングセンター協会(岩崎雄一会長)は、都内で開いた設立30周年記念総会において、来年2月の全国大会で、SCとテナントを結ぶ「SCビジネスフェア」の規模を拡大して開催することや、大学と連動した人材育成、クリーンキャンペーンなどの活動を行うことを決めた。また、専務理事に大甕聡事務局長を選任した。  ビジネスフェアは次期の全国大会で3回目となる。02年に60社120ブース、03年120社200ブースと拡大しており、次回は500ブースの参加をめざしている。ICSC(国際ショッピングセンター協会)の協力も取り付けており、「SCの企画開発やテナントリーシングなどハードからソフトに関するビジネスチャンスを提供できるように力を入れたい」(岩崎会長)としている。  人材育成や研修では7月、10月、11月と大々的なセミナーを開催するとともに、協会事務所内を使ったセミナーなどにも積極的に取り組む。11月には欧州セミナーを予定している。  大学との連動では、社会貢献と流通関係の次世代人材育成を目的に、桜美林大学や摂南大学で「SC協会」の冠を付けた講座を設ける。内容は、SCの計画から開発、運営までの過程などを具体例を挙げて説明する。SC経営士を中心に講師も派遣。講座開催期間は半年間で、13回を予定している。両大学とも9月から開講する。  協会加盟は983社で、年度内に1千社に増やす考えだ。

2003/05/14
戦略的デザイン活用研究会 各業種別に対応策 次回に報告書まとめ  企業のデザイン戦略とこれを支援する政策を検討するため、経済産業省が設置した「戦略的デザイン活用研究会」(座長=青木幸弘学習院大学教授)は9日、第5回会合を開き、各業界の委員から業種別の報告を受けた。  これらの論議と、事務局から示された論点に沿って、今月末開く次回会合で報告書に盛り込む事項について論議し、6月中に報告書を取りまとめる。  業種別の報告では繊維関係から、人体の計測データを系統的にデザインに活用しているワコールは「データ集積が目的ではなく、計測することによって、デザインに行かせる新たな発見がある」と、科学的なデータ計測とデザイン創造の関係について報告があった。  またデザイン力は重要だが、一般の人材育成にはデザイン力を養うカリキュラムがなく、さらにデザイン全体の中では被服デザインの地位が低い、などの指摘もあった。  また他の委員からは、「自動車では一部を除き欧州との差が大きい。ドイツの車は、その街並みにも合ったデザインになっている」と、製品の外観デザインにとどまらず、人間にとって価値あるデザイン、文化の表現という点で日本は遅れているとの指摘もあった。さらに、業種別の議論は社内デザイナー中心だったが、世界では社外の優れたデザイナーグループを活用するケースが多いとの指摘があった。  政府に期待することととしては、産学連携の支援や模倣品対策の強化、中小企業対策として成功事例の蓄積などが上げられた。  次回はこれまでの論議を踏まえ、優れたデザインの創造活用マニュアルの作成や企業とデザイン教育機関の連携支援、中小企業のデザイン活用支援、データベース整備、意匠権の強化など、競争力強化に向けた政府のデザイン政策への提言をまとめる。

2003/05/07
【人財・ほっとらいん】 転職の際は給与を重視  産業能率大学の「仕事とキャリアアップに関する意識調査」によると、転職の際、重視する要素は「給与」という答えが76.5%だった。調査は昨年10~11月、社会人を対象にホームページで行った。回答者は4100人(男性68.7%、女性31.3%)で複数回答。続いて、「勤務地」(53.0%)、「担当職務」(42.8%)。全体に自分の生活に直接響くものが上位で、「企業規模」(6.8%)や「企業の知名度やブランド力」(3.8%)といった新卒の就職人気企業ランキングではポイントになりそうな項目が、いずれも1割以下と、“名よりも実”を如実に表している。男女別では、女性の方がやや勤務地にこだわりを持っているほかは余り大きな差はない。年代別では、50歳以上を除き、トップ3の項目のいずれも年齢が上がるほど比率が高くなる。50歳以上は、他の年代に比べて給与の比率が低く、代わりに担当職務が高くなっている。

2003/05/07
【人財】 中小企業庁の「修行支援事業」 商店街活性化へ個店を元気に 2代目、起業者を支援  「商店街が活性化するには、まず個別の店が元気にならなくては」という発想のもと、 中小企業庁がこのほど、2代目や新規創業者に“修行”の場を提供しようと「修行支援事業」を開始した。3月26日にはマーケットニーズのリサーチも兼ねて、東京で「実践! 大繁盛シンポジウム03」を開催、同時に「修行者受け入れ企業・繁盛店リスト」の第1次分として78社・店を公表した。4月以降は同庁のホームページにも掲載している。官公庁の支援策といえば、ともすれば補助金やセミナーなどに片寄りがちであっただけに、「よくぞ、ここまで踏み込んで」と注目されている。注目は、小売り関係者だけでなく、各地の商工関連団体や地方公共団体などにも広がっている。
修行にこだわり
 中小企業庁は、今回の支援事業では、単にスキルを覚えるだけでなく、客のために学ぶ気持ちや自分の意思で自ら学び取っていくという高い意欲を持つことが重要との認識から、「修業」ではなく、あえて「修行」の表現にこだわた。  3月26日のシンポジウムを前に、同庁経営支援部商業課には100本以上の問い合わせ電話が掛かってきたという。その7割が商店の後継者、いわゆる2代目、3代目で、それも圧倒的に首都圏以外からの問い合わせだ。  首都圏以外の各地では、この種の企画に接するチャンスが少ない、繁盛店や成功店が少ない、人脈の幅が狭い――など不利な条件が重なり、関心が高くなったとみられる。  ただ、現実のシンポジウム参加者数は、団体関係者、公務員、会社員、学生の順。小売業はやっと5番目、そしてサービス業、飲食業と続く。会場が東京だったこともあり、「なかなか店を離れられない」事情が透けて見える。  シンポジウム会場でのアンケート回答者は、参加250人のうち113人。公務員、団体関係者の関心が高く、一般参加者からは49人、男性が約8割だ。
強い実学への関心
 一般参加者は20~30代が約6割を占め、職業は商店主が4割近く、会社員が3割。新規創業希望者は全体の6割を占めている。  商売を繁盛させるための勉強では、7割近くが繁盛店での現場実習の必要性を挙げ、セミナーなどは2割に満たない。現場実習は8割が希望し、特に2代目、3代目に多い。  現場実習に当たっての悩み(複数回答)では、情報不足が6割を超え、その4分の1が、店を空けられない・勉強時間の不足を挙げている。  修行先の希望は、独自の商品・サービスを提供している店が56%を占めて断トツ。  修行の中身は多岐にわたっており、経営管理が21%でトップだが、人材育成・教育、経営理念、集客・客サービス、販売ノウハウ、品揃え・仕入れ、製造・技術など、いずれも2ケタ以上で大差はない。  修行期間は本来、かなりの長期間を要するが、実際には数カ月以内が8割を超えている。その間の処遇は、3分の2が修行先によっては無給でもよいとしている。
受け入れ側から
 一方、修行を受け入れる側の意識はどうか。  シンポジウムを準備する過程での予備調査では、回答した416社・店のうち、受け入れてもよいが32%、受け入れられないが56%。  受け入れてもよい理由は、「意欲のある人を助けたい」を筆頭に、「やる気のある人に働いてもらえる」「社会的に意義のある事業」が、それぞれ2割を超えている。  逆に、受け入れられない方は、「現在、人手が足りている」の37%が断トツで、「教育に手間がかかる」が14%、「採用は一般公募している」が12%と続く。ほかに「能力、スキル、資格など実証されている人しか採用しない」「優秀な修行者が来るとは思えない」「面接する時間が無駄」など。  賛否にかかわらず、経営者は修行者を“労働力”の面から見ている姿が浮かび上がる。  こうした実態と、成果を踏まえて、中小企業庁は、今後の課題として、修行者にどういう店で、どのような修行をすればよいのか、また、その前に専門学校などで勉強した方がよいかなど、適切なアドバイスの必要性を挙げている。それを可能にするシステム、ネットワークづくりが03年度のテーマだ。  また、大阪・HEPファイブに、パル(井上英隆社長)がファッション専門学校とタイアップして開設している“実習店”のような「実学の道場」も課題のひとつ。  試行錯誤を経て、「実学を応援するシステムづくり」は次のステップに踏み出している。

2003/05/07
【人財・登場】 ジェイアール東海高島屋能力開発室長 坂田雅哉さん 能力開発室を立ち上げ 人材育成し将来も支持される店に  昨年9月、能力開発室を発足させました。将来にわたってお客様に支持していただく百貨店になるために、商品知識や販売技能、サービスマインドといった人的能力を、今のうちに引き上げていくことが不可欠と考えたからです。社員の教育・研修に責任を持つと同時に、人事グループと連携して、人材を育成するために必要な人事制度も検討しています。
平均年齢25歳
 当社のプロパー社員は、第1期生が開業2年前の98年4月に採用され、現在450人ほどが在籍しています。平均年齢が25歳という若さです。開業前に入社した2期生までは高島屋で研修し、販売の基礎トレーニングを積みましたが、実際には開業してからの3年、売り場でお客様の声を聞きながら社員全員が必死になって走り続けてきたというのが実感です。  今、売り場を管理するセクションチーフには、主に1~3期生が占めています。体系的な教育・研修制度はありませんでしたが、若くして責任ある業務に放り込まれ、結果的にOJT(現場教育)が施されてきたともいえます。経験不足から、タイミングを見計らったお声かけ、売り場でのお客様への提案力の弱さといった課題もありますが、にこやかで明るい対応と一生懸命さは伝わってきたと思っています。
業務知識向上を
 しかし、今後はこの3年間で蓄積してきたものを、体系的な教育・研修制度として整備し、次の人材に伝えていかなければなりません。今のスタッフも、これまでの積み重ねが自信になるために、商品や販売知識を身につけることが必要だと感じています。  能力開発室としては当面、社員の業務知識の向上、売り場からやりたいという研修のサポート、ローズスタッフ(派遣社員)のレベルアップに力を注いでいきたいと考えています。  現状、仕入れや商品の見極め、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)、計数管理などの業務は、高島屋から出向してきた社員に頼っています。しかし、いずれはセクションチーフを担当している社員も、マネジャーとしてマネジメント能力が求められるようになってきます。こうした業務知識の向上は、日常の業務だけではなかなかスキルアップできませんので、能力開発室がしっかりサポートしていきたいと思います。

 さかた・まさや 1959年8月生まれ。82年4月、日本国有鉄道入社。87年4月東海旅客鉄道入社。02年7月ジェイアール東海高島屋出向、総務本部担当部長。同9月能力開発室長。

2003/05/07
【人財・ほっとらいん】 「商人道だいわ塾」開講  販売力と営業力の強化にとって人材の育成と開発は欠かせません。優秀な人材の育成なくして業績の向上もまた望めない、ということです。リストラで一時的に業績は回復しますが、長期にわたり業績を伸ばそうとすれば、人を育てていくしかありません。3月1日付で新設した「商人道だいわ塾」は、それを具体化したものです。温故知新といいますが、全社員を対象に、商売の基本をもう一度勉強してもらおうというわけです。今後はこの商人道を大和の企業文化として定着、発展させていきたいと思っています。(斉藤尚善大和取締役経営管理本部長)

【2003年04月】

2003/04/26
IFIビジネス・スクール 7月、経営者講座 「グローバル化の中のローカル化」テーマに 日本の中間市場に焦点  IFI(ファッション産業人材育成機構)ビジネス・スクールは今夏、日本固有のマーケットである高質・高感度の巨大な中間市場に焦点を当て、「グローバル化の中のローカル化」をテーマに経営者講座を開く。  経営者対象の講座である第6回「エグゼクティブ・コース」は7月4日から3日間、静岡県駿東郡の経団連ゲストハウスで開く。「グローバル時代に勝利するファッション企業の戦略――グローバリゼーションの中のローカル化、ローカル化がひらくグローバリゼーション」をテーマに、一橋大学大学院国際企業戦略研究科長の竹内弘高教授と、石倉洋子教授、楠木建助教授を中心にディスカッションする。  IFIは同講座のために、日本の風土、文化、技術に根ざし、高質・高感度の商品とシステムを作り上げているケースのテキストを準備。(1)米国市場でベンツを抜いたトヨタ自動車の「レクサス」(2)顧客の生活に密着しアパレル雑貨チェーンとして業績をあげている、しまむら(3)米国市場進入を成功した「ポケモン」――の三つのケースを取り上げる。  標準化された普遍的商品市場と、プレステージ市場の2極化といわれるグローバル化の中で、日本には固有のサービスを含むローカルニーズの中間市場が存在し、尾原蓉子学長は「日本の顧客に密着し、フローだけでない商品と仕組みを作るビジネス構築に、自信を持って取り組んで頂きたい」と同講座の意義を強調している。  受講料1人32万円、問い合わせはIFI(電話03・5610・5701)。

2003/04/28
中高年が企業に求めるものは…年齢差別廃止と賃金制度改革 パソナ「中高年意識調査」 「現役でいたい」「体力続く限り」… 働き続けることに強いこだわり、意欲  中高年層が企業に求めるものは、年齢差別の廃止とそれを可能にする賃金制度改革――大手総合人材派遣会社のパソナが実施した「中高年の就労に関する意識調査」で明らかになった。調査は昨年11~12月、パソナシニア事業部の登録説明会で実施し、参加者109人(男性70・3%、女性69・7%)から回答を得た。調査結果の概要を紹介する。 フルタイム望む  今後希望する働き方として、「フルタイム」が44%、「週2~3日」が27・2%と続き、「年金をカットされない範囲で」の12・6%を大きく上回った。また、働くことを希望する理由としては、「社会的に現役でいたい」(22・5%)、「キャリアやスキルを生かしたい」(18・1%)と続き、それに「社会に貢献したい」(11・7%)、「ローン返済など収入が必要」(11・7%)が同率で続いた。  働く理由として、働くことから得られる精神的な充足感が、経済的な必要性を大きく上回っていることがわかる。  いつまで働きたいかとの問いには、「気力・体力が続く限り」(56・0%)、「できる限り長く」(28・4%)、「一生」(9・5%)と続き、中高年層の働き続けることに対する強いこだわりが伝わってくる。 「健康」がトップ  高齢者が働き続けるために必要なもの、足りないものを尋ねたところ、「高齢者個人」に関するものが34・8%、「労働市場」に関するものが34・1%と、ほぼ同数挙げられ、「企業」に関するものが21・3%、「政府」に関するものは9・8%にとどまった。  具体的な内容を見ると、高齢者個人に求めるものとしては、「健康・自己管理・体力」(26・3%)など健康に関するものがトップに挙げられ、次いで「スキルアップ・学習・勉強・自己啓発」(17・5%)などスキルアップに関するものが挙げられた。  労働市場に求めるものとしては、「高齢者雇用に対する意識改革、理解」(21・4%)がトップに挙げられ、「高齢者雇用・受け入れのための場や仕組み」(19・6%)に続いて、「求人、需給のバランス」(10・7%)と「高齢者の知識、経験、ノウハウの認識・活用」(10・7%)が同数で挙げられた。「マッチング機能、求人情報システム」(8・9%)、「職務の専門化」(5・4%)などの意見も注目される。 能力給の導入も  これらを総合すると、中高年層が労働市場に求めるものは、まず高齢者を労働力として認め、雇用の仕組みをつくり、能力に応じて需給をマッチさせること――、つまり、年齢に関係なく能力に応じて働くことができる労働市場への転換である、といえるだろう。  企業に求めるものは、まず「高齢者・年齢に対する意識改革」(28・6%)、次いで能力給制度の導入、年功制の廃止、同一労働同一賃金などの「賃金制度改革」(14・3%)、「高齢者のための雇用環境・仕事」(11・4%)、さらに「職業研修、教育、指導」(8・6%)、「定年制度の撤廃」(8・6%)、「年齢差別廃止」(8・6%)が同数で続いた。中高年層が企業に求めるものは、年齢差別の廃止とそれを可能とする賃金制度改革であるといえそうだ。

2003/04/22
【ファッションスクール・ほうかご】 若年層の失業  大規模なリストラで多くの企業で新卒採用を抑制する傾向が続いている。その影響で若年層の失業が社会問題として表面化しつつある。総失業者に占める若年層の割合は高水準にある。  新卒採用を抑制する一方で、必要に応じて中途採用者を増やす企業が多い。即戦力の人材を採用しようとする企業側の考えは見逃せない点だ。  日本に比べて、米国では若者が雇用されやすい、という話を聞いた。中高年の給与水準は若年層に比べて高いためだが、もう一つの理由は「ナレッジワーカー」と呼ばれるコンピューター技術者など知識労働者の台頭である。働き方が大きく変化している。彼らの仕事は長時間労働や休日出勤は当たり前だ。外資系企業やコンピューター会社で働く友人の仕事ぶりをみても日米共通のようだ。ハードワークには若者が都合が良いのであろう。こうした人たちによって米国経済の競争力が高まったのは確かだ。  ただ、「なぜ仕事をしなくてはならないのか」という働く理由が失われはしないだろうか。改めて職業観を育てる教育の重要性を再認識させられた。(浦)

【2003年03月】

2003/03/31
【Get The Job】 これが面接のイロハ 素直で自然体が一番 目立ち過ぎは逆効果 志望動機は実践的に学ぶ
 04年4月採用に向けた企業側のスケジュールは、説明会(企業セミナー)から面接の段階に移りつつある。一般的に、面接は集団方式で実施した後、絞り込んだ者を対象に個別でも行う。エントリーシートがあるものの、内定の手段として面接が決定的役割を果たしていることは、昔も今も変わらない。インターネットの普及などによって就職活動に必要な情報が容易に得られる時代だからこそ、企業側は、学生の素顔と本音を探ろうと面接を重視する。ファッションビジネス業界をめざす人のために、「面接の心得」をまとめてみた。  面接官(人事担当者など)は、何よりも「第一印象」を重視する。採用人数が多く、応募者も多い企業になると、なおさらだ。印象とは、その人の態度や就職への心構えのことである。
本音伝える
 ここ数年、企業側に「採用したい学生の条件は?」とアンケート調査を行うと、どの媒体でも「明るくて元気」が上位に入っている。しかし、企業側が求める明るくて元気は、いつもニコニコしていて、大きな声を出すということではない。  中堅婦人服メーカーの人事担当マネジャーは、こんなアドバイスをする。  「明るくて元気は、言葉を換えると、普段のままで面接に臨んで欲しいということです。入社すると、社内外の人と接するので、コミュニケーションをとれることは大事な要素ですが、人間それぞれの性格があり、あまり、明るく元気ということにこだわるのもどうかと思っています。むしろ、私は、芯が強く、一本、筋の入ったような学生に期待します」  面接官が最も嫌うのは、集団面接で目立とうという行為だ。必要以上に大きな声でのあいさつ、最初から最後までのニコニコ顔、そして質問への長々とした答え。とくに、無理して他の面接者と違った話をしようとするのは最悪だ。明るく元気にこだわるより、自分の素顔と本音が伝わる方が、はるかに好印象を与える。そう、伏し目がちはいけない。面接官の目をしっかりと見て話そう。  「御社」など、普段使い慣れない用語はやめた方がよい。といって、「隣の人とかぶりますが」など、学生言葉の連発は、面接官が最も耳ざわりに感じることなので、くれぐれもご注意を。ここでは言葉より気持ちといったくらいの開き直りで臨んではどうだろう。  就職への心構えも、しっかりと面接官に伝えたい。  面接官は必ず、「どうしてウチへ入りたいの?」と聞いてくる。  志望企業や業界への理解度を把握するのはもちろんのことだが、企業と学生の描く将来ビジョンの一致具合を見ることによって、いわゆる「ミスマッチ」を防ぎたいという狙いがある。インターネットや書籍での勉強では差別化にならない。その企業が生産し、販売している商品を見て、率直な感想を述べることが、「実践的就職活動」として評価されている。
足で調べる
 先輩に聞くのも悪くない。要は足で調べて欲しい。  終身雇用制は崩れているものの、企業が新卒者に将来の幹部への期待を寄せていることは今も昔も変わらない。ファッションビジネス業界は、企画、生産、販売、マーケティングなど、あらゆる分野で抜本的改革が求められている。経験にとらわれない、若者らしい発想力と行動力に企業は期待する。  ヤングファッション専門店チェーンの人事課長は、こう言う。  「お客との目線が一緒ということで、新入社員の方が勝っている点はたくさんあります。今後は若い力をどんどん生かせるような職場環境を作る必要があると考えています。つまり、新人も即戦力ということです」  このように、入社早々から活躍できる場も整っている。面接はあくまでも素直に、自然体で。その先に君たちの志望する企業と職種が待っている。

2003/03/20
【ファッショングッズ】 東京・台東区 「デザイナーズ・ビレッジ」設立へ 
創造と人材育成に空き校舎利用
 東京・台東区の「デザイナーズ・ビレッジ」(仮称)構想が具体化しつつある。  台東区は、浅草を中心に靴、バッグ、アクセサリーなどファッションアクセサリー雑貨関連産業が集積しており、これら地場産業の活力・競争力を高めるためには、高付加価値・差別化製品の生産が不可欠と、区の産業振興課が中心になって、クリエーション分野の人材育成及び創造的なモノを生み出す拠点づくりを検討してきた。  区内のファッション雑貨関連団体の意見や要望などを聞いた上、統廃合による空き校舎を利用して、来年度中には開設する見通しだ。  デザイナーズ・ビレッジは(1)新進のクリエーター、スタジオなどに活動の場を提供する(2)クリエーション機能を核に、工(マニュファクチャリング)、商(マーケティング)の情報が集積し、新しいビジネスチャンスが生まれる場(3)新鮮な感覚と柔軟な発想のクリエーターが集い、モノづくりの知恵と技を育む拠点(4)地場産業に開かれた企画力やデザイン情報のリソース・センター――を基本内容に、格安の入居料でクリエーション活動をしてもらう。  24時間使用できるオフィス、ミシンを備えた制作室、試作品を展示するショールーム、商談スペース、資材室、図書室、会議室、交流サロンなどを設け、とくに顧客や生活者との積極的な交流に特徴を持たせる。  台東区は東京芸術大学もあり、もともとクリエーションのマインドの強い地域。区や業界団体は大学とも連携し、「職人技とクリエーションを結び付けることで、台東区の雑貨を世界に発信する場にしたい」と、デザイナーズ・ビレッジに期待している。

2003/03/14
3カ年計画で生活文化振興 日本ファッション協会、アジアと連携 人材育成で資格制度も 日本ファッション協会(JFA) は03年度から、アジア諸国・地域との連携強化、ファッションタウン構想の高度化、生活文化の発展に必要な人材育成やデータベース構築のための支援策に着手する。「JFAミッション検討懇談会」(座長=平井克彦・東レ副会長)がまとめた答申を具体化するもので、3カ年計画で実施する。超低金利時代の中での財団法人の運営には限度があることから、基本財産の一部を取り崩し、これらの課題を実現するための財源に充てる。
 グローバル化の進展など我が国の経済社会を取り巻く環境が大きく変化する中で、JFAは組織や事業のあり方を見直すため、02年9月にミッション検討懇談会を設置した。同懇談会がこのほどまとめた答申はファッションの概念について、「単に衣服にとどまらず、衣・食・住・サービスを含む生活文化全般にわたる」というJFA設立当初からの認識を再確認したうえで、「経済力に見合った、ゆとりと豊かさに満ちた国民生活の実現」を目指すべきと提言。具体的な事業を推進するうえで、関係団体との連携を強める一方で、繊維をはじめ家具、インテリア、アクセサリー、化粧品など生活文化に関連する業種を束ねるセンター機能を果たすよう、JFAの役割を位置付けた。  答申を受けて、JFAは03年度から3カ年計画で新たな生活文化の創出事業に乗り出す。まず、アジア諸国・地域との連携では、日本、中国、韓国の3カ国によるアジアファッション連合会の設立、運営に全力をあげる。同連合会は7月に東京で発足会を開き、正式に立ち上がる。毎年3カ国の持ち回りで生活文化関連のイベントを開催することになっており、愛知万博「愛・地球博」の開催年である05年が日本の順番に当たる。  二つ目の事業は「新ファッションタウン・生活文化想像都市創生プロジェクト」で、「心の豊かさ」を育む都市づくりを目指す。その都市像の魅力を愛知万博で提案する考えだ。  三つ目の事業は人材育成で、関係団体と連携して「生活文化人材育成研究会」(仮称)を設け、日本の生活文化の発展に寄与する人材育成策を検討、実施する。ファッション関連の資格制度の創設も視野に入れている。  四つ目の事業が、国内外への日本のファッション情報の発信。その一環として、コロモ・ドット・コム(東京、斉藤恒夫社長)など関係機関とも協力して、ファッションカレンダーやカラー情報などトータルなデータベースの構築を目指す考えだ。

2003/03/05
【人財】 雇用形態・条件の変化に戸惑い ファッションスクールにみる求人状況
販売職中心に就職率「やや改善」
 服飾系専門学校や短期大学などのファッションスクールの内定(就職)率は、前年より、やや改善している。ファッション業界の学校に対する求人数が増加傾向にあることが背景にある。  一方で、雇用形態や雇用条件が変わってきている。「アルバイト採用」や「初任給が前年割れ」などの傾向を指摘する学校は少なくない。
就職率63・7%
 繊研新聞社が2月中旬に実施した「ファッションスクール就職活動アンケート」(回答数19校)によると、1月末時点の求人企業数が「増加した」と回答した学校が8校あった。「横ばい」2校、「減少した」5校、回答なし4校で、学校間の格差はあるが、求人企業数が増えている学校は多い。増加した要因は、新規企業からの求人を挙げるところがほとんど。職種では販売職の増加が目立っている。  1月末時点の内定者を含む就職率(就職希望者に占める割合)は、有効回答12校を合わせて63・7%。前年同時期の就職率は不明だが、「内定者数は前年に比べて22%伸びている」「大手企業を避けて、中小企業への就職を指導したことが好調な結果に結びついた」など、過半が「改善」を指摘している。  デザイン・技術系専攻の就職率は51・4%、ビジネス系専攻は73%。  なお、これは「専攻学生数÷採用職種」で出したため、デザイン・技術系学生の販売職採用なども含まれている。
アルバイト増加
 就職率が前年と比べて改善傾向にある一方で、雇用形態や条件の変化に対する学校側の戸惑いもみられる。「求人票で変化していること」の項目に対し、「アルバイト、契約社員が増加」「正社員雇用よりもアルバイト採用」など雇用形態の変化を複数校が記入している。とくに販売職でアルバイト採用が目立っている。初任給についても「前年に準ずるか、前年割れの傾向が一般化している」との指摘もあり、アルバイト採用の増加を含め、雇用条件は厳しくなっている。
即戦力の傾向も
 このほか、「デザイナーも、FA(ファッションアドバイザー)からの昇格を条件とするSPA(製造小売業)企業の増加」「営業職に商品企画提案能力を求める『営業企画』募集が台頭」「いずれの職種にも、レベルは違うが、コンピューター能力が要求されている」などの指摘があった。過去数年間、各校とも業界側の「即戦力になる中途採用重視の傾向」を実感している。その即戦力や高い能力を求める傾向は、新卒者に対しても強くなっている。

2003/03/05
【人財・ほっとらいん】 IFIの新入社員向け講座  ファッション産業人材育成機構(IFI)は、新入社員のための「ファッション・ビジネス入門講座」を開く。3年前から東京で始めた同講座は「業界構造や商慣習、素材の基礎を学ばせたい」「昨今、新卒採用数が少なくなり、自社で開催するには負担が大きい」などの要望に応えるもの。今回は大阪でも開く。大阪=5月1、2日(グランキューブ大阪)、東京=6月2、3日(IFIビジネス・スクール)で、いずれも午前10時~午後6時。テーマは「ファッション・ビジネスの構造」「素材と商品知識」「お客様に伝えなければならないこと」「マーチャンダイジングと売り場」など。受講料は1万2000円。申し込み、問い合わせはIFIビジネス・スクール、電話03・5610・5701、ホームページ http://www.ifi.or.jp/school

【2003年02月】

2003/02/28
【Get The Job】 半数は成果主義導入 主な目的は「公正な報酬」 産能大の調査から
 企業の人事改革が進むなかで、その代表的な施策とされる「成果主義」の導入に注目が集まっている。
 産業能率大学(上野一郎理事長)は昨年4月1日~6月14日、上場企業・店頭公開企業3536社を対象に、「日本企業の人材戦略と成果主義の行方」についてアンケート調査した。その結果、約半数の企業が成果主義的な人事制度を導入している。  導入目的のトップ3は(1)高業績を上げた個人に公正に報いる報酬・処遇体系への転換(2)業績志向、成果志向の組織風土・文化への革新(3)個人の賃金に占める年功部分の抑制。導入企業が実施している人事制度のトップ3は(1)目標管理制度(2)評価のフィードバック(3)評価基準の公開という実態が明らかになった。回答企業は495社。
小売り・飲食は56・7%
 自社の人事制度の性格について、「成果主義的である」か、それとも「年功序列的であるか」を聞いたところ、「やや成果主義的」も含め、成果主義的であるとした企業は232社(46・9%)で、年功主義的であるとした企業の258社(52・1%)を少し下回った。  「自社の人事制度は成果主義的である」と答えた割合が相対的に高い業種は、「情報・ソフトウエア」(62・2%)、「金融・保険・不動産」(64・0%)、「サービス」(57・1%)、「小売り・飲食」(56・7%)。反対に、「年功主義的である」と答えた割合が圧倒的に多かった業種は、「建設・住宅・工事」(84・8%)、「運輸・倉庫」(72・2%)、「鉄鋼・金属」(72・2%)など。
業績に結びつかない?
 「成果主義的人事制度を導入している」と答えた企業について、成果主義的人事制度の導入別に、99年度~01年度の3カ年の「年間売上高伸び率」が、プラスか、マイナスかを検討したところ、94年度までに導入した企業では、年間売上高の伸び率がプラスの企業が多かった。ただし、95年及び99年は、年間売上高の伸び率がマイナスの企業が多い。

2003/02/28
【Get The Job】 企業が新卒者に求めるもの 繊研新聞社採用調査から
「なりたい人物像」を描く 学習力 吸収力 積極性 「まっさら」が企業活力生む
 04年4月入社の新卒採用活動が、2月からの「セミナー・説明会」で本格化した。就職協定の廃止以来、「採用の早期化」が話題となり、その是非が論議されているが、企業の「厳選採用」の姿勢は一貫している。今年の就職(採用)戦線の特徴を踏まえ、企業が求める学生像を探ってみた。
採用増加の兆しへ
 繊研新聞社が実施した、FB関連の「新卒採用計画」調査によると、03年の新卒採用人数は02年を上回り、04年はさらに増加する傾向にある。ここ数年、採用を控えていた企業が採用を復活させるケースも目立つ。出口の見えない不況の中で、採用に慎重な姿勢は変わらない。にもかかわらず、増加の兆しが見えてきたのは、この間の人員削減が限界に来たこと、さらには「新卒採用」への再認識がありそうだ。なかでもアパレル業界は、売り上げは落としても利益を確保するという方針を、人員削減を軸とした人件費の圧縮で達成しようとしたが、その手法は多くの企業で行き詰まりをみせている。  売り上げの減少は、市場競争力を失わせ、「早期退職優遇制度」などによる人員削減や採用の手控えは、企業の活力やモラルの低下という深刻な事態を招いている。
企業風土を維持する
 企業が毎年、新卒者を採用することは、日本的な「年功序列」や「終身雇用」というマイナスイメージがあるが、本来は「若くて先入観のない人材で企業に活力を与える」という点で、大きな意味を持っている。  もちろん、企業は今後、即戦力としてヘッドハンティングや中途採用を実施し、部署によってはアウトソーシングへ依拠していく流れにあるが、「若くて先入観のない人材」は新卒者の採用抜きには語れない。とくに「クリエーティブ」を根幹とするFBにおいては、「まっさら」な彼らへの期待は絶大である。また、若手を計画的に採用しないと年代的な断層が生じ、健全な人事体制が構築できないことに加え、長年培ってきた「企業風土」や「企業理念」も維持・継承できなくなる。  このように、企業は新卒者に対し、「即戦力」よりも「活力」を求めている。
壁を乗り越える力も
 では、企業はどんな新卒者を採用しようとしているのか。選考基準の基本は、学習力や吸収力をポイントに、「入社後の成長性が見込める人」である。  学習力や吸収力に欠かせないのは、壁にぶつかったとき、これを乗り越える力と豊かな発想力である。当然、積極性とコミュニケーション力も求められる。  採用方法としては、職種別採用、通年採用、秋採用、コース別採用、地域限定採用などのほか、最近は特定の職務を遂行するうえで必要な適性や能力を一定期間見る「コンピテンシー採用」も増えている。
やりたい仕事を知ること
 学生は「自分がやりたい仕事ができる会社」、企業は「責任ある仕事を任せられる人」という意識は一段と強まっている。学生にとっては「やりたい仕事」の研究が重要になる。  不況にもかかわらず、「入社3年以内の退社」は一向に減っていない。企業と学生のミスマッチが最大の要因だが、それを防ぐには、企業を知ると同時に、自分がやりたい仕事を知ることが重要である。  やりたい仕事の延長戦上には、「なりたい人物像」があるはずで、面接官も、会社で仕事する姿と学生の人物像を重ね合わせて見ることになる。なりたい人物像を描き、そしてやりたい仕事を考える。それを堂々と発言できる学生が、希望する就職先をゲットできる。
 ※主なFB関連企業の04年採用計画は2月17日付タブロイド版「採用特集」に掲載。

2003/02/26
【プロへの道・フレッシャーズのページ】 求められる仕入れと販売のプロ 激動期の小売業界
柔軟な発想と行動力を 新興勢力の台頭も
 小売業界はかつてない激動の時代に突入しています。どんな大手企業でも老舗でも、変化に対応できないところは市場から退出を迫られてしまいます。逆に時代の波をとらえ、急成長している企業もあります。過去の常識や成功体験が通用しなくなった下で、小売り企業は柔軟な発想と行動力にあふれた人材を求めています。
塗り替わる勢力図
 激しい競合下で小売業界の勢力図は年ごとに塗り替えられています。旧そごうグループやマイカルの破綻(はたん)は、規模の論理が通用しなくなったことを示しました。規模の拡大に走り過ぎた企業は、どこも負債の重みにあえいでいます。  大手だけでなく、中堅どころでも経営破綻が相次いでいます。地域の名門企業といわれた地方百貨店でも、業績の悪化に歯止めが掛からず、営業の継続を断念したところがあります。専門店業界でも、「地域の雄」と称された有力どころが、市場から姿を消す事例が目立っています。  共通しているのは、市場の変化に対応できなかったことです。老舗の名声や過去の成功体験を引きずり、体質転換や業務改革をおろそかにしてきたことが、市場からの退出につながりました。  衣料品を主力とする小売業にとって、最大の問題は個人消費の低迷です。衣料品の市場規模が伸び悩む下で、限られたパイをめぐる争奪戦は激しさを増しています。さらに消費の成熟化も勝ち残りのハードルを高くしています。消費者は自分なりの着こなしや生活スタイルへのこだわりを強めており、店舗や商品に対する選択眼は厳しさを増しています。言葉だけでなく、あらゆる業務で顧客第一主義を貫かないと、「こだわりの消費」には対応できなくなっています。
成長の可能性
 暗いニュースが目立ちますが、小売市場には常に成長の可能性が存在します。消費市場は低迷していますが、増収あるいは増益の好業績を確保しているところもあります。  繊研新聞社が調査した「01年度小売業・衣料品売上高ランキング」によると、上位100社の売上高合計は前年比1・3%増の6兆8572億700万円となりました。前年度の上位企業のうち、マイカルなどが経営破綻でランキングから外れましたが、一方で売り上げを大幅に伸ばしたところがあり、上位の売上高合計は増収になりました。  企業別では、比較可能な99社のうち49社が増収でした。上位企業でみると、ほぼ半数が増収を確保しています。このうち9社の売り上げは2ケタの伸びです。これら成長企業の存在が上位の合計売上高を押し上げました。  消費は低迷していますが、企業努力で成長を続けているところもあります。これが衣料品を中心とした小売市場の大きな特徴であり、魅力でもあります。  成長しているのは、ランキング上位に入るような企業だけではありません。小売市場では常に新興勢力が台頭しています。若手のオーナーが立ち上げた専門店が消費者から圧倒的な支持を受け、急速に成長する事例も数多くあります。数年で急成長を成し遂げた新興企業が、有力な百貨店にショップを構えることもあります。
構造変化の波
 背景には業界の構造変化があります。既存の仕組みが大きな壁に突き当たった下で、独自の感性や得意技を持った企業や個人がパートナーシップを結び、新しい仕組みをつくる。こんな動きが急速に広がっています。  大手企業でも、従来型の仕組みや手法を見直す動きが強まっています。例えば百貨店は委託取引(返品条件付き買い取り)を主流にしてきましたが、新たに消化率約束の取引を導入するところが広がっています。仕入れた商品に責任を負うことで適品を確保する動きです。  提携や再編の動きも加速しています。百貨店同士が連携したり、百貨店や量販店が商社と提携するなどの取り組みです。激変する市場が構造変化を促し、それぞれの企業が勝ち残りのために新しいビジネスモデルを構築する――いま、小売市場は、激烈な競合と変化の渦中にあります。
“勝ち組”の条件
 小売業は「変化適応業」といわれます。激しい競合を勝ち抜くためには、消費者の変化=自店に対する要望や不満を取り入れながら、自らが変革し続けるしかありません。  変化に適応するためには、買い(仕入れ)と売り(販売)のプロフェッショナルを育てる必要があります。顧客の変化の微風をとらえ、自店の品揃えやサービスに反映させる。この業務を支えるのが、仕入れと販売のプロたちです。  高い専門能力と挑戦の意欲を持った人材、何よりも小売りの仕事が好きな人材。こんな人材を育てることが“勝ち組”に名乗りを上げるための条件となっています。

2003/02/22
【ファッションスクール】 求人社数・人数とも増加傾向 02年就職活動状況
新規企業に採用意欲 厳しい「企画職」 「販売職」増える 内定率も改善の兆し
 長引く不況で、新卒者に限らず就職活動は依然として厳しい状況にある。とはいえ、学校、学生側の危機意識の高まりによる「あきらめない」就職活動や新興企業の台頭、一部の企業の新卒者採用の復活などの動きも見られ、今年度の就職内定率はやや改善しているようだ。東京、愛知、大阪、中国地区、九州地区の主要ファッションスクール19校の就職活動状況をまとめた。
求人社数は増加
 スクール間の格差はあるものの、求人企業数(1月末時点)が増加傾向にある。前年に比べて増加していると回答したファッションスクールは8校あり、減少5校と横ばい2校を上回った(この質問未解答4校)。なかには2割増となったところもある。増加した理由は、「OBの活躍などによる新規企業の増加」「12月頃より新規企業が増えた」「販売職が増加」「雑貨など衣料以外の求人増と採用を控えていた企業の復活」などで、新規企業の増加を理由に挙げるところが目立っている。  減少した学校でも、「学校にくる求人票比較では減少だが、インターネットによる求人企業が増えている。アパレル企業は、リストラが一段落し求人意欲が出てきている」と指摘する。好景気の頃とは比較にならないが、少数でも新卒を採用する企業が増えているようだ。なお、業種別の増減は、「アパレルメーカー増で、小売り減」「アパレルメーカー減、小売り増」「いずれも増加」など、各校でばらついており、傾向は一定しない。
販売職の需要増
 求人総人数についても、前年比大幅減となった学校もあるが、微増が目立つ。なかには前年比17%増となったところもある。職種別求人数は、「企画職14%減、販売職など14%増」「企画職横ばい、販売職など5%増」「企画職2%増、販売職など3%増」「販売職と技術職(パタンナー、縫製)は増加の傾向。逆にスタイリスト、デザイナー職が厳しくなっている」など、おおむね販売職の求人数は増加している。一方、デザイナー、パタンナーなど企画職は全般に厳しいが、パタンナーに関しては微増とする学校も少なくない。このほか「大手アパレルメーカーのMD職が増加」と指摘する学校もあった。
就職率100%も
 求人社数、求人数が増加傾向のなか、ばらつきはあるものの就職率も改善しているようだ。アンケート回答校の1月末時点の、内定者を含む就職率(就職希望者に占める割合)は、40%台2校、50%1校、60%台1校、70%台2校、80%台1校で、すでに3校が100%となった。  「内定者数は前年対比で22%伸びている。4、5月の早い時期に就職モードになるようにすれば、もっと内定者数を増やすことができた」「早い時期から就職に対する意識付けをした。学生もあきらめずによく活動してくれたため良い結果が出た」「大手企業を避けて、中小企業への就職を指導したことが、好調な結果に結びついた」「求人社数は減ったが、採用状況は良い」など、早期からの就職活動が前年に比べて「好調」な結果に結びついたと見ている。
内定率54・3%
 このほか、「これまではデザイナー、パタンナー志望が100%だったが、MD職希望者も増え、企業側のニーズと合った」「クリエーター系の学生がファッションアドバイザーを希望するケースが増加した」など、企業側の需要を考慮した就職活動も奏功した理由だ。一方で「ビジネス系学生の内定率が悪い」「販売系学科生は相変わらずセレクトショップ至上主義で、内定を手にできていない」とする学校もある。  厚生労働省が1月中旬に発表した大学等卒業予定者の就職内定状況(12月1日現在)は、大学の内定率が前年同期と同じ76・7%。うち男子は0・4ポイント増の79%、女子は前年同率で73・6%だった。短期大学(女子学生のみ)は3・3ポイント増の55・6%、高等専門学校(男子学生のみ)は1ポイント減の94・1%、専修学校(専門課程)は4ポイント増の54・3%だった。前年との比較では、やや改善していることがうかがえる。
産学で後押し
 ファッションスクールはここ数年、産学協同による実践教育を進めている。学生による企業への商品企画提案、小売り実践店舗の開設、縫製工場など生産現場での教育など、企業ニーズに基づいた人材育成を目的に各校とも“実学”の取り組みを広げてきた。  こうした取り組みで、お互いに実情に対する認識度が高まってきていることも、就職内定率の改善を後押ししていると思われる。

2003/02/22
【ファッションスクール・まなびや】 名古屋ファッション専門学校 3年コースでプロ育成
新課程スタート
 名古屋ファッション専門学校は、今春から新たに3年間の一貫教育を行うファッションマスター科テクニカルクリエーターコースを設けた。  パターンの基本や服作りのテクニック、デザインのクリエーションについて徹底的に教育し、卒業後にファッション業界のプロとして活躍する人材の育成をめざしている。  従来は2年課程のファッションデザイン科と1年間の上級コース、ファッションスペシャリスト科を設けていた。厳しい経済環境を背景に、企業が中途採用者を求める傾向を強めているなか、学校としても即戦力を求める業界のニーズに一層応える必要が高まっていた。  また、1年次の基礎課程を終えると就職活動に取り組まざるを得ず、2年次の専門課程の習得が不十分になりがちなのも事実だ。さらに昨今の就職難が、それに輪を掛けている。ファッションマスター科の新設は、「資格や検定にいち早く挑戦し、各種のコンテストでの実績も積み、業界で通用する人材を育てる」(井後治子学校長)姿勢を打ち出すものだ。  昨年11月に実施した入学試験で、初年度の40人が決まった。中部地区での3年課程は珍しく、事前の体験入学などを通じて意欲の高い学生が集まったという。洋裁検定に合格するなど、ある程度の経験を持つ学生がいる一方、意欲はあっても製図や縫製は初めての学生もいる。学生のレベルに応じた指導を強め、3年次のスタート時には同水準に到達させる計画で指導方法の改善にも取り組む。
教員の力量向上へ
 昨年9月には、イタリアのインスティテュート・カルロ・セコリからジャパンスクール名古屋校の指定を受け開校した。受講者は社会人が多いが、熊谷進講師は名古屋ファッション専門学校の技術教育主任でもあり、イタリアのセコリ校で学んだ技術や指導法を同校の授業にも生かしていく。他の教員も順次、同校に派遣し、向上した力量を学校に還元していく。  また、新課程の設置を見据え設備を増強した。CAD(コンピューターによる設計)40台、ウィンドウズ対応CG41台、マック対応CG21台を備えた。「業界のニーズの変化に合わせ、学校も変化する」ことで、「付加価値を創造できる能力」(井後学校長)を育てていく方針は変わらない。

2003/02/20
求人社数、求人数とも増加へ ファッションスクールの就職活動状況〈本社調べ〉 内定率もやや改善
 全国の主要ファッションスクール(服飾系専門学校など)の求人企業数が、前年に比べて増加傾向にある。本社が実施した「就職活動アンケート」によると、求人企業数は、15校中8校が増加している。求人総数が増加していると回答したのは7校あった。職種で見ると、販売職の求人増が目立つ。  求人企業数の増加率はほとんどが2~5%増と微増だが、2割増となった学校もある。減少した学校は5校、横ばい2校と、学校間の格差もある。増加した要因は、「新規企業の増加」「販売職の増加」を挙げるところがほとんど。このほか、「リストラが一段落し、求人意欲が出てきている」との指摘もあった。  求人の増加傾向に伴い、内定者を含めた就職率(就職希望者に占める割合)も、前年に比べてやや改善している。雇用環境は依然厳しいが、「就職率は若干高くなった」「内定者数は前年比で22%伸びている」という学校も出てきている。なかには、すでに就職率ほぼ100%と回答した学校もある。  厚生労働省が1月中旬に発表した大学等卒業予定者の就職内定状況(昨年12月1日現在)で、専修学校(専門課程)の内定率は4ポイント増の54・3%と、やや改善している。

2003/02/19
具体化含め支援策検討 戦略的デザイン活用研究会開く 経済省  経済産業省製造産業局が設置した「戦略的デザイン活用研究会」(座長=青木幸弘学習院大学教授)は17日に第1回会合を開き、企業のデザイン戦略への支援策などについて論議した。2回目以降は、意匠権の強化、人材育成、ブランド化に向けたデザイン戦略などについて論議し、04年度の予算案づくりに反映させるため、6月をめどに報告書をまとめる。  同研究会は、製造業の競争力強化のため、企業のデザイン戦略のあり方とこれを支援する行政の政策を検討する。企業のデザイン戦略は、企業格差が大きいため、業種、企業規模の違いを踏まえ、企業が実行すべきこと、行政の施策として実施すべきことを論議する。  第1回会合では製造局から、デザイン政策充実の方向として、デザイン創造・活用のマニュアル作成やデザインの商品化支援、地域ブランド創造のためのモデル地域指定、特許庁の意匠・商標権関連情報の活用促進など、経営資産が限られている中小企業を念頭に置いた施策が提案された。  論議はまだ緒についたばかりだが、製造局は今後の論議を通し、行政が実施すべき支援策を明確にする考えだ。意匠権の強化など「制度整備には時間がかかるが、04年度の政策にも反映できるものにまとめたい」(製造局デザイン政策チーム)としている。  第2回目以降は、意匠権の強化やデザイン・ブランドマネジメントにかかわる人材育成の現状、課題などについて論議する。さらにこれらを踏まえ、企業の業種別の対応策について検討する。これらの成果を6月までに報告書にまとめる予定である。

2003/02/15
企業事業再生指針を発表 経済省  経済産業省は、企業の事業再生への早期着手を促す「早期事業再生ガイドライン(案)」を策定し、13日発表した。ガイドライン案は、昨年11月に設置した「早期事業再生研究会」(座長=高木新二郎獨協大学教授)が同日取りまとめた報告書をベースとしている。  ガイドライン案は、企業が事業別のキャッシュフロー経営に転換し、金融機関が従来の資産価値を重視した融資から事業のキャッシュフローに着目した融資へ転換することが、新しい事業再生メカニズムの基本としている。  その指標として、有利子負債比率、利払いとキャッシュフローの割合(インタレスト・カバレッジ・レシオ)、自己資本比率を示している。  また、過剰債務を抱えた企業の迅速な再生については、法的整理と外部人材の積極的・戦略的な活用を重点としている。特に「迅速再生の最大の障害は人材問題」と指摘。  その打開に向けては、事業再生人材育成センター創設の準備が進められている。同センターは高木座長が発起人となり、4月にも開講する予定という。また02年度補正予算には、こうした人材育成への助成措置が盛り込まれている。

2003/02/08
経済省、川中「自立」を支援 ファッションビジネス人材育成システム開発
補正予算で1億3千万円
 経済産業省はファッションビジネスの創業・新事業展開に必要な人材育成システム開発の事業を立ち上げる。02年度補正予算の柱の一つである「創業・起業型人材育成システム開発事業」の一環で、事業費は1億3千万円。これまでの賃加工依存から脱し、自ら企画、直販などを行おうとする川中製造業者を支援する仕組みをつくるもので、「川中製造業者の『自立』支援に眼目がある」(繊維課)事業である。  事業はファッション産業人材育成機構に委託する。まず、産地などでの成功事例を収集する実態調査や必要とされる人材のニーズ調査、海外のファッション人材育成期間の実態調査を実施する。この分析・検討に基づき、起業に必要なスキルを明確にし、分野・業種の違いも踏まえたスキル標準を策定する。  さらに、このスキル標準を満たすための教材やカリキュラム、教育手法を開発する。この育成システムは、各地で研修を実施し検証する。研修会実施は複数のリソースセンターに再委託する。  標準を策定するスキルは、起業・経営マネジメント全般、マーケティング、クリエーティブ・マネジメント、様々な専門知識などだが、例えばSPA事業を始めようとする川中製造業者にアドバイスをしたり、連携が必要な企業とのコーディネートをする人材に必要なスキルである。また、川中製造業者自身に必要な簡易版標準も想定される。  繊維課は、川中製造業者の自立支援を重点施策の一つに据えており、そのための人材育成事業は03年度以降も実施したい意向だ。また、今回の事業で開発されるシステムを活用した人材育成強化の施策を04年度予算案づくりにも盛り込む方向だ。

2003/02/08
大阪開催講座を強化 IFI  ファッション産業人材育成機構(IFI)のビジネス・スクール(尾原蓉子学長)は03年前期(4~9月)講座で、大阪開催講座を強化する。同スクールで開講しているプロフェッショナル・コース(半年間)のエッセンスを5日間20時間に凝縮したもので、前期は「実践マーチャンダイジング―バイイング編」(3月14、20、28日、4月4、11日)、「実践マーチャンダイジング―MD編」(4月18、25日、5月9、16、23日)と「レディス・アパレルの商品知識」(5月22、30日、6月6、13、20日)を実施する。  関西圏のファッションビジネス関係者が対象で、講師は尾原学長のほか、プレール代表の栗山志明氏、タナカ・プランニング代表の田中照夫氏、スタイル・クリエーションズ代表の滝沢滋氏ら。受講料は各10万円、会場は大阪ドーンセンター。

2003/02/08
東海日中貿易センターがセミナー  東海日中貿易センターは17日、名古屋商工会議所で「中国営業の現場事例から学ぶ―市場開拓、回収・管理、現地化・人材育成」と題したセミナーを開く。講師はエクセルインターナショナル顧問の高田拓氏。消費市場としても期待がかかる中国だが、営業面でのエリア戦略や販売活動、回収、人事管理などの具体例を紹介する。問い合わせは、電話052・219・4820の同センターまで。

【2003年01月】

2003/01/31
【Get The Job】 FBが求める新卒社員像 繊研新聞社「採用調査」から
何より明るく元気にコミュニケーション 「個性」と「協調性」も 環境激変で雇用も変わる
 ファッションビジネス(FB)業界における04年の新卒採用活動が本格化してきた。繊研新聞社は昨年12月、全国の有力企業200社を対象に「採用アンケート」を実施した(回答企業は111社)。「通年採用」の拡大や「今後は正社員比率を下げる」など、採用方法や雇用を巡る環境が大きく変わりつつあることがはっきりした。以下、調査結果の要点を紹介する。(04年の新卒採用計画一覧表は2月17日付タブロイド判「採用特集」に掲載します)
バイトの優遇も
 ここ数年広がってきた新卒者の「通年採用」は、全体の4分の1に達し、「春・秋の2回」を含めると3割近くになっている。以前は新店開設に伴う小売業の販売職に募集が集中していたが、最近は優秀な人材を「時間をかけてでも採用したい」というFB業界の事情から、募集職種は販売職以外にも広がっている。  インターンシップの導入や、「ファッション好き人間」を確保するため、自社のブランドショップのアルバイト経験者を優先的に採用するケースも一般化している。  募集する重点職種は、販売、営業、デザイナーの順。商品企画、パタンナーを含めると、企画関連は全体の3割を超す。  採用の際、重視することは、「明るく元気」「コミュニケーション力」「洋服が好き」がベスト3。その他の中には「目標を持った人」が5社あった。  採用に関した課題では、「採用活動が早すぎる」がトップ。大手の一部や人気企業はなんとか対応できているものの、大半の企業は、就職協定廃止後の早期化に戸惑いを隠しきれない様子だ。  通年採用の拡大は、採用活動の早期化への対応でもある。
介護休職は拡大
 派遣社員やパート、アルバイトが拡大していることを踏まえ、今後、正社員の比率をどう予測しているか質問したところ、「正社員比率は変わらない」と「正社員比率を下げる」がほぼ同数。実情は「雇用形態の多様化」で、正社員比率を下げる傾向にある。  各種の社内制度や職場環境も、学生が企業を選ぶ際の重要な要素との考えから、禁煙体制と、介護やボランティア活動への休職制度の有無などを聞いた。  禁煙体制は、「分煙」が一般的で、「全社禁煙」は2割に届かなかった。  休職制度は、介護とボランティア活動に分かれるが、介護休職制度は一般化しつつあるものの、ボランティア活動への休職制度はこれからというのが実態のようだ。

アンケート回答企業
 伊勢丹、川徳、東急百貨店、東武百貨店、中三、藤丸、丸井今井、三越、アオキインターナショナル、青山商事、栄光商事、エフ・ディ・シィ・プロダクツ、キャビン、銀座マギー、クラヴィス、クレヨン、三愛、ジーンズメイト、しまむら、スミノ、ゼビオ、たかしまや、玉屋、デリカ、ニコロポーロ、ノーリーズ、はるやまチェーン、発信グループ、花菱、ファーストリテイリング、ブルーグラス、三鈴、ライトオン、良品計画、レオ、レリアン、ワークマン、アウトバーン、旭屋、アトリエドール、アバハウスインターナショナル、あぶち、アルページュ、アングローバル、インパクト21、ウールン商会、エトワール海渡、エフビー、エフリード、エフワン、エミネント、オリゾンティ、オンワード樫山、カイタックインターナショナル、カインドウェア、菅田、キタガワ、クリムゾン、クロスプラス、サンエー・インターナショナル、三喜商事、サン・フレール、三陽商会、サンラリーグループ、自重堂、シバタ、ジャヴァグループ、ジャルダン、シュガー・マトリックス、ジュニアー、ジュングループ、ジュンコシマダインターナショナル、セラビ、センチュリーエール、ダーバン、ダイドーリミテッド、ツカモト、東京キャン、東京スタイル、東京ブラウス、トゥモローランド、東レ・ディプロモード、外与、ナイガイ、ノイバンシュタイン、バレンザ・ポー、ハワード、ビギグループ、ビッグジョン、ヒロタ、ファイブフォックス、二葉、フランドル、フレックスジャパン、プロルート丸光、ホロン、丸久、万兵、ミカレディ、三澤、モードラサ、山喜、ヤマトインターナショナル、ライカ、ラピーヌ、ラブリークィーン、ルック、レナウン、ワールド、ワールドストアパートナーズ、ワコール(順不同)

2003/01/24
【ファッションスクール】 03年、専門校の新たな挑戦 国際競争に立ち向かう人材発掘・育成  日本のファッションビジネスが国際競争に勝つ上でもっとも重要な条件は、優秀な人材をあらゆる分野で育成し、確保すること。厳しい経営環境下、企業は自社内でプロを育てる余裕はなく、経験者の中途採用にも限界があるため、ファッションスクールの役割の発揮がこれまで以上に期待されている。この課題に応えるため、今年、新たな挑戦を開始する3校の事例を紹介する。
目黒・ドレメ通りをファッション街に 杉野学園
 杉野学園は、05年3月のキャンパスホール完成を終着点とする「ドレメストリート計画」で東急目黒駅と目黒雅叙園に挟まれた高台を高感度なファッション教育空間によみがえらせようとしている。ドレスメーカー学院のカリキュラム改革に続き、女子大を共学化した上で杉野服飾大学に校名変更、産業界のニーズに積極的に応える路線を明確に打ち出した。小口寿造副理事長は「内容面の改革は緒に就いたばかり」と言うが、03年4月の入学者数は大学、ドレメともにここ数年間で最高の水準となる見込みで、改革の成果は上がっている。「(大学は)他の4大在学生の応募が増えており、業界にとっては即戦力育成への期待が大きい」(同)。  今年から本格化するのが同学園の施設環境面の改革、ドレメストリート計画だ。「総投資額(見込み)45億円」(同学園)をかけ、ドレメ通りをファッションストリートの呼び名にふさわしい姿に変える。  歩道として約1メートルを公道に提供し、広々とした公共空間を形成する一方、目黒雅叙園方面に向かう横道を新たに設け、回遊性の高い街区にする。核となるのが同学園の創立80周年の05年に完成予定の「キャンパスファッションメディアホール」(仮称、=写真)。ドレメ通りに面したガラス張りの明るく開放的な建物の中にはIT(情報技術)関連の教室、学生ホールのほか、800人収容できる多目的ホールも設ける。卒業生デザイナーのコレクションや業界のファッションイベントにも広く活用してもらう。
社会人向け夜間・週末スクール開校 宝塚造形芸術大学
 宝塚造形芸術大学は03年4月から大阪・梅田に「宝塚造形芸術大学大学院サテライト」を開く。夜間や週末の講座を充実、コンピューターなど最新機器を導入、キャリアアップをめざす社会人を主な対象にする。  (1)大学院修士課程造形研究科(2)総合ワークショップ(3)エクステンションコースの3コース。(1)はファッションデザインやビジュアルデザイン、インダストリアルデザインなど七つの専攻を設ける。ファッションデザインではデザイナーのプロ能力を高める授業や新ブランド立ち上げのビジネスプラン立案、インターンシップなどを計画している。  (2)はデザイン系と映像情報系、美術系の三つに分類。例えばデザイン系では、ファッションデザインだけでなくビジュアル・環境デザインも学べる。それぞれのくくりの中で専門性の深耕とともに広い視野で高度な能力養成を可能にするという。  (3)は1科目から誰でも受講できる点が特徴。同大学としての単位取得制度認定も行う。初心者だけでなく、スペシャリスト志望のニーズにも応えられるよう62科目以上を用意した。  サテライト校が完成することで様々な職種の受講生が集まり、意見交流が活発化して相乗効果が生まれる点も同校は期待している。  1月20日に完工式を開き、すでに公開講座を開講中。現在学生を募集している段階で、学生数は一つの教科で20人前後の予定だ。  一方、兵庫県宝塚市にある本校も「世の中の変化に合わせ、学生ニーズも絶えず変わっていく」(崎田喜美枝同大学副学長大学院教授)とし、03年度も美術学科で美術史・美術理論コースと日本画コース、映像造形学科で放送コースを新設している。
直営ショップで開発・販売力磨く 名古屋ファッション専門学校
 名古屋ファッション専門学校は、学生が服やアクセサリーなどを商品として作り、販売するショップを設けている。「客に買ってもらえるか」を試金石にしながら、製作や販売の力量、技術を磨くのがねらいだ。卒業展や発表会以上に真剣さが求められるだけに、「ミシンを踏むにも妥協がなくなった」といった効果も。新年度からは取り組みを全学年に広げる。  昨年10月、名古屋・栄に直営ショップ、ネブラ(売り場面積33平方メートル)をオープンした。商品はファッション工科生を中心に、卒業生や教員が作ったものを揃える。  販売は教員の店長と卒業生のスタッフのほか、土・日曜日にファッション流通科の学生が店頭に立つ。新年度から対象を現在の3、2年生から全学年生にするほか、流通科の学生にも商品作りに参加させる。  必要な縫製技術が商品の基準に達しないものもあるが、縫い直したり、作り直したりと、細かい気の入れ方ができるようになるのが、この取り組みのメリットだ。商品作りの一連の作業は資料化し、就職活動の際のプレゼンテーションにも役立たせている。  運営の採算は度外視しているが、来店客数は平日20~30人、土日40~50人で、売り上げゼロの日はわずか。ただ、服はデザインが気に入ってもサイズの問題があるのが難点。小物中心の売れ行きになりがちだけに、今後どう服を作っていくかが課題になりそうだ。

2003/01/17
強まる通年対応 都内百貨店リクルートスーツ商戦
レディス オリジナル強み発揮 メンズ NBショップけん引
 就職活動のためのリクルートスーツ商戦が、最盛期を前に活気付いてきた。都内百貨店では「今月下旬から2月初旬が売り上げのピーク」とし、特設会場への移設拡大やオリジナル商品の拡充などで顧客の獲得を狙う。今シーズンの特徴はフェア開催期の長期化だ。ここ数年は前倒しを競ってきたが、「後ろにも倒し、通年化する就職活動への対応をより強める」動きが活発だ。  《レディス》 伊勢丹本店のトラッドブランドゾーンに構えるリクルート対応平場は、昨年9月10日から6月3日までをフェアとしてポップを含めた打ち出しを強めている。昨シーズンより3週間早めて1カ月延ばし、年間対応をより強化する狙いだ。フェアを立ち上げた9月の売上高は前年同月比40%増。5月も現状の3割の売り上げは見込めるという。  商品はオリジナルの動きがいい。「オンリーアイ」のサイズピッチバリエーションスーツは、過去のお直しデータをもとに生まれた企画。7~13号の各サイズに袖丈が1・5センチ短いジャケットを開発し、合計で4サイズ8タイプを揃えた。スカートは60、57、54と3センチピッチ。お直し率はジャケットが40%から25%へ、スカートが40%から7%へ改善し、約8割をお直し要らずでカバーしている。価値と価格のバランスを重視した「IQ」を含め、独自企画は売り上げ総数の25%を占める。  また、キャラクターブランドの伸びも顕著だ。今シーズンは新規に15社の協力を得て、別注を含めたオリジナルスーツを販売した。中でも「Mプルミエ」が好評で、累計で200着を売るヒット商品となっている。  西武百貨店 池袋店は価格訴求で勝負する。オリジナル企画「スーパーバリュースーツ」は、ジャケット1万9900円・スカート7900~9900円の年間を通したヒット商品。今月末には5900円のブラウスも投入する計画だ。  販促では学生に着こなしを発信する大学での説明会に力を入れた。今シーズンは5校増やし、約30校で開催した。スーツ選びとともに、外部アドバイザーによる化粧指導も加えるなど内容を充実し、レスポンス率を約3割まで高めている。  高島屋新宿店はオリジナル商品で機能性をアピール、丈の長めのジャケットが人気で、スカートとパンツを同時に購入する客も少なくない。昨年11月中旬から2月下旬まで最盛期規模の面積を構え、早期化・長期化する就職活動の対応を強める。  《メンズ》 メンズのリクルート商戦は立ち上がりから今月上旬までの累計で、高島屋新宿店が前年同期比22%増、伊勢丹本店が5・1%増、西武百貨店池袋店が5%増だ。  ここ3、4年で平場よりキャラクター・トラッド系ショップでの購入が目立つ。「普段、愛用のNBショップで購入する傾向が強い」(西武)ため、「従来はスーツ平場が売り上げの半数を占めていたが、今シーズン強化した1階デザイナーゾーンや2階トラッドゾーンが大きく伸ばして逆転した」(伊勢丹)。「例年より1カ月早く11月初旬から活発に動いた」(高島屋)。  スーツ平場での購入は年々減少している。他業態との激しい競合が背景にある。「親と一緒の来店や一足早く就職活動をする学生が中心」(西武)。「平場でのコーナーも縮小している」(伊勢丹)。ただ、「平場での集積を拡大し、スタイルのバリエーションを充実したことで、買い上げ比率が高まった」(高島屋)という。  売れ筋はベーシックな紺の三つボタン、チャコールグレーも出ている。中心価格は伊勢丹が5万3千~5万9千円(前年4万9千円)と上昇している。高島屋は4万9千円。  最大需要期である今月末から2月初旬にかけて、伊勢丹は別フロアで婦人と合同でリクルートスタジオを開設する。西武もリクルートセンターを構築する。高島屋は写真スタジオを紳士フロアに設ける。

2003/01/17
8スクール、4月開校 岐阜で オリベコンソーシアム、ファッションアカデミー  岐阜県と県内企業がホリプロと共同で地元アパレル産業の振興を目指す「ORIBE(オリベ)コンソーシアム」は、4月に開校するORIBEファッションアカデミーの概要を15日、発表した。同コンソーシアムはイベント、アカデミー、プロダクトの3事業を柱としており、ファッションアカデミーでは世界に通用する人材の育成を目指す。  ORIBEファッションアカデミーは8スクールで構成する。スタイリストやネールアート、ヘアデザイナー、ファッションビジネスなどプロ養成の講座に加え、おしゃれ講座などの一般向けスクールも開校する。情操教育とタレント育成のためのインプルーブメント・アカデミーは、ホリプロ・インプルーブメント・スクールのカリキュラムが東京、横浜以外で初めて受講できる。  講師陣はホリプロ所属のタレントや文化人、国際的なアーティストなどを起用する。会場はJR岐阜駅のアクティブG。  梶原拓岐阜県知事は「世界にオリベ文化を発信し、岐阜県が世界のデザインの拠点として発展する基盤ができた」と語り、堀威夫ホリプロ取締役ファウンダーは「閉塞(へいそく)感を文化の香りで打ち破りたい」と語った。
 8スクールの概要は次の通り。  おしゃれスクール=一流のファッションとおしゃれ講座▽インプルーブメントスクール=情操教育とタレント育成▽スタイリストスクール=プロスタイリスト養成▽デジタルファッションセミナー=デジタルを使ったファッション人材育成▽バーチャルファッション工房=デジタルで理解するファッションビジネス講座▽パーソナルデザインセミナー=エグゼクティブのためのパーソナルデザイン▽ベルフォートプロフェッショナルアカデミー=ネールケアなどのビューティ講座▽ベルフォートアカデミーオブビューティ=プロのヘアデザイナー養成の専修学校

2003/01/08
【人財】 コロモ・ドット・コム「開かれた」取り組み 求人情報サービスを独立運営
アパ産協とも連携を強める コンテンツさらに充実
 求人、就職活動でインターネットを利用するのは今や、当たり前の現象になりつつある。コロモ・ドット・コム(東京、斉藤恒夫社長)は02年4月末に繊維・ファッション業界専門の総合求人サイトを開設、徐々に業界内の認知度を高めている。今後も、より使いやすいサイトにしていくことで、活用の幅を広げていく考えだ。
4ジャンルに分類
 コロモ・ドット・コムが立ち上げた求人サイトは「コロモ・ジョブ・サーチ」(www.coromo.com/job)。繊維・ファッション業界に特化しているのが特徴で、中小企業を中心に業界関連企業の効率的な人材募集、獲得を支援するとともに、業界への就職・転職希望者に向けて適時適切な情報を提供することを目的としている。  当初は「新卒」「転職」「アルバイト」の分類で求人情報を掲載していたが、02年9月に東レ・エージェンシーと提携し、「派遣」を加え、四つのジャンルで構成している。掲載求人情報は月によって異なるが、平均で70件前後。やはり転職、アルバイトの募集が多数を占める。
量より質を追求
 当面は全体で100件を目標とし、ゆくゆくは各ジャンルで100件以上の情報掲載を目指す。ただ「求人は量よりも質が求められる」(斉藤社長)ため、どういう人材が欲しいのか企業側に募集内容の明確化を求めるなど、より精度アップをはかる。また、求人情報掲載企業の協力も得て、どういう人が応募し、採用されているのかなどの追跡調査を行い、よりニーズに合ったサイトにしていく考えだ。  職種としては販売職が相対的に多いものの、デザイナーやパタンナー、マーチャンダイザーなどの専門職を求める企業も増えている。規模の小さい企業はもちろんだが、東京ソワールユナイテッドアローズインパクト21、イーストボーイといった有力企業も利用している。  コロモ・ドット・コムはこれまで、会員企業向けサービスの一環としてコロモ・ジョブ・サーチを運営してきたが、2月からこれを独立したサービスにする予定だ。このサービスを利用するのはもっぱら人事部門だが、会員であることが前提になると、他部門との調整が必要となり、社内決済が遅れたり、利用を見送るケースが生じているため。独立させることでより利用しやすくするとともに、同社としても収益事業として育成していく狙いもある。  これに併せて、料金体系の多様化も進める。従来は会員のみを対象としていたため、料金は年会費に含まれていたが、サービスの独立にともない、スポット利用契約や年間フリー利用契約を導入する予定。  また、より見やすく、使いやすいサイトにするため、情報の内容を質量ともに強化する一方、02年末にはデザインをリニューアルし、ビジュアル面でも工夫を凝らした。03年1月中旬をめどにコンテンツ(情報の内容)アップを計画しており、業界マップや業種・職種紹介などの業界研究、業界資格紹介を準備中だ。  学生援護会東日本の転職情報誌「サリダ」との提携も継続する。02年9月、11月に続いて、2月に合同企画の第3弾を予定している。
総合人材サイト
 日本アパレル産業協会をはじめ、業界団体や教育機関との連携も強化する。その第一歩としてアパ産協の人材育成委員会と協力し、今年度の新卒採用シーズンをにらみ、(1)3~4月の約1カ月間、コロモ・ジョブ・サーチ内に合同企業説明会特集企画ページを設置する(2)合同企業説明会の告知情報を掲載する(3)参加企業の企業情報や新卒求人情報を掲載する――などの取り組みを行う予定。  現在はまだ、求人サイトの位置付けだが、将来的にはキャリアアップのための教育内容や方法論などを盛り込み、繊維・ファッション業界を対象にした人材面の総合サイトへと発展させていく考えだ。


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